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第百二十五話 二日目の行動開始です

 バンザス領にみんなと一緒に来て、二日目になりました。

 今日は、一日町を見学する予定です。

 どこを回るかはマーサさんが知っているので、朝食を食べたらさっそく回ることになりました。


「あたしも一緒について行くよ。現地の案内役が必要だろう」


 カルメンさんも、僕たちと一緒についてくるそうです。

 そういえば、僕は孤児院と冒険者ギルドを往復する生活が続いていたから、冒険者として活動していたゴレスお兄ちゃんたちと違ってあまり町を歩いていないんだよなあ。

 そんなことを思いながら、僕はもぐもぐとパンを食べていました。


「では、行くか。俺たちが、クロノの護衛だな」

「クロノにーに、まもるよー!」


 朝食を食べ終えて部屋に戻って着替えとかの準備を終えた僕に、ゴレスお兄ちゃんが声をかけてきました。

 ライラちゃんも元気よく声をあげていたけど、どちらかと言うと僕がライラちゃんを守ってあげないとね。

 ではでは、いよいよ出発です。


「わあ、町ってこんな感じだったんだね。思ったよりも大きい町なんだ」

「おっきー!」


 屋敷を出て改めて町を見回したけど、冒険者ギルドは街道を真っ直ぐ歩けば着くから直ぐに分かったんだよね。


「悪政を敷いていたとはいえ、王都に隣接している元男爵領ですので。伯爵領になるだけのポテンシャルは、十分にございます」


 マーサさんが僕に色々と説明してくれたけど、乱開発しなくても十分に発展できるそうです。

 王都に近くて冒険者がたくさん働くことができるし、軍も駐留しています。

 物流が改善すれば、たくさんの人が暮らせるようになりそうですね。

 そして、僕たちは改めて住んでいた孤児院跡に向かいました。


「弟殿下にはショックかもしれないが、実はあたしがバンザス領に着いた時点で一部崩壊していたんだ。周囲の住宅に被害が及ぶ可能性があつたから、急ぎで解体したんだよ」


 カルメンさんが孤児院を解体した経緯を教えてくれたけど、確かに既にボロボロの孤児院だったもんね。

 屋根が崩れちゃったから、もうどうしようもなかったそうです。

 アンナお姉ちゃんたちも何もなくなった孤児院を、ずーっと眺めていました。

 短い間だったけど、ボロボロの孤児院でみんなで力を合わせて暮らしていたもんね。


「孤児院跡に作る宿は、既に木材の切り出しが始まっている。だから、近日中に基礎工事が始まる予定だ」

「町の発展の為に、孤児院跡地が有効活用してくれればいいですね」

「そこは、きっちりと計画を立ててやるよ。それに、これからも孤児が出たら屋敷で面倒をみる予定だ」


 カルメンさんが僕たちに説明してくれたけど、孤児が出た時の対応がしっかりとしているのなら僕もとても安心です。


「私たちが住んでいたところが、多くの人の役に立つのよ。ライラちゃんも今は分からないかもしれないけど、この場所があって良かったと思ってくれる日がくるわよ」

「ぐすっ、くす……」


 ライラちゃんは、やっぱり今まで住んでいた孤児院がなくなっていてショックだったみたいです。

 ドリーお姉さんに抱きついて泣いていたけど、ライラちゃんはまだ小さいからその辺の事情が理解できるまでもう少しかかりますね。

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