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第百十話 カーター兄様が出発しました

 そして翌朝になり、僕たちは色々準備して軍の施設に向かいました。

 当初の予定の僕とお母さん、ステラさんとティナさんだけでなく、孤児院のメンバーも全員一緒に行くことになりました。

 というのも、アンナお姉ちゃんたちも町の巡回を行うので、ついでに一緒に行くことになりました。

 追加でポーションとかを作ったので、ドリーお姉ちゃんたちも一緒に持っていくそうです。

 みんなで着替えて馬車に乗って軍の施設に向かうと、ちょうどカーター兄様が出発前の最後の準備をしていました。

 馬車を降りると、真っ先にティナさんがカーター兄様のところに向かいました。

 そしてティナさんは、一つのポーション瓶を取り出してカーター兄様に渡しました。


「カーター様、みんなで作った強力毒消しポーションです。御守の代わりに、どうかお持ちくださいませ」

「ティナ、わざわざ持ってきてくれてありがとう。大切に使わせて貰うよ」


 カーター兄様は、ニコリとしながらティナさんから強力毒消しポーションを受け取りました。

 昨日、僕とお母さんが王宮から帰ってからみんなで作ったんだよね。

 すると、カーター兄様があることを教えてくれました。


「どちらかというというと、戦闘終結後の治安維持と領地の統治が大変だろう。例の公爵家の親戚が軍にいて、新たに公爵領を統治することになる。目処がついたら、王都に直ぐに戻ろう」

「はい、カーター様の無事の帰りを待っております」


 カーター兄様とティナさんは、ギュッと抱きしめ合いました。

 そして、僕たちともガッチリと握手をしてくれました。


「母上、クロノ、それでは行ってきます」

「戦場だから仕方ないのかもしれないけど、体には気をつけてね」

「僕も、カーター兄様の無事を願っています」


 こうして、カーター兄様は僕たちに手を振って軍の本隊とともに出発していきました。


「いってらっしゃーい!」

「お気をつけて!」


 そして、ライラちゃんとティナさんは軍が遠く見えなくなるまで手を振っていました。


「いっちゃったねー」

「きっと、カーター兄様も直ぐに帰ってくるよ」


 ライラちゃんに僕も返事をしたけど、なんとなく直ぐに戻ってきそうな気がしました。

 すると、お母さんはこれから王宮に行くと言いました。


「一度屋敷に帰ってからだけど、みんな待っているから無事に行ったと教えてあげないとね」


 アルス兄様、スカーレット姉様、リリアン姉様は王宮にいるので、お母さんが色々と話をするそうです。

 すると、お母さんがステラさんとティナさんにあることをお願いしました。


「二人には、この後屋敷で絶対に将来の役に立つことをしてもらいたいわ」

「「将来の役に立つ?」」

「クロノ、ゴードンちゃん、ライラちゃんに勉強を教えて欲しいのよ。自分の子どもに色々教えるのって、本当に大変なのよ」


 お母さんが僕にウインクをしたけど、僕は家庭教師の人から勉強を受けているもんね。

 ライラちゃんはまだ小さいから、ステラさんとティナさんの勉強にもなると思うよ。

 それに、ティナさんが寂しくならないようにお母さんが気を使ってくれたのかもね。


「母上、私たちも活動開始します」

「みんなも気をつけてね」


 そして、アンナお姉ちゃんたちも軍の人と町の巡回を始めるそうです。

 僕たちが奉仕活動をするのは明日なので、一旦残りのメンバーは屋敷に帰ることになりました。

 お母さんは、直ぐに王宮に向かいました。

 会議もあるそうで、本当に大変ですね。


「じゃあ、今日は私たちが二人に勉強を教えるわ」

「分からないところがあったら、何でも聞いてね」

「「はーい!」」


 こうして、勉強部屋でステラさんティナさん先生によるゴードンお兄ちゃんとライラちゃんへの勉強が始まりました。

 僕は、薬師ギルドのお仕事を終えたら勉強部屋に合流する予定です。

 マーサさんも一緒に手伝ってくれるそうなので、どんな勉強をするのかちょっと楽しみでした。

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