欲望
葵「ん…ふぁあ…」
私「起きた?」
葵「うん…まだ眠い…」
私「もう夕方だよ?」
葵「うそっ!!」
リン「ん…」
葵が慌てて体を起こす
空は赤く染まっており、日が沈もうとしている
葵「ご飯作るね?」
私「お願い…」
リン「んー…ご主人…」
私「どうした…?」
リン「頭撫でて…」
私「いいよ…」
リンの頭を撫でるとにへらとリンが笑う
リン「ご主人のなでなで大好き…落ち着く…」
私「なら良かった…」
テレビをつけてニュースを見る
もうそろそろ夏に入っていく特集が流れていた
私「暑くなるね…」
リン「やだね…溶けちゃう…」
私「うん…」
葵「ねぇー」
葵がキッチンから声をかける
私「んー?」
葵「やっぱ外に食べ行かない?」
私「んー…」
私【家でだらだらしたいんよな…食欲無いし…】
私「スーパー行って弁当買わない?」
葵「えー…弁当…」
リン「私寿司食べたい…」
葵「じゃあ米炊いて刺身買ってくる?」
リン「そうしよ…着替えてくる…」
リンは私から離れて自分の部屋に行く
私「私も着替えるか…」
自室に行く
私【…あっつ】
服を脱ぐと汗で蒸れていた
私【というかリンがあんな姿になるって…葵もなかなか怒ると怖い…あんなに葵って強いんだ…】
タオルで軽く体を拭いて半袖を着る
私【後でシャワー浴びよ…とりあえず今日は最低保険限の家具とかは買ったけど葵とリンのものも沢山買わなきゃ…】
脱いだ服とタオルを持って部屋を出る
葵「お兄さん洗濯物出る?」
私「うん…後で洗っとく…」
葵「私やっとくよ…ちょうだい?」
私「お願い…」
葵に服を渡す
私【このあと刺身とアイスと…】
頭の中で今日のメニューを考える
葵「リンー!!まだー?」
リン「もうちょっとー!!」
葵「なんでそんな準備に時間がかかるのよ…」
私【女性の方って普通かかるよな…】
私「まあ、オシャレとか?」
葵「そんなの服着替えれば終わりでしょ?」
私「葵って化粧とかしないの?」
葵「え?一切しないよ?」
私「…」
思わず目を見開く
葵の肌はニキビ等何一つなく、すべすべて、目は少し鋭いがキリッとしていた。唇は綺麗なピンク色で口紅をしないと普通はこの輝きは出ないだろうという綺麗な唇だった。
さながらモデルの宣材写真と言っても過言ではないくらい整っており、化粧をしていないとかにわかに信じられない。
私「すご…」
葵「何?ジロジロ見て…」
私「いや、綺麗だなーって…」
葵「っ…お兄さん私を口説いてる?」
葵の頬が赤く染る
私「え…?ぁ…いや、そうじゃなくて…」
葵「はぁ…まあいいわ…」
私【そっか…あれも口説いてるのか…気をつけなきゃ】
リン「終わったよー?」
私「おかえり…着物?」
リン「これの方が動きやすいんよ…」
葵「いや、ダメでしょ…着替えて?」
リン「むー…」
私「和服のようなダボッとした服あるから今度それ買おうか?」
リン「本当!?」
私「うん…今日は着物でいいから…」
リン「分かった!!」
リンの目が輝く
葵「ならぼちぼち行きましょうか…」
私「ん…」
外に出ると夕日は降りかけて蒸し暑い感じだった
私「あっつ…」
リン「ね…」
葵「お兄さん何食べる?」
私「んー…刺身とかかな…」
リン「私は刺身とコロッケと…」
葵「食べ合わせ悪くない?」
リン「意外に行けるよ?」
私「まじか…」
葵「えぇ…」
そんな雑談をしながらスーパーに向かう
私「んー…」
葵「お兄さんまだ悩んでるの?」
私「いや…刺身って食べるの久々だなーって…」
リン「私は刺身とコロッケと…」
リンがカゴにポンポンと詰め込む
葵「リン…少し買いすぎじゃない?」
リン「別に今日食べ切るわけじゃないから…明日は体力使うからこれくらい必要だよ?」
葵「あー…そうね…」
家具は明日届き、葵とリンが開封から組み立てをする算段らしい
私「まあ、今日買い込むか…」
刺身のパックをカゴに入れる
葵「私も野菜買っとこ…選んでてね?」
リン「はーい」
葵がカゴを持って離れる
リン「ご主人刺身以外なに食べる?」
私「んー…どうしようか…」
私【カップ麺とか弁当ばっかだから飽きてるんだよな…】
リン「私はー…」
私「もうそろそろお金下ろさないといけないから…また買いに来る?」
リン「そうだねー…お菓子買っていい?」
私「買おっか…」
リンとお菓子コーナーに行く
葵「これとー…」
私「2個までね…」
葵「え!?」
私「食べすぎたら葵に怒られるよ…」
リン「むー…確かに今日は怒らせたくない…」
リンは二つ袋を掴んで比べる
その姿はさながら無垢な子供のようだった
私【和服を着てるめっちゃスタイルいい姉ちゃんがお菓子を見比べる…なかなかない光景だよな…】
私はせんべいの袋をカゴに入れる
葵「随分渋いのを買うのね…」
私「っ…!!びっくりした…」
葵「あぁ、ごめんごめん…気配つい消してたわ…」
後ろから音も無く葵が現れる
私「葵もなんか買う?」
葵「んー…じゃあ…」
葵はグミを籠に入れる
私「へー…なんかオシャレ…」
葵「ふふ…」
リン「決まったー!!」
リンはポテトチップスを籠に入れる
私「決まったならぼちぼち行こっか…」
葵「そうね…」
料金を支払って袋に詰める
葵「私持つわ…」
私「まあ、これくらいは…」
リン「ご主人…重いよ?」
私「2人に持たせ…うわっ!!」
野菜の袋は本当に重くバランスを崩しかける
リン「ご主人危ないよー?」
リンが袋の持ち口を持って私を支える
私「ごめん…」
私【あぶなかった…リンの反応早すぎる…】
リン「ご主人は私に守られるんだから…ね?」
私「ありがとう…」
リン「ふふ…」
葵「行こ…買い込みすぎたんだから早く帰りたい…」
葵とリンが袋を持つ
私「…」
葵「暑いわね本当…早く帰りたいわ…」
リン「ねー…どうせだしアイス買っとけばよかった…」
葵「買ってあるわよ…暑すぎるし家で食べよ?」
リン「そうしよっか…」
正直袋には大量の荷物が入っていた…しかし、2人はその荷物を軽々と持っていた
私【2人ともすごい力持ちだな…】
葵の腕を見る
白い雪のような肌でとても細く華奢だった
私【どういう原理なんだろ…妖の特有のやつなのかな…】
葵「ねぇ」
私【凄いな…昨日の妖狐の姿然り葵が本気出したらどうなるんだろ…】
葵「ねぇ!!」
私「ふぇ!?」
葵「じーっと腕見られると恥ずかしいんだけど…」
私「あ…ごめん…」
葵「だいたい今腕隠せないんだから…」
リン「ご主人って変態?」
私「変態なのか…な…」
葵「まあ私たちそこら辺の人間に比べたら綺麗だからね…」
私「そうなんだよね…」
リン「まあ…」
私「二人とも可愛いしそれに私のことを守ってくれるって言ってくれたし実際守ってくれてるし…」
葵「ありがとう…嬉しいわよ」
私「だから恩返しとかどうしようかなって…」
リン「んー?恩返し?」
私「うん…守ってもらってるしせめてものお礼とかどうしようって…」
リン「あー…じゃあ欲しいのあるよ?」
私「あんまり高すぎるのはアレやけど…何が欲しい?」
リン「ご主人の血」
私「血?」
葵「リン?」
葵の声色が下がる
葵「いいの?」
リン「んー…私はもうご主人に魅入られたから全然いいんだけど…葵は?欲しくないの?」
葵「欲しいけど…」
私「血が欲しいの?」
葵「あー…ちゃんと後で説明するね…」
私「うん…」
私【血って…もうあげたよね…?】
リン「むー…」
あまり言葉を交わさずに家に帰る
私「先にシャワー浴びていい?」
葵「いいわよ…私冷蔵庫にしまっちゃうね?」
私「お願い…」
風呂場へ向かう
私【血か…】
服を脱いでシャワーを浴びる
私【2人は私の血がなんで欲しいんだろ…多分マーキングで吸われたのに…】
リン「ごしゅじーん?」
私「んー?」
リン「はいるねー?」
私「えっ!?」
浴槽の扉が開く
リンがバスタオル一枚で入ってきた
私「なっ…」
リン「ご主人風呂で寝ちゃうから監視だよー?」
リンが掛け湯をして浴槽に入る
私「…」
リン「興奮したの?」
私「っ…」
私【しないわけない…】
リンの肌は色白にすべすべであり、バスタオルをしていても胸が見える
また、体型も華奢であり、とても綺麗だった
私「なに?誘惑でもするの?」
リン「していいならするけど…」
私「ごめんやめて」
私【絶対魅入られる…ただでさえ女性に対しての耐性ないのに…】
体を洗い終わって浴室から出ようとする
リン「ご主人湯に浸からないの?」
私「一緒にお風呂入ったらどうなるかわかんない…」
リン「むー…だめ?」
私「ダメ…」
浴室から出て身体の水を拭く
私【やば…ドキドキしてる…リン綺麗なんだからああいうことしちゃダメなのに…】
自分の心音が聞こえる
私【リンは私との距離が近すぎる…私なんかの価値なんてないのに…】
鏡を見ると顔が真っ赤だった
私【やば…絶対のぼせただけの火照りじゃない…最悪…】
服を着て出る
私「ふぅ…」
葵「おかえりー…さっぱりした?」
私「それどころじゃなかった…」
葵「?」
私「リンが浴場に入ってきて…」
葵「はぁ!?」
私「だからまともに見れなくて…」
葵「リンー!?」
葵はドタドタと浴室に向かう
私「…はぁ」
私【騒がしい…というかなんで葵はあんな…】
テレビをつける
モデルの特番がやっていた
私「…」
私【綺麗だな…ただ葵とリンがここに並んでも謙遜ないよな…】
実際モデルとしてやっても葵とリンは間違いなく人気が出るだろう
それくらい二人は可憐だった
私【私は…幸せなのかな…】
ソファーに座って考える
私【葵とリンがいなかったら今こんな楽しくないし生きてないかも…】
テレビはモデルをタレントがいじっていた
私【それに葵とリンは可愛いし…普通じゃ手に入らないのをあっさり手に入れて…2人とも私を慕ってくれてるのかな…】
リン「もー…ちょっとご主人からかっただけじゃん…」
葵「あんたねぇ…」
私【2人といたらこんなふうに楽しめるなら…】
私「二人と離れたくないなぁ…」
言葉が漏れる
葵、リン「えっ…」
私「ふぇ?」
二人はリビングに戻ってきていた
私「ぁ…え?」
私【聞かれた…?】
リン「へー…ご主人私たちと離れたくないんだね…」
私「え…?」
葵「ね…話が早いわ…」
私「二人とも…?」
葵とリンの目付きはマーキングをする時のように妖しく光っていた
葵「離さないよ?」
私【…これやばいかも】
葵の目は狩る側だった




