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異世界に飛ばされた殺戮者  作者: SHIO
第二章 暴龍撃退編
16/20

決戦前夜

「ほら、こっちだぞ!」

「今度はこっちよ!」

「見てください! この私の五連射を!」

「うふふ、ショウヤ君! 行くわよ!」

「昨日より一人増えてるんですけど! サヤカさん、何やってるんですか!」


 見ての通り、今日もジミーな特訓をやっております。

 魔力感知の感覚を掴んだおかげか、魔力無しで被弾を受けることは少なくなりましたね……。


「じゃねえよ! タクヤさん! これいつまでやるんですか!」

「うん? もう終わってもいいけど」

「えっ!?」

「そこまて反応できるんなら、ある程度の戦闘には付いていけるだろうしな」


 なんだと……。


「そんな……、じゃあ今日のこの時間はいったい……」

「悪い、なんか面白くて、ついな……」

「ちょっとタクヤさん、流石にそれは」

「おい、そんなに怒るなって……」

「そうよショウヤ、これでより強くなってるに決まってるわ!」

「エルマ、ユミ! お前らも同罪だぞ!」

「ショウヤ様! 私はどんな罰でも受け入れます!」


 はぁ~。

 まぁ確かに、三日前までとは魔力の感じ方がまるで違う。

 それに、魔法を複数扱うこのスキル……。

 色々試しがいがあるな。


 こんな感じで、俺達一行は道中で魔物を退けながら、本日の移動も終わりを迎えた。


「よぉし! 明日は王都ダルムスに立ち寄る。そこで、詳しい状況を聞き、この馬車を預けて、早馬を借りて向かう!」


 なんで、馬車を置いていくんだ?


「馬車のメリットは荷物を乗せられる。長時間走るのに適している。が、それでは時間が掛かるので、一日走るくらいなら早馬の方がマシなんだよ」

 

 なるほど!

 ということは、いよいよ明後日には目的地に着くってことか。

 明日までに色々と試しておこう。


 俺はこっそりと抜け出し、少し開けた場所に座る。


「今のところ、ファイヤーボールなら複数出せるわけだけど、スキルでも同じ様にいくのか……」


 試してみとかないとな。


「遠隔暗殺!」


 空間に穴があく。

 あとは、これをもう一つ。


「開いた!」

 まだ開ける。

 まだ開ける。

 まだ開ける……。


 どうやら個数制限は数えれないくらいには出せるらしい。

 あとは、座標調整が問題だな。

 今みたいに、均等に一列出すだけなら、簡単だが、動く複数の敵に当てるとなると、ムズい!


 そして、このスキルと魔法は同時に出せるかだが……。


「ショウヤ様! なにコソ練してるんですか! ユミも混ぜてください!」

「うわぁ! そんなくっつくなよ!」


 くそ~!

 ユミのやつ、昨日からやたら距離が近い。

 あーもう! 昨日のアイツの顔が頭から離れねぇ!


「なぁユミ、昨日の事なんだけどさ……」

「ショウヤ様! それはまた今度、ムードの良い日にしましょ!」

 

 女ってわからん……。


 さて、そんなこんなで無事俺達は翌日、王都ダルムスへ到着したのだった。


「うぉー! これが王都か! 見ろよユミ! 外壁ぐあって、その回りは川になってるぞ!」

「はい! これは想像以上に綺麗な街並みですね!」

「なに浮かれてんだか……」

「まぁまぁエルマちゃん、二人は王都は初めてだろうからさ」


 こんなに広い街なんだ。

 武器屋とか、道具屋とな見て回りたいな!


「あ、言っとくが観光してる余裕なんて今日は無いからな! 帰り道なら自由にして貰って良いぞ!」


 ガクーン!!!

 まぁいいさ、いつでもこれるさ。


「ほら、こっちだ行くぞ!」

「はーい!」


 俺達はタクヤさんに連れられ、王都騎士団の詰所へと向かった。


「おぅ、タクヤ! 来てくれて嬉しいよ!」

「久しぶりだなボブ、少し太ったんじゃないか?」

「相変わらずで何よりだコノヤロウ!」


 ここが騎士団の詰所か……。

 思ったよりも人が居ないな。

 勝手にみんなここで訓練してるイメージだったんだがな……。


「タクヤに依頼したのは他でもない。暴龍の件なんだが、これはS級冒険者並の使い手に頼みたい所だったんだが、みんな戦争で忙しくてな、どうか宜しく」

「それで、ヤバイのかこれは?」

「あぁ、ヤバイ……、先遣隊のラーズ隊がやられたらしい……」


「ラーズ達が! 平均レベル二百のエリート部隊だろ!」

「そうだが、生き残りが言うには、ドラゴンが八体も襲ってきて、それを操る魔族がいたそうだ……」

「そりゃまた、やばそうだな……」


「まぁ、お前ぇさんなら心配いらねぇだろ!」

「さぁて、どうだかな……」

 

 おいおい、本当に大丈夫なんだろうな!

 こちとら新米冒険者なんですけど!


「あっちに馬を用意してるから、いつでも持っていきな」

「サンキューボブ! いつも準備がいいな」

「お互い様よ!」


 詰所を後にし、俺達は今晩の宿に泊まる。

 明日は早朝すぐに馬で向かうらしい。


「さぁて、明日はいよいよフーレス村へ到着する! 危険な所だろうが、俺達ならできる! てなわけで、早く寝るぞ!」


 宿は男三人、女三人それぞれの部屋へ向かった。


「ショウヤさん、ショウヤさん! 結局どちらが好みなんすか!あの娘達、どっちもショウヤさんに気があるみたいっすけど」

「バッ!!! 何言ってんだよ、マサト! そんなわけ無いだろ!」


 そう、そんなわけない。

 でも、今では一名心当たりがある……。

 そんな事あってはならないのに……。


「おいおい、もうその辺にしとけよ、あまりショウヤを困らすな」

「そんな事言って、タクヤさんも、サヤカさんへの返事はどうしたんですか!?」

「なに!? バカ、マサトてめぇ、知ってたのかよ!?」

「まぁ、そりゃパーティーですからね。あんまり待たせると、サヤカさん可哀想っすよ!」

「ぐぬぬ、そりゃまぁ、そうするつもりだけどよ」


 ヤバイ、誰かこの会話の流れ止めてくれないかな。

 経験ないから頷くぐらいしかできん。




「ねぇねぇ、エルマちゃんにユミちゃん、ショウヤ君を狙ってるんだよね?」

「べっ! 別に私はそんな……」

「もちろんですよ! このユミは、ショウヤ様に身も心も捧げてます~!」


「その潔さ、惚れ惚れするわねユミちゃん。はぁ~私もそんな風にバカになれたらな~!」

「ちょっとサヤカさん、バカってなんですか、バカって……」


「サヤカさんはやっぱりタクヤさんを?」

「うん、でも希望は薄そうだけどね……」

「タクヤさんはモテそうですからね~」

「そうだけど、それだけじゃないみたい。あぁ~、いっそ悩殺して落とすか……」


「悩殺!?」


「タクヤや、ショウヤ君みたいな奥手には、こっちもバカになった方が効果あるかもしれないしね」

「バカになる……」

「ちょっと、エルマさん? なに考えてるんですか~?」



 翌日、俺達はフーレス村へたどり着く。

 しかし、そこには情報以上に何者かの思惑が蔓延っていたのを俺達はまだ、知る由もない……。


 


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