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第百二十二話 面会に来た人と屋敷内の案内

 昼食を食べたらさっそく治療研究所の視察なんだけど、その前にお客さんが訪ねてきました。

 誰だろうと思いつつ、僕はみんなと一緒に食堂で昼食を食べました。

 ちなみに、食堂は普段は治療研究所で働いている人が使っているそうです。

 カルメンさんもお客さんの対応をするそうなので、僕と一緒についてきた。

 ちなみに、マーサさん以外の人は食堂に残っています。

 そして、応接室で会った人に僕はびっくりしちゃいました。


「あっ、会いに来た人ってギルドマスターだったんですね」

「よお、元気でやっているみたいだな」


 僕に会いに来た人は、バンザス領のギルドマスターでした。

 王都でも何回か会っているけど、こうしてバンザス領で会うのは一年ぶりですね。


「お前らが、無事に到着したかを確認しただけだ。後でギルドに来るらしいが、冒険者がお前らに会いたくてウズウズしていたぞ」


 ギルドマスターがニカッと笑いながら教えてくれたけど、そういえばこの町の冒険者にはとてもよくしてくれたのに挨拶もできずに王都に行っちゃったもんね。

 バーサックさんとリリーナさんとヴォルフはたまに会うけど、それ以外の冒険者にはしっかりと挨拶をしないと駄目だね。

 ちなみにギルドマスターは本当に僕たちが無事に到着したかを見に来ただけらしく、用事が済むと直ぐに冒険者ギルドに帰って行きました。


「このバンザス領は、王都にも近いのに自然が残っているから冒険者に人気になっているんだよ。町の開発も自然を壊さない程度に行う予定だし、これからもっと人口が増えるはずだよ」


 カルメンさんもニコリとしながら教えてくれたけど、王都に近い立地と自然が残っている立地がある場所は限られているそうです。

 そして、カルメンさんがこんなことを教えてくれました。


「そういえば、春からこの屋敷の一室を使って試験的に冒険者学校を始めるそうだよ。冒険者もたくさん集まっているし、軍も駐留していて治安もいいからね」


 おお、遂に冒険者学校もスタートするんですね。

 試験的な意味合いもあるので、最初は少人数で行うそうです。

 この一年間で、バンザス領も色々と変わってきているんですね。

 さて、そろそろみんなも昼食を食べ終えたはずなので、さっそく治療研究所兼屋敷見学を始めましょう。


「治療研究所は、屋敷の三部屋を使っている。生薬の製造に関わる部屋と治療を行う部屋、それに執務室代わりの部屋だ。生薬の製造をする部屋では、ポーション作りの装置も備えているぞ」


 カルメンさんが僕たちを治療研究所の部屋に案内してくれたけど、もっと多くの部屋を使っていると思っていたよ。

 ちなみに、治療施設では回復魔法が使える人が常駐していて、手続きをすれば冒険者も使用可能だそうです。

 色々なことが、出来るようになっているんですね。

 でも、ちょっと疑問が。


「それだと、部屋がたくさん余っている気がしますよ」

「あたしが代官代わりってのもあるから、客室も含めて使っていないんだよね。それに、研究者は衣食住が足りていれば済むものが多い。だから、アカデミーの一部も夏前にはやってくる予定だ」


 おお、カルメンさんは何でも出来るんだね。

 お母さんとも知り合いっぽかったし、凄く頭が良いんだ。

 みんなも、思わず感嘆の声を上げていたよ。


「それに、使用人はお手伝いをしたい性分の人が多いんだ。だから、研究者もとても助かっている」


 カルメンさんが色々なことを教えてくれたけど、総じて言えるのは治療研究所が上手く回っているってことですね。

 ではでは、今度は屋敷の二階に上がります。


「二階はプライベートスペースが多いが、あたしたちは使っていないよ。広くて豪勢な部屋は、何だか性分に合わないんだ」


 カルメンさん曰く、研究者も使用人たちと同じような部屋に住んでいるそうです。

 豪華な調度品なんていらないし、ホールもパーティーで使う最低限のものしか置いていないそうです。

 もっとも、バンザス男爵の不正に絡んで殆どの調度品や金品が没収されているそうです。

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