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実話。  作者:
1/1

大好きな仕事に出会うまで。

これをフィクションだと思うか、本当に実話だと思うか、それは読んでから

あなたが決めてください。

 これは、私が二十歳になる年に起こった出来事を書いたものであり、この物語に嘘偽りは全くない。

現実に起こった信じ難い私だけの物語。

 コロナ渦の真っ只中、居酒屋でアルバイトをしていた私は絶望的だった。終わらない緊急事態宣言。

もちろんアルバイト先は休業中。収入はもう二月ほど無かった。

大学生の私にとってこれは相当な痛手だ。新しいコスメ、服、友達とのご飯。

かかる費用は大人になればなるほど増えていく。高校生の頃は良かったのに…。

何でもかんでも学生料金で安かったあの頃…。

 これ以上アルバイトが出来ない状況はマズい。そう思った私はコロナ渦でも問題がないアルバイト探しを開始した。

 学生の出来るアルバイトなど限られている。

ほとんどが飲食店で、コロナ渦でも働くことが出来る飲食店はカフェやファミレスくらいである。

現役短大2年生の私は平日は毎日夕方まで大学で、カフェやファミレスで働けるのは休日の週二日ほどである。そんな私を採用してくれる訳もなく…。

やっぱり新しいバイトを探すのは諦めるべきなのか。アルバイト探しを始めて一か月が経とうとしている時、私はこのバイトと出会った。

 高校生の頃じゃ出来なかったアルバイトがしたい。

私が居酒屋のアルバイトを始めた理由はそんな理由だった。

新しいバイト先も出来ることなら経験のしたことがないアルバイトが良い。

そして、わがままを言うのならば髪の毛は染めたままが良いし、ピアスは外したくない。

コロナさえなければ、居酒屋のバイトは最高だったのに…。

iPhoneでアルバイトの求人を眺めながらそんなことを考えていた。

居酒屋のバイトで大変だったことは何だろう…。

唯一面倒だなと思っていたのはバ先が遠かったことだなぁ…。

次のバ先は近いところが良い。

 私は家から近い距離に絞って、どこかアルバイトを募集しているところはないか、調べてみることにした。

「あ、ここアルバイトの募集とかしてたんだ。」

思わずひとり言を呟く。

それは、地元のショッピングモールにあるゲームセンターのアルバイト募集だった。


 思わず、勢いで応募をしてしまった。

だって、大好きなゲームセンターで働くことが出来るなんて。夢のような話じゃないか。

受かるか落ちるかなんてわからないけれど、一生に一度でいいから働いてみたい。

 翌日になると、応募の確認の電話が来た。面接の日程を決め、履歴書も書いた。

髪色は今のままだと厳しそうだけど、ゲームセンターで働けるのなら…と大人しく茶髪にした。

 そして、面接当日。ゲームセンターに足を運ぶ。

コロナ渦だというのにすごい混み具合だ。…コロナ渦だから地元で遊んでいる人が多いのだろう。

スタッフに声かけてくださいと、電話では言われたけれど…

とにかく人が多い。なかなかスタッフが見つからない。見つかっても忙しそうだ…

数分店内をうろうろして、やっと手の空いたスタッフに声をかけることが出来た。

「あ、あの、アルバイトの面接で来たんですけど…。」

緊張からか、あまり上手く話せなかったが、伝わったようだった。

スタッフは「こちらです。」と店内の奥にあった事務所に案内してくれた。

事務所は今まで見たアルバイト先の中でも断トツで大きく、いろんな景品が置いてあった。

「はじめまして、よろしくお願いします。」

大柄でスーツを着た男性が私に話しかける。

「はじめまして、こちらこそよろしくお願いいたします。」

どうやら、この人が店長らしい。優しそうな方でよかった。


 適性検査と呼ばれる性格診断のマークシートを済ませ、店長と20分程度面接を行った。

面接と言っても、軽い雑談といった感じだった。正直、あんまり自信はない。

「採用の場合のみ、水曜日までにご連絡します。連絡がなかった場合は…すみませんということで。」

その日は土曜日。水曜日まで緊張したままなのはきつい…。

 面接が終わってから、どっと疲れが押し寄せてきた。緊張していたから無理もないか…

私はショッピングモールを軽くぶらつくという予定を変更して帰宅した。

面接受かっていたら嬉しいけれど…。

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