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案内

葵「お兄さん結構いいところ住んでるんだね…」


アパートの駐車場に車を停める


私「まあ、一応金はあるからね…」


車の中にある荷物を取り出す


葵「あ、それ私が後でやっとくよ…」


私「結構あるよ?」


葵「大丈夫よ…」


私「わかった。なら任せるわ…あー…」


部屋が散らかってるのを思い出す


もう何もやることもない


生活さえ出来ればいいと思って整えていなかった


私「葵って俗世には詳しい?疎い?」


葵「んー…まあ一応知識はあるけどここ数年のことは知らないな…」


私「あー…」


私[買い物に行ってもらおうと思っけたけど一部硬貨変わってるし…後で一緒に行くか…]


私「わかった。少し散らかってるから軽く片付けだけしていい?」


葵「なら手伝うわよ…」


私「待っ…」


葵は私の部屋の扉の前に経つとドアノブに手をかざす


そしてドアノブを回すと扉が開く


私[鍵開けてないのに…?]


驚愕している間に葵は私の家に入る


葵「あれ?そんな汚れてないじゃん」


葵は私の部屋を見回す


部屋はキッチンや風呂トイレが完備されており、部屋数も4部屋とまあまあいい家だ。


しかし…


葵「なんで3部屋に物がないの?あとキッチンにもそんな物ないし…」


物があまりないのだ


リビングにあるのはテーブルとテレビ、キッチンは電子レンジと冷蔵庫


冷蔵庫は水のペットボトルと三秒チャージゼリー、栄養食がほとんどを占めている


そのほかを見ても物はほとんどなく、ミニマリストの部屋と言っても過言ではない


私「人を家に上げることもなかったし趣味もそんなになかったから…」


葵「1回も?」


私「1回も…」


葵「はぁ…」


葵はため息をついて私を見る


葵「わかったわ…お兄さんお金あるでしょ?」


私「うん…それなりにはあるよ…」


父も母も大企業に務めている


家賃とかの心配はないし金は入ってくる


私「まあほぼ使ってないけど…」


葵「大丈夫…これからたくさん使うから」


私「え…?」


葵「軽く見回ってついでにお風呂借りるわね…入ったことないから楽しみなのよ…」


葵はリビングを出ていく


私「…?」


私[入ったことない…?]


葵の見た目は清潔感もある


入ったことないという言葉が引っかかる


私[まあいいか…気にしても解決しないし…]


私はゴミ袋を持ってリビングとキッチンの掃除を始める


私[ほぼ意識が向いてなかったから散らかってると思ってたけど…思ったより散らかってなかったな…]


ゴミが多少落ちてるくらいで掃除をするのにそこまで時間はかからなかった


私[…明日大学久しぶりに行くし教材用意しなきゃ]


カバンを持って自室に行く


アパートはリビング、キッチン、バス、トイレ、自室、使ってない部屋2、3という部屋分けだが自室は自室という名の倉庫になっている


私[…行きたくない]


教材を探している最中に吐き気が襲う


私[なんでいかなきゃいけないんだ…どうせ行っても意味ないのに…]


目眩が襲う


私[でも行かなきゃ…]


座って息を整える


私[…行かなきゃ]


激しくなる動悸を感じながらも教材を揃える


私[思ったより心が弱まってるな…前は大学に行くくらいならまだ行けたのに…]


何とか教材と必要なものを揃えてリビングのソファーの横に置く


私[大学の講義はそんなに聞かなくてもいるだけで何とかなるけど実験とか研究はやばいよな…サボるか…]


ソファーに横になって天井を見る


私[…怖い]


目を閉じる


動悸は治まってきた


私「葵…」


不意に名前を呼んでしまう


こうして誰かを思って名前を呼んだのは初めてだろう


葵「なに?」


私[…!?]


目を開けると葵がいた


私「…もう出たの?」


葵「浴槽に湯を貯めて入ったらシャンプーしか無かったの…満足に入れなかったのよ…」


葵は私の頭の隣に座る


私「あー…ごめん」


葵「ねぇ…やっぱり怖い?」


葵は私の頭に手を置く


私「…わかんない」


葵「私はあなたに大学に行って欲しいの…今掴んでるそれは手に入れなかった人が沢山いるから…」


私「…」


葵「まあとにかく行くの!!いい?」


私「うん…」


葵「それに今色々準備してるから…今単位落とされたら困るのよ…」


私「準備?」


葵「あー…とにかく行くのよ!!良い?」


私「わかったわかった…」


葵は私の頭をひたすら撫でる


私[なんで葵はそんなに私に色々やらせたがるんだろ…]


葵「あと服だけど数着しかないってどういうこと?他にもシャンプーしかないし洗濯機も最低限の洗剤しかないじゃない…」


葵は私の頭をグリグリする…


私「いたい…ごめんってば…」


葵「後で買い物行くわよ…私もあなたの匂いは気に入ってるけどさすがにペアルックは恥ずかしいわ…」


葵はいま私の服を着ており上は黒いダボダボの半袖に下は青のジーパンだった


私[可愛いというか本当に何着ても似合うな…]


葵「とにかく行くわよ…買うものが多すぎるからドラッグストアとかその辺で一旦見繕ってスマホで色々注文するわ…」


私「あおいはスマホ持ってる?」


葵「持ってるわけないじゃない…そもそも戸籍がないもの」


私「あー…買いに行くか…」


上体を起こしてソファーから降りる


私「先にコンビニ行ってお金だけ下ろしてくるから…」


葵「まあそうね…」


財布を持って葵とドラッグストアに向かう



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