葵の恐怖
私「うわっ!!」
部屋に入ると葵に引っ張られる
葵「…」
ソファーに投げられてそのまま上に跨られる
昨日の夜のマーキングの時の構図だった
私「葵…?」
葵「やっぱり私たちが怖いの?」
私「え…?」
葵「さっきのとか…最近暴れすぎたもんね…」
葵が涙を流す
リン「ちょ…葵!?」
私「…違う」
葵「違くないわよ…怖いんでしょ…私たちのことが…」
私「…」
葵「私はあんたたちみたいな人間すぐに殺せる…人間は弱くて脆いもの…だから…嫌なんでしょ?」
私「違う!!」
葵の目を見る
葵の目は弱々しかった
私「葵とリンは私を救ってくれたもの…怖いわけがないよ…」
葵の頭に手を添える
私「葵は私を生かしてくれるんでしょ?それでこれまで守ってくれて…私ね…葵とリンなら信用できるかもってなってるんだ…」
葵の頭を撫でる
私「だから…これからも私を守ってね?私は買われたんだから…」
葵「うん…うん…!!」
葵は私の上で涙を流す
リン「葵も葵で泣き虫だしご主人にベッタリだよね…」
葵「ぐずっ…うるさい…リンだってそうじゃん…」
リン「まあね…今回で私たちを嫌ってないのがわかってよかったわ…」
リンは押し倒されている私の腹の横に座る
リン「結構狭いー…ご主人もう少しズレてくれない?」
私「葵に押し倒されて動けない…」
葵「ちょっと今動きたくない…」
リン「はぁ…しょうがないな…」
葵「んで…なんで部屋分けるって言ったの?」
リン「そうだよー…私他の人間に触れられる気は微塵もないし嫌なんだけどご主人ならいいんだよ?」
私「それは…」
じーっと私を見る二人から目線をそらす
リン「ご主人ちゃんとこっち見てー?」
葵「そうよ…」
私「…」
葵とリンの方を向く
私「…可愛いからだよ」
葵「…え?」
私「葵もリンも可愛くて…その…」
顔に血が上る
リン「あー…刺激がね…」
葵「な…ぁ…ぇ…?」
葵の顔が途端に赤く火照る
リン「確かにご主人女の人とそういう関係になったことないって言ってたもんね…」
私「うん…だからその…ドキドキして…」
葵「ワタシ…カワイイ…」
リン「というか人間の形態だと私たちなかなか上の方だもんね…今日も歪んだ視線めちゃくちゃ感じてたし…」
私「うん…2匹ともスタイル良くて可愛くてあと…胸が…」
リン「あー…うん…あるもんね…」
葵「ムネ…アェ…ニイサント…」
葵の目は焦点があってない
リン「ご主人そういう目で見て…まあいいけど…」
私「ごめん…嫌だったよね…」
リン「んー?ご主人にならそういう目で見られてもいいよー?」
リンはニヤニヤと私を見る
リン「なんなら触る?」
葵「ダメっ!!」
葵が突然叫ぶ
リン「なんでダメなのー?ご主人が嫌い?」
葵「嫌いじゃないけど…そういうのはその…ね?」
私「うん…それにまだ私の心が落ち着かないと思う…」
リン「むー…まあしょうがないか…」
葵「うん…そうよ…」
私「…」
心臓がドクドクと鳴る
リン「まあだったら部屋わけは賛成かなー…私も家具とか色々やりたいし…」
葵「まぁ…うん…そうね…」
私「ベットとかまだないから布団になるけど…」
葵「まぁ…しょうがないわよね…」
葵は不満げにつぶやく
リン「ていうか葵はご飯作らないの?」
葵「あー…作ってくるわ…」
葵は私から降りてキッチンへ向かう
リン「よいしょ…」
リンは私の上に跨る
私「…なんで乗るの?」
リン「ご主人の匂いが好きだから…だめ?」
私「はぁ…いいよ…」
私[どうせ逃げられないし…]
テレビのリモコンを手に取ってテレビを付ける
リン「…?」
リンは私の首元を見る
リン「ちょっといい?」
リンが私の襟を下げる
私「首になにかついてる?」
リン「マーキングしたじゃん?」
私「うん…」
リン「首に猫の肉球と狐のしっぽの形の痣ができてるのよ…」
私「え?」
スマホを手に取ってカメラをつける
私[…本当だ]
インカメで確認すると首に左右それぞれ痣ができていた
私[多分それぞれ噛まれた位置だから…二人の影響だよな…]
リン「これー…大丈夫かなー…」
私「なにか不味いの?」
リン「わかんない…というかマーキングしたの初めてだもん…」
私「そうなの?」
リン「うん…葵ー?」
葵「んー?」
リン「マーキングというか印つけたのご主人が初めてー?」
葵「そうだよー?」
リン「…」
リンの顔が暗くなる
葵「ご飯できたよー」
私「はーい…」
キッチンに料理を取りに行く
葵「リン…マーキングがどうしたの?」
葵は料理を持ってリビングのテーブルに並べる
カレーだった
リン「いただきます…んー…ご主人の首見てくれない?」
葵「首?」
リンはカレーを食べ始め私は襟元をめくる
葵「っ…なにこれ…」
リン「多分昨日のマーキングでしょ…後で一回ちゃんと見るけど私も葵もマーキングは初めてだったから…」
私「そもそもマーキングってどういうものなの?」
リン「まあ、食べながらにしない?美味しいよ…」
私「そうだね…いただきます…」
服を正してカレーを食べ始める
少し辛いがとても美味しかった
私「うまっ…」
リン「ね…葵も料理できるんだ…」
葵「まあこもってた時に暇だったから…」
葵は照れていた
リン「んで…マーキングっていうのはね…んー…隷属みたいな?」
私「隷属?」
リン「なんて言ったらいいんだろう…この人を認めた証みたいな…私も初めてだからあれだけど…」
葵「そうね…昨日はついやっちゃったけど…あれって人間にやっていいの?」
リン「普通はないわね…同族とかにやるもんだから…」
私「同族?」
私[他にもいるのか…?]
リン「まあほぼ居ないけどね…私は末裔みたいなものだし…」
葵「私もそんな感じね…」
私「へー…」
私[居場所がないって言うのは末裔だから…?葵の素性もそういえばちゃんと知らないな…]
葵「お兄さん体に変な感じとかはない?」
私「今のところはないけど…」
リン「まあ食べ終わったら1度ちゃんと見るわ…さすがに何かあったら怖いし…」
私「うん…お願い…」
私たちは黙々とカレーを食べ進める
私「美味しかった…」
葵「ふふ…お粗末さま…食器洗うね?」
リン「私ご主人見るからお願いしていい?」
葵「わかったわ…なんかあったらすぐ言いなさい…」
葵は空いた皿を持ってキッチンに行く
リン「さて…上着脱いで?」
私「え?」
リン「そういうつもりは無いわよ…上着は本当に邪魔なの…」
私「上全部?」
リン「うん…ほら早く脱ぐ!!」
私「わかったから…」
上半身裸になる
リン「ご主人っていい体してるよね…」
私「運動してないから筋肉ないけどね…」
リン「今度運動しよっか…体触るよ?」
私「ん…優しくね?」
リン「ご主人そういうセリフは良くないよー…」
リンは耳としっぽを出して猫又の姿になる
リン「始めるよ…」
リンは私の体を触る
私「っ…」
私[くすぐったい…]
リンのすべすべとした手が私の体に触れる
リン「んー…?」
リンは眉間に皺を寄せる
私[なんだ…?]
しばらくリンは私の胸をじっと見つめる
私[どのくらい見るんだろう…]
感覚的に三十分くらいたった気がする
リン「ちょっとごめんね…」
リンは私の胸に鼻を近づけて匂いを嗅ぐ
私「ひっ…」
私[息当たってる…]
リン「はぁ…なるほど…」
リンは離れる
リン「葵ー!!来てー!!」
葵「今行くわー」
葵が布巾で手を拭きながらこっちに来る
葵「なんか分かった?」
リン「うん…ちょっとめんどいかも…」
私「…何があった?」
リン「えーと…ご主人の体にに私たちの血と人間が本来持っちゃならない力というか何…妖力的なのが入ってる…」
私、葵「…え?」
リン「簡単に言えばご主人は人間じゃなくなったわ…」
私と葵は息を飲む




