獲物
リン「離れたくないの?」
葵とリンが近づく
私「ぇ…うん…」
私【2人とも怖い…】
葵とリンは明らかに私を狩る目をしていた
葵「ふーん…」
葵は九尾の姿になる
また一歩近づいてくる
私【っ…やば】
後ずさるが後ろはソファーで身動きは取れなかった
葵「ねぇ…」
葵が耳元で囁く
その声はとても綺麗で飲み込まれそうになる
葵「契約する気はある?」
私「…契約?」
リン「んー…私の血をご主人に流してご主人の血を貰うの…」
私「血を交換するの?」
リン「そうそう…」
リンが猫又の姿になり私の膝の上に乗る
リン「ちょうだい?」
私「えーっと…」
目をそらす
私【契約か…どうしよう…】
葵「まあ逃がさないけど…」
私「待って…」
葵を制止する
私「もう血は貰ったんじゃないの?」
葵「いや?性格には貰ってないわね…この間のはそうね…仮契約みたいな…」
リン「そうだね…本契約はご主人の隷属になるみたいな…完全に契約になるね…」
私「隷属か…」
私【奴隷にはなって欲しくないけど…んー…】
葵「私はいいわよ?お兄さん酷いことしないし…」
リン「私も…ご主人が本当に主人になっても全然いいよ?」
私「あー…じゃあ…私のものになってくれる?」
二人を見つめる
葵「私が主人なんだけど別にいいわよ…」
リン「葵も素直じゃないね…私もいいよ?」
私「じゃあ…よろしく?」
葵「ん…血を貰うわね?」
リン「私も貰うね…」
葵とリンが私の首に噛み付く
私「ん…」
私【なんか…吸われてる…変な感じがする…】
体から何かが吸われ、葵とリンに流れ込んでいる感覚がする
葵「美味しい…」
私「もういいの?」
葵「もっと欲しいけどとりあえずね…私もこれ初めてだからどれだけやればいいのか分からないのよ…」
リン「ん…おっお…」チュー
私「美味しいんだ…」
葵「そうね…また欲しいけど…リン?お兄さんの血が無くなるよ?」
リン「ん…ご馳走様…」
私「お粗末さまでした…水飲んでいい?」
葵「だめ…私の血を吸って?」
リンが私から降りて葵が私の上にまたがる
私「どうやって吸えばいいの?」
葵「噛み付けばいいわよ…首を噛んで?」
私「じゃあ…」
葵は服をずらして肩を出す
すべすべで傷一つない肌を出すその姿に少しドキッとした
葵「いいわよ?」
私「っ…うん…」
葵の首筋に噛み付く
葵「歯を立てていいわよ?歯型をつける感じね…」
私「ああった…」
葵の首にに歯を深く突き立てると口の中になにか液体が入ってくる感覚がある
私「ん…」
液体の味はレバーのような鉄の味で美味しいとはいえなかった
飲み込むとどくどくと強い心音が鳴る
体の中の血液に何かが混ざる感覚がする
葵「もう少し飲んで…」
葵が私の頭を抱きしめて首筋に押し付ける
私「ん…」
葵の血液を飲む
体の力が徐々に抜けていく感覚がある
リン「もうそろいいんじゃない?」
葵「そうね…」
葵が頭から手を離す
私「んぁ…」
私【ボーってする…】
リン「ご主人後ちょっと頑張ってね?」
今度はリンが私を抱きしめて首筋に押し付ける
私「いただきます…」
リンの綺麗な首筋に傷をつける
リン「ん…」
私「…」
私【歯が通らない…】
リン「ちょっと待ってね…」
リンがそう言うと歯が通った
私【あれ?声出てた?】
リン「後で話すね…」
口の中にリンの血液が流れ込んでくる
リンの血液はサラサラとしていた
私「…」
私【うぁー…血液濃すぎる…】
リン「あとちょっと…」
飲んでしばらくすると体の中に歪な感覚が巡る
体中の血液へ異物が混じりこんでいく感覚
私【やば…倒れそう…】
リン「もう…ご主人だらしないよ…」
リンが私のことを思いっきり抱きしめる
リン「ん…これくらいあげたらいいよ?」
私は口を離す
首を見ると歯型が明確に付いていた
葵「お疲れ様…頑張ったわね…」
葵が私の頭を撫でる
私「ん…なんか体の中が変な感じがある…」
気だるさや体の中の違和感が拭えない
葵「まあ私たちの血を入れたんだもの…」
リン「まあこれで私たちはご主人の物になったわね…契約はこれで終わりだよ?」
葵「そうね…お兄さんよく頑張ったわね…」
私「うん…なんか契約って生々しいんだね…」
リン「まあ私今気怠いんだよね…寝る?」
葵「あー…栄養ゼリーだけ飲んで寝よっか…でもそっか…私の中にお兄さんの血が入ったんだ…」
私「うん…」
立ち上がろうとするとリンに押さえつけられる
リン「ご主人ダメだよ…今日はご主人安静だからね?」
葵「そうね…私取ってくるわ…」
葵は服がはだけたままキッチンに行く
私【少しえっちぃ…】
リン「んで…私たちはご主人の奴隷になったわけだけど…」
私「契約ってそういう感じなの?」
リン「まあわかりやすく言えば認めた人に従う感じだよ…」
私「私は認められてるの?」
リン「うん…ご主人と一緒にいると落ち着くし悪い気がしないし…」
私「そうなんだ…」
葵「持ってきたわよ…」
葵が栄養ゼリーを持ってくる
私「ありがとう…」
葵から受け取ろうとするが腕が動かない
私「あぇ?」
葵「動かないの?」
私「うん…」
試しに起き上がろうとするがさっきみたいに動くことが出来なかった
顔から下がまるで言うことを聞かない
リン「血を飲んだから今体がバグってるのかな…」
葵「もう…飲ませるわね…」
口を開けて葵にゼリーを注いでもらう
私「んぐ…ぁ…」
葵「もう…私がいないと本当にダメね…」
リン「ねー…まあ愛おしいんだからいいんだけど…」
葵「そうね…」
私【…恥ずかしい】
葵「そういえば明日どうするの?」
私「ん…行かないと…」
葵「私荷物受け取るからリン行く?」
リン「んー…いいの?」
葵「まあ明日家具やらないといけないしね…」
リン「じゃあご主人と行くね…」
私「ん…よろしくね…」
眠気が襲う
私「ふぁあ…」
葵「眠い?」
私「うん…なんか体が…」
意識が
リン「寝ちゃう?」
私「そう…だ…ね…」
私【まぶたが重い…】
落ちる
「おやすみ…ご主人」
私「…」
何も無い
私【ここは?】
辺りを見回す
真っ白い空間だった
私【うわ…裸だ…】
自分の体を見ると生まれた時の姿になっていた
私【ここどこだろ…】
歩く
動いている感覚はあるが景色は変わらない
私【暗いのも怖いけど明るいだけなのも怖いか…】
辺りを見回すが何も変わらない
私【…あれ?】
尻の辺りに違和感を感じる
何かがぶらさがっている感覚がある
私「な…」
尻の方を見ると思わず声が漏れる
二本のしっぽが生えていた
1本は細く長い雅な黒のしっぽ
もう一本は金色のふさふさとしたしっぽ
まるで葵とリンのしっぽのようだった
私【もしかして…】
頭に触れると猫耳と狐耳が片方ずつに生えていた
私【血を飲んだから?】
その場で飛ぶとしっぽも連動して跳ねる
私【動かないかな…】
念じるが動かない
さながらストラップかのように私に付いているだけだった
私【動かないな…でも充分すごい…お揃い?】
腰を振るとそれに合わせてしっぽも動く
私「楽しい…」
しばらくしっぽで遊ぶ
時間も忘れていた
私【あ…夢から冷めるな】
何となく直感でわかる
それと同時に真っ白い空間が崩れていく
私【もっと遊びたかったな…】
立ちすくんでボーッと崩壊を見つめる
そのうち意識は暗くなっていった…
私「ん…」
リン「スー…」
葵「ン…バカ…」
目を覚ますと自室のベットだった
葵とリンは私の横で眠っていた
私【あれは…夢?】
立ち上がるがまだ体が痺れる
私「っ…」
ドン!!
バランスを崩してベットに倒れ込む
葵「…!?」
葵がガバッと起き上がる
私【やば…若干痺れてる…】
葵「お兄さんおはよう…」
葵が服をはだけさせたまま起き上がる
私「おはよう…」
葵「ん…なんの音?」
私「まだ体が痺れてて…若干動きづらくて…」
葵「あー…とりあえず体見るわね…リビングまで行ける?」
私「ちょっとまってて…よっ…」
体を無理やり起こす
バランスはとりずらいが何とか歩けはする
葵「あー…ちょっとつかまって…」
私は葵の肩につかまり何とか歩く
葵「多分原因わかったから少し待ってなさい…リンー!!起きなー!!」
リン「んー…あとちょっと…」
葵「はぁ…まったく…」
葵の腰の辺りから一本金色のしっぽが出てきてリンの顔を叩く
リン「わぷっ!!わかった起きたから!!」
葵「早くリビング来なさい…」
葵の肩を借りながら何とかリビングに来る
葵「リンご飯作ってきて…私お兄さん見るから…」
リン「分かったー…パンでいい?」
葵「それでお願い…」
リン「んー…」
リンは寝ぼけまなこでキッチンに向かう
葵「じゃあ…上脱いで?」
私「ん…」
上半身裸になる
葵「じゃあ…見るね…」
葵が私の体に触れる
葵「…」
私【くすぐったい…というか葵の手ってすべすべすぎる…本当に綺麗…】
葵「変なこと考えないで…」
私【声に出てた…いや…心読まれてる…?】
葵「…」
私【っていうかこの後大学か…めんどいな…】
葵「…あぁなるほどね」
私「ん?」
葵「お兄さんの体の痺れの原因わかったのよ…」
私「おー…それでなんなの?私の体の不調は…」
葵「血液の混濁で今適合しようとしてるからやられてるのね…」
私「…?」
私【適合?】
葵「まあ要は私たちの血を取り込んだから体が慣れようとしてるのよ…」
私「それだ体が痺れてるの?」
葵「多分ね…まあ少しだけ流れを良くしたから日常生活は送れるわ…立てる?」
立ち上がると痺れはあるもののスムーズに立てた
葵「ん…まあ私の術も3時間とかその辺だから後でもう一回リンにかけてもらってね?」
私「分かった…ありがとう…」
葵「ん…」
リン「ご飯できたよ…」
葵「食べましょ?」
私「うん…いただきます…」
リン「召し上がれー」
リンの作ってくれたトーストを食べる
リン「どう?」
私「美味しい…」
リン「なら良かった…」
葵「意外にリンも料理上手なのよね…」
リン「意外って何よ…」
私「2人の食事美味しいからよかったよ…私あんま料理出来ないから…」
葵「まあお兄さんの食生活正さないとだしね…ご馳走様」
リン「お粗末さまでした…私とご主人先行っていい?」
葵「いいわよ…洗っとくわ」
私「ありがとう…じゃあぼちぼち…」
リン「行ってきまーす」
葵「行ってらっしゃい…」
私とリンはアパートを出る




