第百三話 ティナさんの思いの詰まった強力な毒消しポーションの完成
昼食後は、早速皆でポーション作りを行います。
「らいらもおてつだいする!」
「ふふ、一緒に作りましょうね」
「うん!」
ティナさんだけでなくライラちゃんもやる気になっているので、きっと品質の良いものができるでしょう。
そして、ライラちゃんのお陰で、ティナさんも少し元気になった様です。
「じゃあ、ポーションを作ってから強力な毒消しポーションを作りましょう」
「普通の毒消しポーションも多めで良いわ。遠征では、どうしても食中毒とかも出るのよ」
「毒消し草も沢山あるし、ついでだから毒消しポーションも沢山作りましょうか」
ドリーお姉ちゃんの方針に、ステラさんが意見を言ってくれました。
確かに食べ物の保存関係とかで、食中毒とかも起こりそうだよね。
ポーションは沢山納品しているので、ここは毒消しポーションをメインに作ろう。
でも、強力な毒消しポーションを作るためには普通のポーションが必要なので、ポーションもある程度作ります。
「前にも見ましたが、ポーション作りというよりかはお料理を作っている様ですね」
「薬草のアク抜きをしたりとかしているので、確かに料理っぽいですね」
早速お湯を沸かして、その間に薬草のあく抜きを行います。
ティナさんと鍋の様子を見ているけど、本当に見た目は料理を作っている様だね。
あく抜きも終わったので、いよいよポーションを作ります。
ぐつぐつ、ぐつぐつ。
「じゃあ、ポーションを抽出している間に毒消しポーションの準備をしましょうね」
「はい」
今度は毒消しポーションを作るので、ドリーお姉ちゃんがステラさんと一緒に準備を行います。
毒消しポーションは沢山作るので、皆で手分けして作ります。
さてさて、僕達はポーションが出来たので、強力な毒消しポーションを作ります。
出来上がったポーションの鍋の中に、毒消し草を投入します。
ここからは、弱火でじっくりと毒消し草の成分を抽出します。
「段々と、色が変わって来ましたね」
「ここであまり煮込みすぎてもダメなので、慎重に火加減を調節します」
魔導コンロを弱火にして、じっくり煮込んでいきます。
ティナさんと一緒に、鍋を見つめていきます。
良い感じで、鍋の中の色が変わってきました。
「いーよ!」
「お、できたみたいですね」
「上手く出来てますか?」
「上手く出来ていますよ」
ライラちゃんの声が上がったので、鍋の火を止めます。
ティナさんは上手く出来たか不安そうにしているけど、僕も鑑定で調べて問題ない事を確認しています。
「よいしょっと」
「ほら、こぼすんじゃないよ」
「分かっているよ」
そしてゴレスお兄ちゃんが鍋を持ち上げて、ガーゼ越しにボールに中身を移します
ガーゼを持っているアンナお姉ちゃんが何か言っているけど、本当にゴレスお兄ちゃんとアンナお姉ちゃんは仲良しだよね。
後は、液を冷まして瓶に充填していきます。
「毒消しポーションもいっぱい出来たね」
「これだけあれば、何かあっても大丈夫だね」
「いっぱーい」
「私も頑張ったね」
「上手に出来て良かったね」
充分に液が冷めた所で、次々に瓶に詰めていきます。
今は道具を使って充填するので、液をこぼす心配もありません。
今日は毒消しポーションがメインだったので、緑色の瓶がいっぱい並んでいます。
僕はゴードンお兄ちゃんとライラちゃんと笑顔で話します。
スカーレット姉様とリリアン姉様も、毒消しポーションが上手く作れてとってもご満悦です。
「強力な毒消しポーションも上手く出来て、ティナさんも良かったですね」
「はい、とても嬉しいです。きっとカーター様も喜んでくれます」
メインとなる強力な毒消しポーションも上手に出来たので、ティナさんもアンナお姉ちゃんと嬉しそうに話しています。
では、皆で宮殿に毒消しポーションを持っていきましょう。