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第二十四話 オタクの買い物

すみません投稿間隔空きました。投稿再開します。

 黒羽燐が編入してきて数週間が経過した。

 クラスにも馴染みすっかり輪の内側に入ることが出来ている。

 俺は心底良かったと安心した。


 『ねえ出雲君。今日一緒にお昼食べない?』

 『いいけど直接言えよ。隣の席だろ』

 『何となく秘密感あっていいよね』

 『なんだそれ』


 俺と燐はあの体育の日以来凄く仲良くなった。

 俺にとって初めての憧れの異性の友達で、尊敬できる人間だ。

 学校で凄く仲良く接してくれる。そう言えば休日は遊んだことなかったな。

だけどラノベ作家だから忙しいし無理だよな。


昼休み俺はこっそり手に入れた屋上の鍵で屋上に入る。

黒羽燐に屋上の事を他言無用にするように伝えた。

ぼっちだった俺のお気に入りの場所。


「出雲君お待たせ。うわあ凄い、いい眺め」

「だろ。ここ俺のお気に入りなんだ」

「屋上っててっきり閉まってるものだと思ってた。ほら危険だからさ」

「偶然鍵拾ったんだ。返すの忘れてて偶々屋上の近く言った時試してみて。そしたら開いた」

「ちゃんと卒業したら返さないと駄目だからね」

「分かってるって」


 俺と燐は二人屋上に並んで座る。 

 相変わらず燐は美少女で可愛い。

 凄いいい匂いもする。


 「どうしたの? 顔赤いよ?」

 「い、いや何でもない。それより海光社の新刊出るよな」

 「うん。あのSNS関連で事件に巻き込まれた主人公の人生を描いた奴でしょ」

 「そうそう。凄く楽しみ。燐は何か新刊出すのか?」

 「うーん、ステラの心臓今3巻まで出てて重版何度も掛かってるんだよね。だから暫くこれ一本かも。アイデアは沢山あるから書けって言われたら沢山かけるけどね」

 「重版おめでとう。凄いな。そのうちコミカライズにアニメ化とかもいけるんじゃないか」

 「コミカライズは動いてるよ。アニメ化はどうだろうね」


 燐は照れくさそうにそう言った。

 一々の仕草が可愛すぎる。

 俺は燐を直視できなかった。


 「そう言えば新刊出すの速いよな。一月に一冊ペースで出てる」


 通常ラノベって新刊出るまで数か月は期間が開く。

 だが燐のステラの心臓は一月に一冊のペースだ。学業もあるのに凄いな。


 「私速筆なんだよね。自分で言うのもなんだけど」

 「それって作家には重要なスキルだろ。凄いな」

 「ありがとう。ねえ急なんだけど今週の日曜日空いてる?」

 「空いてるけど、どうした?」

 

 燐が緊張した様子で体をもじもじとさせる。

 俺も恥ずかしくなって視線を逸らした。


 「良かったら一緒にアニメショップ行かない。その後私の家で遊びたいなって」

 

 な!? こ、これってデート!?

 いやいやそんなまさかな。だって俺達付き合ってないし。

 ただの友達だよな。

 それに俺は――。


 「いいよ。行こうか」

 「本当。いいの?」

 「ああ。良かったらラノベの書き方教えてくれると嬉しいな。何か燐の話聞いてたら興味持っちゃって」

 「うんいいよ。作家仲間が増えるの嬉しい」

 「俺はプロになれる才能ないよ」

 「そんなの分からないよ。それにプロだけが作家じゃないよ。趣味で書いている人も沢山いるから」

 「ウェブ小説とか?」

 「そうそう」


 燐は凄く楽しそうな表情でキラキラした目で俺に話しかけてくる。

 俺はそれが凄く嬉しかった。

 ああ友達ってこんな感じなのか。

 その後も昼休み中お弁当を食べながら俺と燐はオタク特有の会話をした。


              ◇

 「お待たせ。ごめんね待たせたよね」

 「……いや全然。俺も今来たところだし」

 「本当、良かった」

 「そんな焦らなくてもいいのに。待ち合わせ時間まだだよ」

 「張り切りすぎたかも」

 

 綺麗な艶が入った茶髪のロングストレート。大きなつぶらな茶色い瞳。整った睫毛。くっきりした鼻梁。いつもの黒羽燐はかなりの美少女だ。だけど今日はそれだけじゃない。白いワンピースに可愛らしい花柄のミニスカートを履いている。可愛い帽子をかぶって。

 正直滅茶苦茶ドキドキしている。

 心臓弾けそう。


 「じゃあいこっか」

 「あ、ああ」


 俺と燐はアニメショップで買い物する。

 ズラリと並ぶ漫画やラノベ。横のコーナーにはグッズが沢山並んでいる。

 CDやBDなども沢山ある。


 「何か欲しい物あるのか?」

 「色々とね。参考のためのラノベとか、好きな漫画とか、グッズとか」

 「色々だな。俺は何買おうかな」

 「出雲君の好きなアニメとかゲームとかここにあるかな?」

 「うーん探してみる」


 ここのアニメショップは全然来ないから勝手が分からないな。

 まあ燐の可愛らしい姿と楽しそうな姿を見れただけでも満足だが。


 「おっ、ステラの心臓だ。オススメ作品として棚の中央に並んでる」

 「はははっ、何か恥ずかしいな」

 「恥ずかしがることじゃないだろ。胸を張って誇りに思うべきだろ」

 「出雲君時たま恥ずかしい事を恥ずかしげもなく口にするよね」

 「そ、そうか」

 「無自覚」

 「ぷっ、ははっ」

 「ぷっ、ははっ」


 俺と燐は楽しそうに笑った。

 ああ今がずっと続けばいいのにな。

 その後俺と燐はアニメショップで大量に買い物をした。

 財布の中身がやばいかも。ロリ母助けてくれ。

 

          ◇


 「お邪魔します」

 「上がって」

 「あれ親は?」

 「仕事。父さんも母さんも忙しいんだ。二階上がって突き当りを左に行くと私の部屋だから待ってて」

 「あ、うん」


 凄い広い家だな。まあ俺の家も相当でかいけど。

 ってそんなことより親いないのか。じ、じゃあ今俺と燐の二人だけか。

 何か凄い緊張してきた。

 よし深呼吸をしよう。


 「お待たせ……ってあれ部屋に入ってなかったの?」

 「あ、ああ。何か先入るの悪いと思って」

 「いいのにそんなの気にしなくても」

 「そ、そうか」


 俺は燐の部屋に入る。そこには本棚に本がびっしり並んでいた。

 すげえ。書斎みたいだ。


 「これ全部燐の本か?」

 「そうだよ。まあ母さんや父さんからの貰い物もあるけどね」

 「あれで書いてるのか?」


 俺が机の上にあるノートパソコンを指さす。 

 高価そうなノートパソコンだ。


 「うんそうだよ。今はデジタルだからパソコンで書くのが普通じゃないかな。まあスマホやタブレットでも書けるけどね」

 「へえー」

 「まずはお茶しようか」

 「あ、ああ」


 俺が座ろうとした時床に置いてあった本を踏んでしまいベッドに倒れる。

 燐も俺が転びそうになったのを見て咄嗟に俺を支えようとする。

 その結果ベッドで二人密着した。

 俺が下で燐が上で。


 「あ、ご、ごめん」

 「う、うん。こ、こっちこそごめんね」


 俺達は暫く顔を赤面させながら沈黙する。

 そしてお互い離れる。


 「じ、じゃあ書こうか」

 「あ、うん」


 これが燐からラノベを書く楽しさを教えてもらう最初の一日だった。

 激動の一日である。


応援ありがとうございます

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面白ければブクマも宜しくお願いします。


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