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第百六話 ライラちゃんに頑張ったご褒美

 少しすると、カーター兄様とティナさんは周りが声をかけにくそうだというのにようやく気が付きました。

 お互いにぱって離れて、ちょっと気まずそうな表情をしています。

 そんな二人は、何だかちょっと可愛いですね。


「でででで、ではでは、私はポーション作りに戻りますわ。カーター様も、出発までお体にお気をつけて下さいませ」

「ああ、今日は本当に助かった。こうして、皆の力が大切だと改めて感じた」


 カーター兄様とティナさんは、もう一度抱き合ってからお互いに離れて行きました。

 カーター兄様は兵に指示を出していて、ティナさんは僕たちのところにやってきました。


「皆さん、お待たせしました。ご迷惑をおかけし、申し訳ありません」

「良いのよ。ティナが元気になってくれれば、それで良いのよ。それに、実際に私たちが作った毒消しポーションが役に立ったし、ティナも少し自信を取り戻せたみたいね」

「ええ、こうしてカーター様だけでなく他の方々も救う事ができた。その事は、私の中で大きな自信になりましたわ」


 ティナさんも、ステラさんと手をつなぎながらお礼を言っていました。

 今のティナさんは、とっても表情が明るいですね。


「くろのにーに、そろそろかえろー」

「そうだね。毒消しポーションをいっぱい使っちゃったから、みんなで一緒に作ろうね」

「うん!」


 こうして、兵の駐屯地で起きた事件は無事に解決しました。

 僕たちはカーター兄様と別れて、再び薬師ギルドに戻ります。


「おっ、帰ってきたな」

「なんか大変な事になっていたみたいね」


 ゴレスお兄ちゃんとアンナお姉ちゃんが巡回から帰ってきていて、僕たちを出迎えてくれました。

 どうも巡回の途中に、軍の施設で起きた毒入り食事事件の話を聞いたみたいです。


「ライラちゃんの勘のお陰で、多めに毒消しポーションを持っていったんです。更に、ライラちゃんが不審者を魔法でやっつけたんですよ」

「へえ、それじゃあ今日の活躍者はライラちゃんなのね」

「ライラちゃん、よく頑張ったね」

「えっへん」


 ララお姉ちゃんとリリお姉ちゃんがライラちゃんの事を褒めると、ライラちゃんは腰に手を当ててドヤってしていました。

 確かに、今日のライラちゃんはティナさんと並んで大活躍だったもんね。


「では、今日は皆さん頑張ったということで夕食に一品追加して貰いましょう」

「わーい!」


 マーサさんから言われたご褒美に、ライラちゃんも大はしゃぎです。

 勲章とかよりも、美味しいご飯の方が嬉しいよね。


「おお、ここにおったか。皆玄関に集まって楽しそうだな」

「あっ、おじいちゃん」

「みんな揃っているみたいで、ちょうど良いな」


 ここで、みんなが集まっている玄関におじいちゃんがやってきました。

 何か用事でもあるのかな?


「なに、マーガレットが王宮に泊まることになったと伝えたいだけだ。ステラ様とティナ様は、よければ我が家に泊まっていって下さいだそうです」

「軍があんな事になって、会議も伸びているんだね」

「あんな事件があったばかりですから、自衛の為にも仕方ありませんね」


 例の毒騒ぎがあったから、ステラさんとティナさんを安全な所で守る意味合いもあるのでしょう。

 僕だけでなく、ステラさんもすぐに状況を理解してくれました。


「ねえ、じーじ、らいらがんばったんだよ!」

「おお、話を聞いているぞ。今日は美味しいものを作ってくれと、料理長に頼んだぞ」

「やったー!」


 こんな時でも、ライラちゃんのお陰でみんな笑顔です。

 こうして、今日の夕食はみんなで美味しい食事を食べて笑顔になりました。

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