暇つぶし
葵「人間じゃない?兄さんが?」
リン「人間…ではあると思うけど…私たちの血が入ってる…入れた?」
葵「入れた…いや、入れてないよ…」
リン「んー…ご主人からなんか私たちの匂いというか妖の匂いがするのよ…」
私「匂うの?」
葵「あー…少しいい?」スンスン
葵は私の首筋に鼻を近づけて匂いを嗅ぐ
私「ぁ…」
葵「あー…本当だ…それも少し強いね…」
葵は私の首の匂いを嗅ぐ
葵「いい匂いする…お兄さんの匂い落ち着く…」
私「葵…その辺で…」
葵「んぇ…?」
リン「イチャイチャしたいのはわかるけど今は話が優先だよ…」
リンは葵を引っ張り、私から離す
葵「ぁ…」
リン「んで…ご主人の中に私と葵の血が流れてるけど…今ん所変化はないっぽいね…」
私「特に問題ない?」
リン「まあそうね…人間じゃない匂いになったから他の妖…同類がいたら惹かれやすいくらい?」
私「大丈夫なのそれ…」
リン「まあ私たちが守るから…」
葵「そうね…」
私「なら…大丈夫なのかな…」
葵「はぁ…そっか…私の血が入ってるんだ…」
私「そうだね…葵とリンの血が…」
葵「まあ、なんともなくてよかったわ…お風呂入ってくる…」
葵は風呂場に向かう
リン「ご主人大丈夫?」
私「んー?大丈夫だよ…少し驚いたけど…」
リン「まあ、ご主人頑張ってるもんね…」
私「ありがとう…」
リンとダラダラと話しながらテレビを見る
リン「ねぇ…ご主人?」
私「んー…」
リン「眠い?」
私「うん…なんか最近大学行ったり色々やってたから眠気が…」
体がぽかぼかとしてくる
時計を見ると11時を回っていた
リン「あー…寝ちゃう?」
私「風呂入らないと…」
リン「入ってくる?」
私「そうだね…先にいい?」
リン「いいよー…私後でゆっくり入るから…」
私「ん…」
リンに断りを入れてふろ場に向かう
私[私の中に葵とリンの血か…]
服を脱ぎシャワーを浴びる
私[人間やめたってことか…なんか実感湧かないな…]
鏡の水を払い、映った体を見る
私[あるよなぁ…]
そこには猫の肉球と狐のしっぽの形の痣ができていた
私[昨日噛まれた時の何かが入ってくる感覚…あれは血とか何かを流されたやつと考えれば…辻褄は合う…]
髪と体を洗う
そしてスポンジで痣をゴシゴシとこするが何ら変化はなかった
私[汚れとかじゃない…そりゃあそうか…]
泡を流して湯船に入る
私「あーーー…」
疲れが溜まっているのか筋肉の緊張が解ける感覚がする
私「気持ちいい…」
私[やばい…風呂ってこんな気持ちいいっけ…]
髪を湯船につけてダラーっとする
私[にしても…葵とリンはここを居場所と言った…
私はただ前日死にたがってた人間なのに…なんで私は2人に懐かれてるんだろ…]
私「…」
天井を見る
湯気がたっているがそれ以外何ら変化はない
私[それにマーキングってあれ動物とかだと完全に深愛とかのやつだよな…初めてやったって言ってたし…今日の葵の件は得たものも大きいけど謎も大きいな…]
目をつぶって思考を研ぎ澄ませる
私[それにしても…葵とリン以外に人外とか妖とかいるのかな…気になる…人外の匂いがするって言ってたからそういうことだよな…]
手の匂いを嗅ぐが何も匂いはしなかった
私[葵とリンには感謝しかない…今少しだけ楽しいし…なにか恩返ししなきゃ…]
考えることが溢れる
私[なんかふわふわしてきた…意外に気持ちいいかも…]
頭がぼーっとして来て力が抜ける
私[…]
…
…
…
「…」
体の内側が熱い
心臓の鼓動が速く、体にだるさがある
私[…]
葵「起きた?」
私[…葵?]
まぶたを開くと目の前に葵の顔があった
葵に膝枕をされていた
私「…?」
葵「お兄さん体調どう?」
私「ぁ…ぇ…」
声が出ない
発声ができないのだ
リン「脱水してるね…水持ってくる…」
葵「お願い…」
私[脱水…?というか体動かない…]
起き上がろうとするが体が動かない
葵「うちわは…そこか…」
葵が手を伸ばしたと思うとうちわを持っていた
私[あれ…うちわって机の上に…また妖術かな…]
葵「全く…お兄さん目を離すとすぐやらかすんだから…」パタパタ
私[…涼しい]
リン「スポドリ持ってきたよー…飲めるかな…」
葵「飲ませるわ…手伝って」
リン「はーい」
葵は背中を押して私の上体を起こす
私は寝巻きを着ていた
私[力入らない…]
リン「ご主人飲んでー?」
リンは私の顎を軽く持って口の中にスポーツドリンクを入れる
私「コクコク…ごぼっ!!」
リン「みゃ!!吐いちゃった…」
葵「まあもう少し飲ませましょう…そしたら動けるでしょ…」サスサス
リンの服に私の吐き出したスポドリがかかる
葵は私の背中をさする
私「こほっ…」
私[やば…]
リン「まあ後で体洗うからいっか…ご主人少しごめんね…」
リンはまた私の顎を持ってスポーツドリンクを流す
私[溺れる…]
吐き出す感覚を抑えながら何とか口に入れる
リン「とりあえずこれでいいわね…私少しシャワー浴びてくるわ…」
葵「ん…あとはお兄さん見とくから…」
リン「お願いね…」
リンは風呂場に向かう
葵「全く…お風呂で寝ちゃって気絶ってバカよね…」
葵は片手でうちわを仰いでもう片方で私の頭を撫でる
私「…」
私[やっぱ寝ちゃったんだ…]
葵「もう…しっかりして欲しいわ…」
私[ごめん…]
葵「本当にお兄さんは私がいないとダメなんだから…」
葵は微笑んでいる
私[…]
意識がまた落ちていく
さっきみたいな激しい心臓の鼓動もなく、体の暑さがない
体感したことの無い優しさに私は落ち着いていた
私「ん…」
目が覚める
ベットで眠っていた
私「…」
起き上がる
体は何とか動く
ただ、少し気だるさがある
リン「…zzz」
葵「…zzZ」
隣を見ると葵とリンが眠っていた
私[寝ちゃってた…]
葵の髪に軽く触れる
葵「ん…」
私[可愛い…]
少しだけ撫でた後に布団からゆっくり出る
私[寝たのにまだ眠い…]
リビングに行ってテレビをつける
朝のニュース番組は相変わらずつまらない内容だった
私[5時か…早く起きちゃったな…]
キッチンに行ってお茶を一杯飲む
私[昨日本当に葵とリンに助けられたな…]
リン「おふぁよ…ご主人…」
ソファーに座ってニュースを見てると後ろから声がかかる
私「おはよう…」
リン「体調どう?」
リンは私の隣に座る
私「まだ少しフラフラするけどだいぶ戻ったよ…」
リン「良かったよ…昨日ご主人本当にやばかったんだから…」
私「昨日のこと何があったの?」
リン「えーと…」
リンは昨日起きたことを説明する
私は昨日風呂に入ったが、1時間経って葵が長いと思って確認に来たらしい
そして私が寝落ちしていて、返事がないことから葵が入ると私が気絶していた
早急に髪と体を拭いて服を着せて冷やしていたということだった
私[服を着せ…裸見られたわけだ…]
リン「まあ…ご主人の体を見たのは申し訳ないけど…本当に危なかったんだから…」
私「うん…ありがとう…」
リン「昨日水ご主人にぶっかけられた時は本当にびっくりしたよ…」
私「ごめん…」
リン「まあ…美味しかったからいいけど…」
私[…飲んだの!?]
思わずびっくりする
リン「んで…ご主人今日はダラダラする?」
私「んー…うん…ついでに色々通販で買いたいし…」
リン「ん…」
リンが肩に頭を寄せる
リン「…」
私「…」
リン「最近暑いね…」
私「うん…」
リン「ねぇご主人?」
私「んー?」
テレビは朝のニュースを流していた
リン「葵にドッキリ的なの仕掛けない?」
私「ドッキリ?なんで?」
リン「んー…なんとなく?」
私「なんとなくかー…」
私【ドッキリか…】
私「どんなの?」
リン「んー…えっちいやつはなー…」
私「えっちいやつ…」
リン「まあそこは刺激が強いし定番の語尾変えたり呼び名変えたり…」
私「呼び名か…」
私【呼び名…葵から変えるのか…んー…】
リン「…ご主人今日完全に休み?」
私「え?うん…」
リン「ふーん…」
リンはキッチンに向かい器に何かを注ぐ
私【…瓶?】
小瓶の液体を移していた
リン「これ飲んで?」
私「ぇ…?」
リンから手渡されたのは赤い透き通った液体が入っているお猪口だった
私「これ…何?」
リン「素直になる薬だよ?景気づけにね」
私「…毒とかはないよね?」
リン「誓って毒はないよ」
私【怖いけど…】
私「…」ゴクッ
目を瞑って液体を飲み込む
私【ん…特になんとも…?】
リン「んじゃぁ…」
リンは私の胸に手を当てる
リン「ちょっといじわるするね?」
リンの目が紅く妖しく光る
私【やば…!!】
後ろに下がろうとするが体が動かない
見るとリンがしっぽで私を捕まえていた
リン「ご主人逃げちゃダメだよー?……ぁ……ぃぇ」
リンが言葉にならない声をつぶやく
その瞬間体がほわほわと暑くなる
リン「で……すな………ぁおぃに…………」
リンが何かを言っているがそれよりも気持ちいい
私【やば…なんかされたけどどうでもいいや…】
リン「で……わぁしは………」
音が歪んで聞こえる
私【どうしよう…逃げなぎゃ行けないのに…気持ちいい…】
リン「…ぇ……………ぅ………」
私【眠い…ふわふわするしこのままでいいや…】
目を瞑るとふっと意識が落ちた




