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猫又

教授「そういえば君とサシで話すのは初めてだな…」


私「そう…ですね…あまり話す機会はなかったですよね…」


教授「まあこれもなんかの縁だ…少し話をしないか?」


私「えーと…」


時計を見ると17:30を過ぎていた


私「すいません…この後は少し予定が…」


私[葵を待たせるのはさすがに忍びない…]


教授「ふむ…まあいい…明日の3限の講義を取っているよな?」


私「□□の講義ですよね?取ってますけど…」


教授「その時間にまた話をしよう…」


私「え…?講義は…」


教授「講義なんかより君と話す方が優先だ…色々面白そうだしな…」


教授は電話をどこかにかける


教授「もしもし?明日の三限は君が授業しろ。内容は任せる。それじゃ。」


教授は手短に伝えると電話を切る


教授「よし」


私[…よしじゃない]


教授「まあ今日は帰りなさい…明日またゆっくり話そう…」


私「分かりました…あと色々すいませんでした…」


頭を下げる


教授「まあいい…それに君に私は興味が湧いた」


私[え…]


少し体を引いて身を守る体勢をとる


私「すいませんそういう趣味は…」


教授「あほか…私もそういう趣味はない」


教授はため息をつく


私「なら良かったです」


教授「君は彼女とか伴侶は?」


私「残念ながら…」


教授「そうか…まあ作っておきな」


私「気が向いたら作ります」


教授「ん…まあ今日は帰れ」


私「失礼します…」


荷物を持って研究室を出る


私[思ったよりあの教授いい人だったな…まあ少し異質だけど…というかもう夜遅いし…]


大学構内を歩く


私[さて…]


私は下をちらっと見ると猫は当然かのように私に付いてきていた


私「お前…来るのか?」


しゃがんで猫を撫でる


猫「にゃー」


猫は鳴くがなんと言ってるのかそもそも言葉が通じているのかも分からない


私[んー…まあいいか…]


大学を出て帰りにケーキ屋による


私[葵ってどのケーキが好きなんだろ…一旦私の好きなのでいっか…]


チーズケーキを二個買う


私[これでいいか…]


ケーキ屋を出て駅に来る


私[…来るのか]


猫は相変わらず私についてきていた


私[このまま来るなら家まで来そうだな…]


電車に乗って席に座ると猫は私に乗っかる


私「…」


外の景色を見ながら猫を撫でる


私[この猫本当に私の膝上好きだな…]


しばらく電車の揺れによる眠気に耐えながら家に向かう





私[ここまで来たか…]


アパートの前に立つ


猫は着いてきていた


私[来ちゃったなー…]


猫「にゃー」


私「…はぁ」


私は扉を開ける


私「ただいまー」


葵「おかえ…り…」


満面の笑みで出迎えるが次第に笑顔が薄くなる


私「えーと…」


葵「…なんの用?」


私「え?」


葵「その猫よ…」


葵の顔から笑みが消えて猫に鋭い視線を向ける


猫は私の前に立って葵に顔を向ける


葵「兄さん扉閉めてこっちに来て…」


私「え?あぁ…」


扉を閉めて葵の方に向かう


葵「…っ」


葵が猫又に向けて人差し指で空に横線を引く


私「…?」


私[何してんだ…?]


疑問に思っていると異常は起こる


「あぁ、バレちゃったのね…」


葵「そりゃあね…何の用なの猫又」


私「え?」


私[猫又ってあの…?]


「そりゃあいい波長の人間がいるから来たわけよ…面白い匂いもあるわけだし…」


私「え…」


猫の方から女の声が聞こえた


葵「…殺すの?」


猫又「まさか…むしろこの人間を気に入ってるのよ?」


葵は私の前に立つ


葵「気に入った?」


猫又「ふふ…まあこんなところで話すのもなんだし…入れてくれない?」


葵「…」


私「えーと…」


葵「何か変なことしたらすぐ殺すからね…」


猫又「しないわよ…」


葵は私の手を引っ張ってリビングに向かう


葵「…」


葵は険しい顔をしていた


猫又「…」


猫又は先程と変わらない風貌だった


私[空気が重い…]


リビングのソファーに座る


猫又は相変わらず私の膝の上に座る


葵「なっ…ちょっと!!」


猫又「あら…何か?」


葵「なんでそこにいるのよ!!」


猫又「別にいいじゃない…何か問題でも?」


葵「そうじゃないけど…」


猫又「あなたも彼の膝の上に乗りたいの?」


葵「…」


葵は徐々に顔が真っ赤になる


猫又「ふーん…」


私「人の膝の上でそういう言い争いしないで…」


猫又「あぁ、ごめんなさい…」


私「うん…あれ?」


猫又のしっぽが2本になっていた


私「猫又のしっぽって2本だっけ?」


猫又「まあそうね…私普段は一本だけど本当は二本なのよ…」


私「へー…」


葵「ねぇ…少しどきなさいよ…」


葵は猫又に言う


猫又「なんで?」


葵「私も膝に乗るからよ」


私[え…?]


葵は完全に顔が真っ赤だった


猫又「…まあいいわ」


猫又は私の膝から降りる


葵「良い?」


葵はこっちを見て言う


私「ぇ…?」


私「葵が私の膝の上に…?葵みたいな可愛い子が…?]


顔に血が通う感覚がする


葵「だめ…?」


葵は涙目でこっちを見る


私「…いいよ」


膝をポンポンと叩く


葵「じゃあ…失礼します…」


葵はソファーに寝っ転がり、私の膝に頭を乗せる


葵「柔らかい…」


私「そうなの?」


葵の頭を撫でる


葵「ふぁ…ん…」


私「変な声出さないで…恥ずかしいから…」


葵「気持ちいいから…」


私「…」


私[葵可愛い…]


葵の頭を撫で続ける


猫又「ねぇ…いい雰囲気で申し訳ないけど…」


葵「あ…んー?」


猫又「ふにゃふにゃになってるじゃない…」


葵「いや…ちょっと待って…ん…」


猫又「はぁ…さっきまで偉い私に警戒してたのにこのザマとか…」


猫又はソフィーから降りる


猫又「どうせだし姿変えるわね…」


私「姿?」


猫又「んー…と」


瞬きをすると猫がいた場所に女性がいた


私「うぇ!?」


葵「おー…なかなか可愛いじゃない…」


猫又の姿は黒髪のロングヘアーで整った顔の紅葉の柄の着物を着ている。胸もなかなか大きく、背丈は155~160くらいにに見える 後ろからはシッポが二本生えていた


葵は明るい金髪ギャルという印象に対して猫又は和風の落ち着いた女性に見える


どちらもとても可愛く、人目を引くような見た目を持っている。


私「…猫又?」


猫又「そうよ…昼からお世話になったわね…」


葵「え!?何したの?」


猫又「えーとね…」


猫又は大学で起きたことを話す…


葵「へー…随分災難だったわね…」


葵は下から私を見つめる


私「うん…」


葵「というかなんで他の人間はダメなの?兄さんはいいのに…」


猫又「そりゃあ元々人間を好んでないもの…お兄さんはなんか落ち着くのよ…あと単純に面白い匂いがしたから…」


私「匂い?」


自分の手の匂いを嗅ぐが臭くない


猫又「その匂いじゃないわよ…えーと…多分葵の匂いね…なんか妖怪というか人外独特の匂いがあるのよ…」


私「へー…」


葵「んで?猫又…あんたこれからどうするの?」


猫又「そうね…しばらくここに住むことにするわ…」


私「え!?」


葵「はぁ!?ダメに決まってるわよ…」


猫又「えー?でももうほぼ居場所はないし寂しいしなー…」


猫又は葵を上から覗き込む


葵「っ…」


猫又「わかったわ…ちょっと来て…」


猫又は葵の手を引っ張る


着いていこうとすると


猫又「ご主人はここで待ってて?」


私[ご主人って…]


葵「ごじゅ…」


葵は目を見開いて驚く


猫又「いいからいいから…」


二人とも別室に入る


私[はぁ…なるほどね…]


猫又が私に懐いたのもなんか言葉が通じたのも理解ができる


私[葵も猫又も波長とか匂いとか言ったな…なんなんだろうか…]


昨日今日でこの世に人外の何かが存在をしていたこと、それが二人も我が家にいることに動揺をする


私[…葵にケーキ渡し損ねたな]


ケーキを冷蔵庫に入れて大学の荷物の整理をする


私[明日教授とサシで話し合いか…なんというか起きた出来事とやることが多すぎる…]


コーヒーを飲んではぁとため息をつく


私[ただまあ…少し面白いな…]


今見ている景色はなんも刺激がなく、つまらない景色ではなく、彩られた刺激的な景色だった


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