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第三十四話 クロノへの依頼

「この後、国民には王妃と宰相の捕縛と共にクロノの王族復帰を告知する」

「国民はクロノの事を話題にするだろう。クロノには、そのタイミングで慈善活動をしてもらいたい」

「つまり、炊き出しや無料の治療を行うのですね」

「そうだ。理解が早くて助かる」

「クロノの事を利用する事になって、こちらも心苦しいが」


 アルス兄様もカーター兄様も少し難しい顔をしている。

 僕を王族に戻して、いきなりこき使う事になるんだよね。

 でも、僕だって兄様の力になりたいと思っているんだ。


「兄様、その話は喜んでお受けします。国の為になるなら、僕はいくらでもお手伝いします」

「そうか。済まないが、よろしく頼む」


 アルス兄様が、ホッとした顔でお礼を言ってくれた。

 この話は、僕に断られても仕方ないと思ったんだろうな。

 あっ、折角だからこの事も提案してみよう。


「兄様、差し当たって二つお願いがあります」

「なんだ? 言ってみよ」

「慈善活動の時に出来れば役人を連れてきてくれませんか? 慈善活動できた人に質問をして、街の改善点やお願い事を書き留めれば役に立つと思います。もう一つは、街の清掃活動を同時に行います。行動で示せば住人の考え方も変わるでしょう。更に、不審な箇所の確認にもなります」

「その提案は非常にメリットが大きい。是非とも検討しよう」

「しかしクロノよ、よく気がついたな」

「ポーションを作っている時も、より良い物を作る為に冒険者からヒアリングを行いましたので」

「成程、既に実践していたのか」


 閣僚や偉い貴族の人も、僕の意見にふむふむと納得してくれたよ。

 話を聞くのは簡単だし、意外と貴重な話を貰える時もあるんだよね。

 

「とりあえず、今日はこんな物だな。おっと、大事な事を言い忘れた」

「クロノは正式に王位継承権二位になる。後、宮殿にも部屋を用意した」

「当面は母上から勉強を教わるのが仕事だが、国事行事などは参加して貰うぞ」

「はい、分かりました」


 王族に戻るんだから、国事行為に参加するのは当たり前だよね。

 それにお母さんからも勉強を教わるのは、僕にとってもとても助かる。

 僕は計算とかは前世の知識があるから何とかなるけど、この国の地理とか歴史とかが全く分からないんだ。

 頑張って色々と覚えないと。


 という事で、僕はこれでお役御免です。

 次に、侍従が宮殿内の部屋を案内してくれるそうです。

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