第5の宴 精霊魔法の脅威
「改めて宜しくお願いするわね、ご主人様♡」
昨日から契約したニンフのレナとルナ。
「私は風の精霊でルナが水の精霊。
今は貴方と同じような人間の姿だけど、いつもはこんな姿なの。」
そう言うと二人は妖精の様に小さい体となり空に浮いている。
「この姿になると普通は見えないんだけど、契約者のご主人様だけ見えるのよ。」
〈キャン!〉
「わあ!可愛いワンちゃん!!」
「ルナ、これはカイザーウルフよ。」
「え、あのオオカミなの?
でも、カワイイからどうでもいいや♡よしよし」
ルナは小さい体でハティを撫でる。
〈キュゥゥゥン♡〉
「ハティにも二人の姿が見えるのか?」
「貴方の眷属だから見えるのよ。」
「やっぱり眷属って便利だな。
二人は普段はここに住むのか?
昨日はどっかいなくなったけど。」
「契約したからいつも一緒にいるよ♡」
「え?でも、昨日は・・・」
「いえ、ずっと一緒にいたわよ♡」
「はぁ?」
「ご主人様の体の中にいたんだよー!!」
「体の中??」
「正確に言うとその紋章の中ね。」
俺は手の甲に現れた紋章を見つめる。
なんかタトゥーみたいでかっこいい!!
「契約したニンフはそこが自分の部屋になるの。
こうやって・・・」
レナが右の紋章に近づくと吸い込まれるように体が右の紋章に入っていく!
「おお!すげぇ!!」
「基本、出入りは自由だけど、ご主人様の意志で閉じたりもできるわ。」
「なるほど・・・。」
一人になりたい時は閉じ込めておけばいいのか。
「そして、戦闘の時は精霊魔法が使えるようになるわ!
今ご主人様が使える精霊魔法は私の風属性とルナの水属性ね!」
「精霊魔法!!是非とも試したい!!」
神の使者、タナトスが精霊魔法が使えるとかかっこよすぎだろ!!
早く試したい!!
「じゃあ早速行きましょう!!」
「私達の力見せてあげるよ!!」
俺達は森に向かった。
やはり一歩入るだけで空気が変わるな。
「うえ〜、やっぱりこの空気苦手ぇぇ!」
「ホント、空気が悪いわね!」
「この森はなんでこんなに空気が淀んでるんだ?」
「・・・死の森だから?」
「あ、詳しくは知らないのね。」
「私達はあの大木の周りにしかいないから!」
「基本、離れられないのよねぇ。」
「精霊も可愛そうだな。」
「えー?なんで?」
「だって契約者が現れない限り、ここから出れないんだろ?
楽しくないだろ?」
「えー、そんなことないよ?
追いかけっこしたり、大木の葉っぱの数かぞえたりしてるよ?」
「何その気の遠くなる作業。
ただの地獄なんですけど。」
「まあ、確かにあの大木にずっといるより、ご主人様と一緒にいるほうが楽しいわね!
あ、あのモンスターにしましょう!」
現れたのはでっかいクマのモンスター。
キングボアより遥かにデカイ!
「精霊魔法を発動させるには私達が紋章の中にいないといけないの。
契約者と一心同体になることで発動可能になるのよ!」
「なるほど。
いつでも撃てるわけじゃないんだな。」
「うん!
精霊と契約者の力が重なって初めて強力な技が出せるよ!!」
「じゃあ、実際にやって見ましょう!!」
二人は俺の中に入る。
〈それではいきますわ!
手を前に出してください!!〉
俺は言われた通り右手を出す。
〈紋章に魔力を込めてください!〉
俺は紋章に魔力が伝わるように意識してみる。
すると紋章が光出す!!
〈私の魔法はサウザンド・ウインドブレード・ストーム!
私と同時に言ってください!!〉
「あ、ああ!分かった!」
《サウザンド・ウインドブレード・ストーム!!》
ハルトの右手から無数の風の刃が物凄い暴風と共に放たれる!!
そして、クマは疎か、周りの木々までもが切り刻まれる!!
クマは悲鳴を上げることなく、バラバラとなり、絶命する!
そして、俺の目の前の5キロくらい先の一帯の木々が細切れとなっている!!
「こ、これが精霊魔法・・・!
すげぇ!!!」
〈えぇぇぇぇぇ!!
何この威力!?〉
〈嘘でしょ・・・!?
この魔法は確かに強いけど、ここまでは・・・!!〉
「じゃあ次はルナの精霊魔法を!」
『ちょっとまってェェェェェェェェ!!』
二人が俺から一斉に出てくる!
「え、何!?」
「ご主人様はどれだけ魔力あるの!?」
「えっと待って、調べるから!
ステータスオープン!」
クジョウ ハルト(タナトス(笑))(18)
種族:人間
称号:創造神の使者
状態:中二病症候群(不治)
lv130
HP:1950/1950
MP:1200/1280
力:720
体力:693
魔力:812
速:620
運:515
スキル:共通言語 無限アイテムボックス 生活魔法 クリエイトアイテム クリエイトマジック 死神の魔眼(笑) 紅蓮羅刹流魔剣術(笑) 精霊魔法(水・風)
創造魔法:邪龍黒炎波(笑) 破刃烈風斬(笑) 刹那水連撃(笑) 雷轟竜神波(笑) 灼岩流星群(笑) 天翔閃光弾(笑) 暗黒双龍波(笑) 閻魔幻影斬(笑) 深淵之奈落(笑)
ユニークスキル:スキル創造 640/100
その他:創造神の加護
お、今のでレベル上がってるな!
相変わらず笑ってやがるけどな!
「魔力が812だって!」
『812ィィィィィィ!?』
「え、なんで驚いてるの?」
「そりゃ驚くよ〜!!
普通の人は多くても100あるかどうかだよ〜!?」
「え、そうなの!?」
「ご主人様は魔族より凄いわ!
魔族でも400あるかないか・・・。」
「え、そんなものなの!?
てゆーか、魔族とかいるんだ!!」
「ご主人様は何も知らないんだね!
この世界には人族、獣人族、魔族、竜人族、精霊族がいるんだよ!」
「まさにファンタジー!!」
「最強の種族が竜人族だけど、ご主人様は竜人族より強いかも!」
「ええ、そうね。
竜人族のトップよりも強いわ!」
「ふっ、我は神の使者タナトス。
この世界で最強は当たり前だろう?」
「・・・かっこいい♡
私達はとんでもない人と契約したんだね♡」
「兎に角!
ルナの精霊魔法はやめておきましょう!」
「え!?なんで!?!?」
「この森がなくなっちゃうよ?」
「えぇぇぇぇぇ!!?なんで!?」
「ルナの精霊魔法は大洪水を起こすものなの。
ご主人様の魔力でそれをやったらここら辺一帯が災害レベルの洪水で人は疎か、モンスターも住めなくなるわ!」
「災害レベル!?」
「うん!
やめた方がいいよ!
森だけじゃ済まなくなりそうだし!」
「くっ!
俺の強さが憎い!!」
折角!精霊魔法覚えたのにお預けかぁ・・・。
楽しみにしてたのになあ・・・。
「これからどうするのかしら?」
「もう少しこの森でレベルあげるよ。」
「もうそんなに強いのに?」
「ハティのレベルも上げたいんだ!」
あとポイントも集めないと!
「ハティちゃん、レベルいくつ?」
「昨日見たときは79だったよ!」
『79!!??』
「この赤ちゃんウルフがレベル79!?」
「大人ウルフと変わらないじゃない!?」
〈きゃん!〉
「ハティは眷属の首輪を付けてるから、俺が経験値を稼ぐとハティにも同じ経験値が与えられるんだ!
だから赤ちゃんでも強いんだよ!」
〈ハフンッ!〉
「わあ!ハティがドヤ顔してる〜!カワイイ♡」
「眷属の首輪・・・?
初めて聞くわね?」
「だって俺が創ったからな!」
「こんなものまで創れるんだ!
凄い凄い!!」
「流石は神の使者ね!」
「ふっ!我は神の使者、タナトスだぞ?
我に創れぬモノなどないわ!」
『かっこいい♡』
やはり、俺は特別な存在だな!
この二人も俺にメロメロだな!!
モテる男は辛いな!
そして、この後もモンスターを倒し続ける。
ハティのレベルが100になった所で今日は切り上げることにした。
「やっぱりご主人様は凄いわね!
この死の森でこんな数のモンスターを短時間で倒すなんて!!」
「この森ってそんなにやばいのか?」
「え?この世界で最凶の森だけど?」
「えぇぇぇぇぇ!?最凶なの!?」
「えぇぇぇぇぇ!?知らなかったの!?」
「全く知らんかった!だからSランクモンスターとかいっぱいいるのか!!」
「知らないでこの森にいたの!?
よく生きてたね!?」
「ふっ!
我は神の使者だからな!
こんな森、他愛もないわ!!」
『かっこいい♡』
〈今日の結果〉
カイザーウルフ 5体
キングボア 8体
カルネージベア 3体
創造ポイント 1080ポイント
ハルト lv124→lv151
ハティ lv79→lv112
「ハティちゃん、レベル上がったから大きくなったね!!」
「え!?」
確かに大きくなってる!
昨日まで子犬みたいな感じだったのに成犬位まで成長してる!!
「なんで!?」
「なんでってレベル上がったからだよ?」
「え?モンスターってレベル上がると成長するの!?」
「寧ろ、レベル上がらないと成長しないわよ?」
「だから昨日少し大きくなったのか!
納得!良かったなハティ!」
「ギャン!」
「まだ産まれてそんなに経ってないから成長が遅いけど、近いうちに大人になるわよ。」
「もう大人に!?」
「レベル的にはカイザーウルフの中では最強じゃないかしら?」
「最強・・・!
いいね!俺の眷属ならそうでなきゃ困るからな!」
〈ギャンギャン!!〉
小さいと可愛いけど、やはりタナトスの横にはかっこいいモンスターの方が様になるからな!
そして夜は皆で温泉に入る。
ハティはルナに洗ってもらっていた。
その間、レナが隠れて攻めてきたが、何とか耐えた・・・。
それは後でハティが寝た後な!
勿論、寝た後温泉で俺のエクスカリバーを二人の鞘に納めました。
やはり二人は最高だ!
昨日まで童貞だったやつが二人も同時に相手出来るなんて・・・。
しかも巨乳で美人!
これが毎日続くならここにいてもいいなぁ・・・。
だが、そうもいかないか。
問題が一つあるからな。
そう、もうすぐ食料が尽きる。
もってあと2日だ。
四人分の食事を侮っていた。
しかも、ハティが成長したせいか、よく食べる。
主人の俺より食べるとはいかがなものか。
まあ、モンスターだしな。俺より食うよな。
やはり、もう森を出るしかないのかな。
気ままな生活が意外と気に入っていたが飯が食えないのはマズイ。
明日皆に相談しよう・・・。
だがしかし、ハルトのこの不安を加速させる出来事が起きる・・・。
こんにちは。
私の作品をお読み頂いてありがとうございます!
これからもお読み頂けると幸いです。
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