第百二十話 バンザス領に行く準備を整えます
バンザス領に行く準備は、着々と進んで行きました。
「「いーなー、一緒に行きたかった……」」
残念ながら、スカーレット姉様とリリアン姉様は王宮で勉強だそうです。
あと、お母さんも王宮に残るので、礼儀作法とかをビシバシ教えるそうです。
僕からは、姉様には頑張って下さいとしか言えませんね。
そして、僕の荷物とかはマジックバッグにまとめて入れることにしました。
魔法使い用のマジックバッグがあるそうなので、魔法が使える僕、ドリーお姉ちゃん、ララお姉ちゃん、リリお姉ちゃん、ライラちゃんが持つことにしました。
魔法使いしか使えないけど、その分単純な構造なので安いそうです。
今までのポーション作りで貯めたお給料を使って、みんなの分を買いました。
ゴレスお兄ちゃんは、普通のバッグの方が安心すると言っていました。
マーサさんも一緒についてきてくれるので、ホッと一安心です。
「一週間不在でも、特に問題ありません。今後クロノ様は出張が増える可能性がありますので、ある意味いいシュミレーションになります」
エミリアさんが、僕が不在でも全く問題ないと言ってくれました。
それだけ、薬師ギルドが順調に動いている証拠だね。
あと、寒い時期を過ぎたから、忙しいのが落ち着いたのもあります。
サーニャさんたちも、僕がいない間は頑張ると言ってくれました。
サーニャさんたちは、いつも頑張ってくれているもんね。
「弟殿下には、弟殿下しかできない仕事を頑張ってもらわないとね。みんなの愛らしいマスコットでも十分な効果があるけど、やっぱりその穏やかな人柄は得だと思うわ」
「うんうん、私もそう思うわ。新しい薬師ギルドに来てまだ一年経っていないけど、弟殿下は凄い人だと思っているわ」
シエラさんとステファニーさんも、僕が出来ることを頑張ってと言ってきました。
僕は、みんなが幸せになってくれれば良いなって思っているんだよね。
ということで、職員の皆さんに僕が不在の間をお願いしました。
そして、夕食の時に屋敷に帰ってきたお母さんが改めて旅の日程を教えてくれました。
「王都からバンザス領までは、半日も掛からずに到着するわ。だから、出発の日は早朝に出て、帰る日はお昼過ぎに出ることになるわね」
出発と帰る日は実質半日活動になり、残りの五日間は一日活動になります。
といっても、色々なところの見学があるから、一日中動くことになりそうだね。
「あと、王都でもやっていた奉仕活動をバンザス領でもやって欲しいわ。町の人もクロノのことを歓迎するはずだけど、念には念を入れることにするわ」
お母さんは王都で僕たちの奉仕活動に効果があるのを知っているから、バンザス領でも念の為に行いたいそうです。
それに、元バンザス男爵はとても酷い統治をしていたから、住民を安心させてあげたいのかもしれないわね。
「後は、全員元気で帰ってくることよ。できれば、怪我もしないでね」
「はーい!」
お母さんのお願いに、ライラちゃんが元気よく手をあげていました。
お家に帰るまでが視察だから、僕たちも帰るまで気をつけないといけないね。
そして、今夜は僕とライラちゃんはお母さんと一緒に寝ました。
無事に屋敷に帰ってきて、またお母さんと一緒に寝たいね。