乙女
しばらくするとコンビニに到着する
葵「お腹空いた…」
私「何か買ってくるよ…」
財布を取り出して車からおりる
葵「あ、私も行くわ…」
葵も車をおりる
私[鍵…]
車に鍵をかける
私[何食べようか…]
山の麓のコンビニということもあり、品ぞろえは良くはなかった
私[んー…サンドイッチでいいか…]
サンドイッチを2個手に取り、ジュースのコーナーに向かう
私[手作りの漬物か…大学の辺りはこんなもんないし買おっかな…]
大学は都会の辺りで交通の便はいい
しかし、刺激が多すぎるからこういった落ち着いたものを手に入れる機会はなかった
葵「漬物?渋いもの買うのねー…」
私「まあ機会が無いからね…」
葵「兄さんの住んでるところは栄えてるの?」
私「まあそれなりには…」
葵は私の持ってる買い物かごにおにぎりとお菓子を沢山放り込む
私「随分と買うんだね…」
葵「乙女に対してそういうこと言うのはどうかなー?」
私[乙女…ねぇ…]
葵の今の姿は本当にただすごいオシャレで別嬪なギャルにしか見えない
しかし本当は妖狐で、私みたいな矮小な存在は簡単に消してしまうような人外である
私[まあ…危害がなければいいか…]
グミやポテチをカゴに入れてお会計を済ませる
私[3000円超えた…買いすぎた…]
お財布に少しダメージが入り、気が滅入る
車に入ってCDの音を大きくしてから車を出す
高速は同じ車線にも対向車線にもほぼ車は居ないので景色はかなり良い
葵「おおかああおおんくあいえうう?」
私「食べるか喋るかどっちかにしな…」
葵「…」
葵はおにぎりをひたすら食べる
私[…風が気持ちいい]
開いた窓からは風が入ってきて髪が揺れる
葵「ここからあとどんくらいで着く?」
私「1時間くらいだね…高速がかなり空いてるからあっという間だ…」
葵は私にサンドイッチを渡す
私「あんがふぉ…」
サンドイッチは手作りなのか、普段食べてるものよりも美味しい
私「…」
葵「…ねぇ?」
私「んー?」
葵「これからどうするの?」
私「…」
決めていなかった
私「どうしようかな…」
葵「大学…行く?」
私「んー…」
私[どうせ行っても面白くないし…周りの陽キャになんか言われて終わりだしな…]
葵「どうせだしまた行かない?」
私「まあ…考えとくよ…」
車をただ走らせる
葵「なら私に買われたから命令するわね…大学に行って…?」
私「命令に反発する権利は?」
葵「あるけど…」
私「心理学を習ってるのに葵に心を読まれると全て意味無く感じるよ…」
葵「あー…」
私「まあそれは冗談だとしても…なんで行かせたがるの?」
葵「んー…お兄さんに死んで欲しくないから?」
私「…」
葵「目的があれば死にたくならないでしょ?」
私「はぁ…」
葵「嫌だ?」
私「正直…行きたくない…」
怖くて葵の顔が見れない
私「今更言っても何も面白くない…それに居場所がないから…」
葵「…」
私「まあただ…いかなきゃいけないしまた明日から行くよ…」
葵「そうね…単位は平気なの?」
私「まあ一応…ぎりぎり平気なのかな…」
葵「なら良かったわ…」
私[鬱を発症してからそんな経ってないからまあ平気でしょ…他の生徒と教授からの印象は最悪だけど…]
葵「ねぇお兄さん?」
私「なに?」
葵「お兄さんのことを生かすって言ったじゃん?」
私「うん…そうだね…」
葵「ただ生かすだけじゃなくて楽しんでもらう予定だから…」
私「…うん」
葵「楽しみにしててね…私が買ったんだから腐ってもらうわけに行かないわ…」
葵の方をちらっと見る
葵はおもちゃを見つけた子供のようにとてもにやにやしていた
私[一体何する気なんだろう…もう私に価値はないのに…]
しばらく車を走らせてアパートに着く




