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第百十五話 カーター兄様の王都凱旋

 そしてカーター兄様が公爵領を出発して半月後、遂にカーター兄様が王都に凱旋しました。

 僕たちは、夕方前に軍の施設に向かってカーター兄様の到着を待ちます。


「あっ、みえたよー!」


 パタパタと空を飛びながら街道の向こうを見ていたライラちゃんが、大きな声をかけてきました。

 軍勢が姿を現して、町の人も到着を祝福していました。

 すると、ティナさんが先頭にいる騎馬目掛けて走っていきました。


「カーター様、お帰りなさいませ! よくご無事で……」


 カーター兄様も馬から降りて、部下に馬を任せてティナさんを抱きしめていました。

 僕たちもカーター兄様の側に行ったけど、二人の再会を邪魔しないでいました。


「わーい、ギュー!」


 ライラちゃんだけは、そんなの関係ないって感じでカーター兄様に抱きついていました。

 そして、みんなで王宮に行って話をすることにしました。


「どうやら、元公爵家のものは王家が軍を差し向けるとは思ってもいなかったみたいです。そのため、指揮権限が崩壊しておりました」

「なるほど、だからこそ先発隊でも十分に対応できたのか」


 王宮の応接室でカーター兄様がアルス兄様に色々と報告をしていたけど、公爵家だから潰されることはないと高を括っていたみたいです。

 結果として、あっという間に制圧され、親戚の人が公爵になりました。

 すると、カーター兄様は僕にもお礼を言ってきました。


「クロノの作ってくれたポーションを殆ど戦闘で使わなかったので、代わりに町の人の治療に使うことができた。おかげで、多くの人の命を救うことができた」


 大変な戦闘が起きると思っていたから、ポーションはとにかくいっぱい納品したんだよね。

 なので、有効活用してくれるのなら僕としては全然問題ありません。

 そして、カーター兄様はティナさんにもお礼を言っていました。


「ティナの強力な毒消しポーションも、かなり役に立った。一度新しい公爵が使用人に食事に毒を盛られたことがあって、ちょうど私の胸元にティナの作った強力な毒消しポーションがあったのだよ」

「カーター様の役に立てて、私もホッとしております」


 ティナさんの作った強力な毒消しポーションは、まさに御守になったんだね。

 ティナさんも、ホッと胸を撫で下ろしていました。


「さて、やることはたくさんあるからゆっくりはできないだろう。軍も、休暇を取ったら新しい施設建設に動き出さないとならないとな」


 カーター兄様は、早くも次の目標を見ていました。

 カーター兄様は元から軍を通じてアルス兄様を支えるつもりでいたし、一つ落ち着いたことでだいぶ気が楽になったのかもしれませんね。

 僕も、みんなを支えるために頑張ってポーションを作らないと。

 こうして、簡単な報告は終わりました。

 明日謁見を開くそうなので、そこで今後のことを話しするそうです。

 そして、今日はせっかくなのでみんなで王宮に泊まりました。

 女性陣はスカーレット姉様とリリアン姉様の部屋に別れていたけど、ゴードンお兄ちゃんとライラちゃんはお母さんの部屋で休んでいました。

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