第百二話 ティナさんを元気つけよう
応接室に入ると、ステラさんとティナさんがソファーに座っていました。
心なしか、ティナさんは元気がなさそうです。
やっぱりカーター兄様が戦地に行くとあって、相当不安なんだろうなあ。
「戻りました。ティナさん、大丈夫ですか?」
「お帰りなさい。大丈夫、とは中々言い難いですけど、大丈夫ですよ」
「ティナ……」
から元気で僕に笑うティナさんの事を、ステラさんも心配そうにしています。
きっと周りに心配をかけない様にとしているんだろう。
うーん、どうにかしないと。
すると、スカーレット姉様とリリアン姉様が何かを思いついた様です。
「あ、ならクロノの所で一緒にポーションを作りませんか?」
「ティナさん、ポーションなら何かあった様にカーターお兄様の役に立ちますよ」
「そう、ですね。そうですね。私にも出来ることがありますね」
「僕もポーション作りのお手伝いをします。カーター兄様も、きっと喜んでくれますよ」
「私も手伝うわ。ティナには元気になって欲しいわ」
スカーレット姉様とリリアン姉様の提案に、皆も同意します。
武器とかだと誰かを傷つける事もあるけど、ポーションなら誰かを治す事になる。
早速行動を開始しようとなったので、皆で会議室の前に移動してちょうど会議を終えたお母さんにさっきの話を伝えます。
「それはとても良い案ね。お母さんはまだアルスとカーターと会議をするから手伝えないけど、しっかりとやるのよ」
「「「「「はい!」」」」」
お母さんの許可も得たので、早速皆で薬師ギルドに向かいます。
きっとドリーお姉ちゃん達も、カーター兄様へのポーション作りに協力してくれるはず。
次いでだから、アンナお姉ちゃんとゴレスお兄ちゃんにも巡回の話をしておこう。
という事で、薬師ギルドに到着です。
「話には聞いていたけど、本当に貴族の屋敷を再利用したのね」
「しかも、お隣さんなんですね」
引っ越し後の薬師ギルドを初めて見たステラさんとティナさんは、貴族の屋敷を再利用した薬師ギルドを見てびっくりしています。
そういえばスカーレット姉様とリリアン姉様も新しい薬師ギルドは初めてだけど、話はきいていたので特にびっくりしていません。
因みに、近衛騎士もついて来ているので、護衛体制はばっちりです。
関係者を集めて、早速応接室で話をします。
「カーター様にポーションを贈るのは大賛成だわ。次いでだから、強力な毒消しポーションも幾つか作りましょう。今は研究も行っていないから、研究室でやりましょうね」
「はい、よろしくお願いします」
ドリーお姉ちゃんも、カーター兄様にポーションを贈る案に大賛成です。
強力な毒消しポーションも在庫が少なくなったので、この際なので一緒に作ります。
「巡回なら任せてね。悪い人を捕まえるわ」
「確かに兵が少なくなるからな。これもクロノを助ける手助けだ」
「「頑張るよー!」」
巡回に関しても全く問題ないと、アンナお姉ちゃんとゴレスお兄ちゃんが太鼓判を押してくれました。
早速明日から巡回に参加してくれる事になりました。
「ねーねー、らいらはおべんきょう?」
「お勉強が終わったら、皆を手伝おうね」
「はーい」
ライラちゃんとゴードンお兄ちゃんは勉強をしつつ教科書を作る手伝いをしているので、午前中は勉強をします。
午後からポーション作りを手伝って貰いましょう。
皆もやる気満々なのですが、その前に腹ごしらえです。
昼食を食べて元気いっぱいになりましょうね。