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第四十話 久々の再会

 皆で話をしていたら十分にポーションが冷めたので、一定量を瓶に詰めていきます。

 そして、スカーレット姉様が鍋に残った薬草を見つめていた。

 

「この残った薬草はどうするの?」

「いつもは炒め物にしたりおひたしにしているよ。アク抜きしてあるから、苦くないんだよ」

「へえ、そうなんだ」


 薬草からはポーションに必要な成分は抜けきっているし、食べても全然問題ない。

 なので、孤児院では色々な料理に使っていたのだ。

 孤児院では、使えるものは何でも使っていたよなあ。


「なら、料理長に頼んで何か作って貰いましょう。もしかしたら、炊き出しで出す料理の参考になるかもね」


 お母さんの提案もあり、試しに残った薬草を料理に使う事になった。

 料理の名人にかかったら、残った薬草がどんな料理に変わるのだろうか。


 さてさて、ある程度ポーションができたけど、ここで問題が発生。


「もう、薬草の残りがないね」

「うーん、どうしようか」


 ドリーお姉ちゃんの言う通り、薬草の在庫がほぼないのだ。

 いつも新鮮な薬草を使っているけど、この前孤児院に荷物を取りに行った際に採取してくれた分しか手持ちにはなかった。

 すると、ここで来客があると屋敷の侍従が教えてくれた。


「皆様、冒険者の方が見えられております」

「あー! ヴォルフだ!」

「ウォン!」


 ヴォルフが、尻尾を振りながら笑顔で部屋の中を覗き込んでいた。

 ヴォルフと仲良しのライラちゃんが、ダッシュでヴォルフに駆け寄っていった。

 ここにヴォルフがいるとなると、来客したという冒険者は直ぐに誰だか分かった。


「よっ、元気にやっている様だな」

「王子様になったと聞いたけど、クロノ君は相変わらずポーション作っているわね」


 やってきたのはバーサックさんとリリーナさんだった。

 いつもの通りに接してくれるので、僕としてもとても助かるなあ。

 バーサックさんとリリーナさんも、離れの中に入って貰います。

 因みにヴォルフは入り口付近に陣取って、ライラちゃんと戯れています。


「お母さん、スカーレット姉様、リリアン姉様。赤ちゃんだった僕を見つけてくれた、バーサックさんとリリーナさんです。定期的に僕達の事も気にかけてくれているんだよ」


 先ずはお母さんとスカーレット姉様とリリアン姉様に、バーサックさんとリリーナさんを紹介します。

 お母さんは赤ちゃんだった僕を見つけてくれたと知って、バーサックさんとリリーナさんの手をぎゅっと握っていた。


「クロノの母のマーガレットです。幼いクロノの事を見つけて頂き、本当に感謝いたします。なんとお礼をしたら良いか……」


 お母さんはバーサックさんとリリーナさんの手を握ったまま、涙ながらに僕を見つけてくれた事に対してお礼を言っていた。

 お母さんは冒険者が赤ちゃんだった僕を見つけたという事は知っていたらしいが、誰が見つけたかは知らなかった様だ。

 厳密に言うと、僕の事を見つけたのはライラちゃんと戯れているヴォルフなんだけどね。


「弟君を見つけてくれて、どうもありがとう」

「弟君が生きているのも、お兄さんとお姉さんのおかげなんだね」


 対して、スカーレット姉様とリリアン姉様は、満面の笑みでバーサックさんとリリーナさんにお礼を言っていた。

 そんな、姉様達の明るい様子に釣られてか、お母さんも少しずつ落ち着きを取り戻した様だ。

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