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第十六話 ポーションを急遽増産する事に

「という事だ、すまんなクロノにドリー」

「いえいえ、僕達は大丈夫ですよ」

「必要としている所があるのでしたら、私達は頑張ります」


 この前言われた軍で使うのに必要なポーションを納品したら、その場でギルドマスターからポーションと毒消しポーションの増産のお願いをされた。

 こんなに一気にポーションを使うのかと思う人もいるかと思うけど、実は五日後に王位が二人の殿下のどちらになるかという宣言をするという事をギルドマスターから教えて貰った。

 ギルドマスター曰く、この話は秘密でもなく貴族なら誰でも知っているので、僕達に話しても何も問題ないと言っていた。

 名目上は軍がポーションを必要としていると言っていたけど、実際にはこの宣誓の場で何かあると踏んでいるんだろう。

 僕としても二人の兄に何かあって欲しくはないから、ポーションと毒消しポーションの増産をするのは大賛成だ。

 こういった形で兄の事を影ながら支援できるって、何だか不思議な感じだな。

 先ずはという事で、宣誓の場の前日までポーションと毒消しポーションをできるだけ作る事になった。


「という事で、私達は暫く薬草採取に専念します」

「「「おー!」」


 ギルドマスターが僕とドリーお姉ちゃんにポーション増産の説明していた時に孤児院のメンバーも一緒に聞いてくれていたので、直ぐにアンナお姉ちゃんの号令によって、冒険者組は薬草採取に専念する事になったのだ。

 実はあの強力な毒消しポーションは軍が高額で買い取ってくれたので、日々の生活費の為にと急いでお金を稼ぐ必要がなくなったのだ。

 いっぱい貰ったお金はアンナお姉ちゃんがばっちり管理してくれているし、大金が入っても無駄遣いをする事もないのだ。

 

「じゃあ、僕は空の瓶を洗うね」

「ゴードンお兄ちゃん、お願いします」


 ゴードンお兄ちゃんはたまに空き瓶を洗ったり井戸から水を組んでくれたりするので、今回は僕達のサポートに回ってくれる。

 というのも、またギルドマスターが王都のギルドから大量の空き瓶を持ってきてくれたからだ。

 という事で、皆で分担してポーション作りの作業を開始します。


「ドリーお姉ちゃん、念の為にあの強力な毒消しポーションを作る材料は残していた方がいいよね?」

「私もそう思うの。ギルドマスターの口ぶりだと、きっと何か大きな事がありそうだわ」

「じゃあ、お兄ちゃんとお姉ちゃんたちが採ってきた新鮮な薬草の内、強力な毒消しポーションを作るのに必要な分は残しておこう」

「そうね、それが良いわね」


 ギルドマスターは何も言わなかったけど、きっとあの強力な毒消しポーションが役に立つ時がくる。

 僕とドリーお姉ちゃんは、同じ意見に達したのだった。


「にーに、ねーね」

「おっと、ありがとうねライラちゃん」

「どーも!」

「先ずはポーション作りに専念しないとね」


 ドリーお姉ちゃんと話をしていたら、腰に手をあててほっぺたを膨らませているライラちゃんに注意されちゃった。

 ライラちゃんって、小さいのに僕達の事をよく見ているなあ。


「帰ってきたぞ」

「薬草いっぱい採れたよ!」

「毒消し草も沢山あるよ」

「ありがとう、ゴレスお兄ちゃん、ララお姉ちゃん、リリお姉ちゃん」


 ある程度ポーションを作った所で、薬草採取からゴレスお兄ちゃんとララお姉ちゃんとリリお姉ちゃんが帰ってきた。

 かご一杯に薬草と毒消し草を摘んでくれたので、とっても大助かりだ。

 しかし、一緒に薬草を採っていたアンナお姉ちゃんの姿が見当たらない。

 何処に行ったのかな?


「あれ? アンナお姉ちゃんは?」

「皆のお昼ご飯を買いに行ったぞ。台所はポーション作りで占領されているし、たまにはっていっていた」

「あ、そうか。台所を僕達が占領しちゃってるよね」

「気にするな。折角頼まれた仕事なんだ。頑張ってやろうぜ」


 流石はアンナお姉ちゃんだ、僕達の事も考えて動いてくれている。

 じゃあ、僕もゴレスお兄ちゃんにお願いしちゃおう。 


「うん。じゃあ、出来上がったポーションをギルドに持って行って貰っても良い?」

「おう、力仕事は任せておけ」

「お姉ちゃんも持っていくね」

「ドリーとクロちゃんも頑張ってね」

「いってらっしゃーい」


 ゴレスお兄ちゃんとララお姉ちゃんとリリお姉ちゃんは、任せろって感じで出来上がったポーションをギルドに持っていった。

 ライラちゃんが皆を見送ると、ゴレスお兄ちゃんはガッツポーズをしていった。


「ただいまー」

「アンナねーね、おかえりー」

「ただいま、ライラちゃん」


 おっと、ご飯を買いに行ったアンナお姉ちゃんも帰って来たようだ。

 こうして僕達は、それぞれ分担してポーションと毒消しポーションの増産に入ったのだった。

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