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異世界に飛ばされた殺戮者  作者: SHIO
第二章 暴龍撃退編
17/20

魔族軍略会議

 ここは、魔族の国、魔王城の一室。


「それではこれより、魔族軍略会議を行う!」


 俺の名は魔王『ヴァルディオス』。

 誇り高き龍魔族の長にして、魔族の中心だ。

 ようやく、人間を根絶やしにする時が近づいてきている!

 俺の悲願もあと五年以内には成就するであろう。

 俺を含め、魔族軍も過去最強の布陣。

 今目の前にいる四天王も過去最高の出来だ!


「魔王様! やっぱり人間どもは、ここ最近転移者が多くて勢力を拡大してますぜ、叩くなら早い内がいいかと」


 こいつは、『エルガンテ』。

 魔族内で長年切り込み隊長を勤めていた男だ。

 リーダ自ら先人を切るその勇姿に、憧れる魔族も居たとか居ないとか。


 どれ、どのくらい成長しているか、俺のEXスキル『能力鑑定』で見てやるとしよう。


 エルガンテ(猿魔族)

 《レベル》  七百八十二

 《魔力量》   千八百五十万

 《ステータス平均値》 四千五百


 ほぅ、流石はエルガンテだな。

 もはや、単純な強さだけでは誰も敵うまい。



「しかし、我々には驚異となる人間がいます。勇者『ツルギ』、彼の力は我ら四天王に匹敵するでしょう」


 このインテリ魔族は『ミシュラ』。

 今の魔族軍の参謀といったところだろう。

 知性で戦うやつだが、はたして……。


 ミシュラ(鳥魔族)

 《レベル》  六百三十五

 《魔力量》  三千六百万

 《ステータス平均値》  二千百


 ほぅ、なかなかの魔力量だな。

 これなら十分単独でも無双できるだろう。



「私は何でもいいにゃー! 魔王様が命令さえしてくれればにゃ!」


 こいつは何かと考えないのがイカンな。

 少しは自分で考えて欲しいものだが、戦闘IQだけは高いんだけどな。


 フレイア(猫魔族)

 《レベル》  七百十

 《魔力量》  二千五百

 《ステータス平均値》  三千二百


 うむ、流石はフレイアだ。

 唯一女魔族の中で勝ち残ってきただけの事はあるな。



「あ~ダリィな、しかしよ魔王さん! 早く戦争終わらすか、和平交渉でもしたらどうなのよ」

「貴様! 魔王様に向かってなんたる非礼!」

「別によい」

「しかし魔王様! 『ランドルフ』は四天王の資格がありません!」

「よいと言っているエルガンテ、それとも……俺の言うことが聞けないか!」

「いや、そういうわけでは……」

「すまんなランドルフ、しかし和平交渉は絶対にできん! これは我ら魔族の因縁と復讐なのだ」

「ふ~ん」


 このマイペースな男は『ランドルフ』。

 己の、個の強さのみで這い上がってきた男だ。

 その態度よりも強さに兵士達は尊敬の念を込める。


 ランドルフ(豹魔族)

 《レベル》  八百五十

 《魔力量》  三千七百

 《ステータス平均値》  五千三百


 やはり、こいつが圧倒的か。

 まさしく歴代最強に相応しい奴等よ!



「今回の議題だが、効率よく人間共の勢力を削るにはどうしたらいいか。何かあるかエルガンテ」

「やはり正面突破ですぜ! 俺を先陣に立たせてくれれば皆殺しにしてみせますぜ!」


「なるほど、ではミシュラはどうだ?」

「はっ! やはりここは転移者を早い内に始末する方がよろしいかと。彼らは一年やそこらで急激にパワーアップをしてきます! 第二、第三の勇者がでない内に全滅させておくべきです」

「ほぅ、どうやって」

「やはりあの町を叩くのがよろしいかと」

「でもにゃ、あそこは冒険者の巣窟だにゃ! 骨が折れそうにゃ!」

「エルガンテ! どのくらいの兵があれば落とせそうだ?」

「俺にかかりゃ、五万で十分ですぜぃ! 魔王様!」

「ふん、ならばその倍準備してやる! しくじるなよ!」



 これで、人間どもは終わりだな。

 そういえば、一件気になることがあったような。


「そういえばミシュラ! この間の件はどうなっている?」

「ラクサス隊の件ですね、国境付近の人間の集落は順次攻め落としている次第であります!

「少し時間がかかっているようだな」

「申し訳ありません、所々勇者の邪魔にあうらしく……」

「よい。おい! カナエ! 居るか?」

「御意」

「ラクサス隊に合流し、手伝ってやれ。親衛隊をいくらでも連れていって構わん!」

「はっ! 魔王様の仰せのままに!」


「今のが新入りのカナエですか? 魔王様」

「カワイイ娘だったにゃ!」

「………」

「どうしたんだランドルフ! おめぇさんまさか今の娘に見とれたんじゃねぇんだろうな!?」

「……くだらねぇ」




 ふぅ~。

 ようやく軍略会議も終わった。

 とりあえず自室に戻るとしよう。


 扉を開け、引き出しから一枚の写真を取る。


「もうすぐですよ、姉上。もうすぐで、私達の悲願も叶います……。だから、私に力をお貸しください……」


 私は、そっと写真を引き出しに戻す。


「久しぶりじゃな、ヴァル坊よ」


 この声は、まさか……。


「これはこれはロゼ様ではありませんか。あの封印をまさか自力で解除してくるとは畏れ入りました」

「ちがうわ、このバカ者。藁わは人間に助けられたのじゃ!」

「人間に……だ…と」

「そうじゃ。人間とはもうこれ以上争うでない!」

「まだあなたはその様なバカげた妄想をしているのですか!人間は滅ぼすべきなんですよ!あなたもあの種族の狂った行動を見たはずです!」


 そう、あの時人間どもによって姉上は!


「じゃが、藁わはあの事件はキナ臭く感じておる! 誰かが戦争の引き金を引くために」

「まだ言いますか! ロゼ様!」

「やはり、手は引かんか……」

「愚問です。おい衛兵こっちに侵入者だ! 引っ捕らえよ!」

「ちっ! お主のその選択が、魔族を滅ぼす事がないように祈っておるぞ」

「そんな事はありません! 人間は皆殺し! 我々魔族がこの大地を支配するのです!」

「またの! ヴァル坊!」


 どうしてあの方は分かってくださらないのだ。

 魔族の始祖の一人だというのに。

 魔族の繁栄に人間は邪魔なのだ!


 




 

 

 

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