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第百一話 出陣決定

 そして遂に公爵領へ出撃する準備が整い、王都から兵が出発する事になりました。

 僕とお母さんは宮殿に向かって、会議に参加します。

 そこで、様々な報告がされています


「公爵領では、兵の離散が続いています。広場での襲撃が阻止されて、士気が低下しているようです」

「代わりに傭兵や冒険者を雇っているそうです。しかし、離脱した兵を全て補充するまでには至っておりません」


 公爵領の周りを包囲しているので、公爵領内の疲弊もかなり進んでいるそうです。

 住民の事がかなり心配ですけど、そこは対策を取るそうです。


「公爵領へは、カーターを大将にして現地に向かわせる。そして、ある程度統治をしてから代わりの代官に引き継ぐ予定だ」

「え、カーター兄様が現地に向かうんですか?」

「ああ。これは王家に対する反乱だから、王家としても、それなりの立場を立てないとならない」

「流石に兄上は即位したばっかりだし、ここは私が現地に向かわないとならないのだ」


 僕もとても心配しているけど、アルス兄様とカーター兄様の決意は固かった。

 二人が決めた事なので、僕も余計な事は言いませんでした。

 お母さんも表情は変えていないけど、内心はとても心配なんだろうなあ。


「今回は正規兵に加えて獣人部隊も参加する。正直な所物量で押せると思うが、念には念を入れる」

「魔法兵も投入する。出来る限りの事をするのだが、ここでクロノにお願いがある」

「僕に、ですか?」


 急に話を振られたのでびっくりしたけど、カーター兄様から僕に何のお願いだろうか?


「一つは市内の巡回を強化したいので、暫くの間またクロノの所の手を借りたい。兵が少なくなるので、犯罪者が増える可能性がある」

「分かりました。巡回は大丈夫です。皆、喜んで協力してくれると思います」

「そうか、それは助かる」


 カーター兄様からの一つ目のお願いは、前もやっていたので全く問題ありません。

 ゴレスお兄ちゃんもアンナお姉ちゃんも、勿論ララお姉ちゃんとリリお姉ちゃんもきっと張り切ってやってくれるでしょう。


「二つ目は、私が不在の間ティナの様子を見てやって欲しい。母上にも頼んであるが、クロノにもこの件を頼みたい」

「勿論です。ティナさんは将来の義姉さんになりますし」


 やっぱりカーター兄様も、ティナさんの事が心配なんだろうな。

 優しいカーター兄様だから、自分が不在の間ティナさんができるだけさみしい思いをしないように手を打っているんだ。

 僕も全力でティナさんがさみしい思いをしないように頑張ります。


「まあ、ティナの事はステラにも様子を気にかける様に頼んである。私にとっても将来の義妹だ。私も気を付ける様にしよう」

「私もティナさんが悲しい思いをしないように気を付けます」

「家族皆で様子を見ますね」

「私にとっても義理の娘になるのだから、気にかけるのは当然よ。だから、カーターは自分の事に集中しなさいね」

「はい、分かりました」


 アルス兄様とスカーレット姉さまもリリアン姉さまもお母さんも、ティナさんの様子を見るのは当たり前だと言っています。

 カーター兄様にとって、皆の思いはとても心強い事ですね。

 これから戦術面の話になるので、僕とスカーレット姉様とリリアン姉様は会議室から退場します。

 そして、お母さんが戻ってくるまで自室があるエリアに移動します。


「どれくらいで戦闘が終わるのかな?」

「現地に移動する時間もあるから、最低三か月はかかるんだって」

「戦闘よりも準備に時間かかるからって言っていたよ。戦闘は一瞬で終わるかもって」


 自室にある応接室に向かいながら、スカーレット姉様とリリアン姉様と話します。

 既に王族のエリアなので、不審な人は誰もいません。

 今は時が時なだけに、僕も人が複数いる所では余計な事を喋りません。

 そして、僕達は応接室に入りました。

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