第120の宴 永遠の闇
「我は神の使者、タナトス・・・。
ダークエエルフ共を殲滅する者だ・・・!」
「な、なんだと!?
まさか、エルフの手の者か!?」
「あんな雑魚どもの手先になる程、我は落ちぶれていない。
殺されたくなかったら、さっさとオルフェノスを連れてこい・・・。」
「お、王に何の用だ!?」
「貴様には関係ないであろう?
雑魚は雑魚らしくさっさと強者の言うことを聞けばいい。」
「俺が雑魚だとォォォォ!?
喰らえぇぇぇぇぇぇぇ!!」
ダークエルフが矢を放つ!!
矢は真っ直ぐとハルトに向かって飛んで来る・・・!
しかし・・・!
スパッ!!
矢はハルトの真・覇王幻影剣によって真っ二つにされる!
「何!?」
「貴様・・・我に歯向かったな・・・?
言うことを聞いていれば、痛い思いをしなくて済んだのにな・・・。」
《雷轟竜神波!》
特大の雷属性の龍の形をした波動がダークエルフを襲う!!
「ギャァァァァァァァァァァ!!!」
ダークエルフは黒焦げになり、その場に倒れる!
「くっくっくっ・・・
我に逆らうからそうなるのだ・・・。
まあ、威力は抑えてやった。
死ぬことはなかろう。」
「あれで威力抑えたの・・・?」
「私が食らったら即死レベルだったよ・・・?」
「わぁぁい!!
黒焦げですぅ!!」
「よし、先を行くぞ。」
俺達は城の中に入る。
すると、そこには沢山のダークエルフが・・・!
「誰だ!てめえは!?」
「人間!?」
「侵入者だ!
全員、やっちまえ!!」
一斉に襲いかかって来るダークエルフ達!
「ハティ!アセナ!
死なない程度に頼むぞ!」
《縮小化解除!!》
2匹は本来の姿に戻される!!
《グワギャァァァァァァァ!!!!》
「ヒィィィィィィィィ!何だ!?」
「フェンリル・・・!?」
「こいつ、召喚士か!?」
「この人数ならいける!
やっちまえ!!」
相手は30人以上・・・
数で勝てると思ったのであろう・・・。
しかし・・・
「ぐわァァァァァ!!」
「な、何だ、この強さは!?」
「矢が刺さらない!?」
「魔法も避けられちまう!!」
次々とダークエルフ達を倒していく二匹!
10分後・・・全てのダークエルフが倒されてしまった。
〈ガウガウ!〉
「やはり口だけの雑魚であったな!」
〈キャンキャン♡〉
「流石は妾のハティ様じゃ♡」
「ご苦労だった、お前たち!
さあ、先に進むぞ!」
俺達は階段を登り、2階へ。
階段を登りきったところには広い部屋となっていて、正面に王の間らしきものがあり、見張りが付いていた。
「貴様!何者だ!!」
「下にいた者達は何を・・・」
「下にいた奴らなら我の眷属が瞬殺した・・・。
この中にオルフェノスがいるのか・・・?」
「下の者達を瞬殺だと!?」
「馬鹿な!!」
「馬鹿は貴様らだ。
貴様らも下の者達と同じようなことをされたくなかったら、さっさとそこを退けがいい。」
「なんだと!?
ふざけるな!!」
「巫山戯てなどおらぬ。
退かぬのなら仕方ない・・・
さあ、貴様らの終焉の刻だ・・・
我の力・・・思い知るがいい!!」
「うるせえ!
しねぇぇぇぇ!」
エルフ達が剣を構えて襲いかかってくるが・・・
《常闇之絶望・・・!》
ハルトがスキルを展開させると、急遽エルフ達は足元に現れた闇に落下してしまう!
「うわぁぁぁぁ!」
「えぇぇぇぇぇぇ!?」
エルフ二人はその場から消えてしまう!
「ご、ご主人様・・・!
まさか・・・闇の中に・・・!?」
「何も殺すことは・・・!」
「到頭、闇に沈めたですぅ!」
「何を言っている?
あの闇の中を見てみろ。」
仲間たちが闇の中を覗くと・・・
「な、何だここは!!
助けてくれ!!」
「暗い・・・!怖い・・・!
俺は暗いとこはだめなんだぁぁぁ!
助けてくれぇぇぇ!!」
闇の中からエルフたちの声が響き渡る!
「生きてる・・・?」
「声がするね!?」
「当たり前だ。
我は神の使者だぞ?
我が不殺さずの誓いを破るわけなかろう・・・。
これは脱出不可能の落とし穴を創るスキルだ。
我がスキルを解除しない限り、脱出は不可能だ。
たとえ、羽があろうとその落とし穴の中は常闇。
永遠の闇を彷徨うことになるであろう・・・。」
「永遠の闇・・・
ある意味、深淵之奈落よりおっかないスキルね・・・。」
「我がスキルを解除しない限りは死ぬまで闇の中だからな。
深淵之奈落みたいに一瞬で無に還るわけではないからな。」
「永遠に闇のにゃかにゃんて地獄にゃん!!」
「とりあえず、その中にいてもらう。
城を取り返したら戻してやる。
だから、そこで大人しくしてろよ?」
『ヒィィィィィィィィ!!』
「じゃあ、オルフェノスとやらに会うとするか・・・。」
ハルトは王の間の扉を開ける。
王の間には3人のダークエルフが玉座に集まって何かを話している。
「おい・・・もう一年が経つぞ・・・。」
「そろそろ気付いてくれますよ!」
「だから、そんなことじゃ気づくわけないじゃないですか!!
乙女心舐めてるんですか?」
「しかし・・・」
「あーゆータイプはハッキリ言わないと駄目ですよ!!」
「オルフェノス様がそれが出来ないから、俺が計画したんだろうが!!」
「アンタの作戦、絶対にクソよ!!
現に一年経ったでしょ!!
何の音沙汰もないのよ!」
「やはり、作戦は失敗なんじゃ・・・」
「そんなことありませんよ!!
俺の作戦は完璧です!!
きっともうすぐ・・・」
「完璧じゃないから一年経ってるんでしょうが!!」
「作戦って何だ?」
「何いってんだ!
オルフェノス様の強いところを見せて、エルフの女王・ルミリアン様をメロメロにさせよう作戦に決まっているだろ!!」
「だから、城乗っ取ったところでメロメロになるわけないでしょう!!
今頃絶対に恨んでるわよ!!」
「う、恨んでいる!?
それは不味い!!
今すぐ中止しなくては!!・・・・つて
誰だ貴様は!?」
やっとのことで俺たちに気づく3人のダークエルフ達。
「我は神の使者、タナトス・・・!
この城を奪った愚かなダークエルフ達を殲滅させる者だ・・・!」
「か、神の使者だと!?」
「どうやってここに!?」
「貴様らの部下は我が全滅させた。
後は貴様らだけだ・・・。」
「な、何!?」
「貴方、エルフの手の者なの!?」
「エルフ達に頼まれてここに来た。
城は返して貰うぞ・・・。」
「だ、誰が返すか!!
今はオルフェノス様にとって大事な作戦中なんだ!
作戦が終わるまでは返せるか!!」
「作戦ってさっき言ってた女王メロメロ作戦かしら・・・?」
「そ、そうだ!!」
「うわー★
そんなのでメロメロになるわけないよー☆」
「え!?」
「寧ろぉ女王恨んでたですぅ!!」
「ええ!?!?」
「あんた、バカぁ?
大事な城取られて惚れる女なんて居るわけないでしょ!!」
「ほら!言ったじゃないの!!」
「だって、女王様は強い男が好きなんですよね!?
じゃあ、オルフェノス様がどれだけ強くなったか示すには城を奪うしか無いだろ!!」
「にゃんにゃのだ?
そのバカみたいにゃ作戦。
子供でも考えてつかないにゃ!」
「ジーク!!
やはり、駄目じゃねーか!!
ルミリアンに完全に嫌われたぞ!!
貴様のせいだ!!」
「ヒィィィィィィィィ!!
お許しを!!」
「だから、クソ作戦って言ったのよ!!」
「元はといえば、オルフェノス様がはっきり伝えないのが悪いんじゃないですか!!」
「なんだと!?」
「確かにそれが1番悪いわね。
城奪う前にはっきり言えば嫌われることもなかったのに!!」
「俺のせいだって言うのか!!」
「貴様のせいであろう?」
「巫山戯るな!!
面と向かって好きだなんて言える訳あるか!!」
「偉そうな割にはヘタレですぅ!」
「ああん!?
ヘタレだとォォォォ!?」
「ヘタレでしょうが!!
それでもアンタ、王なの?」
「うう・・・!」
「ちゃんと伝えなくちゃ伝わらないよ?」
「しかし・・・」
その時、ハルトはあることを思いつく。
そして、悪魔のような顔でニヤリとする。
「こんなヘタレの恋が実ろうが失敗しようがどうでもいい。
我は城を奪い返しに来ただけだ。
悪いが、貴様らにはこの城から出ていってもらおう・・・。」
『なに!?』
《裁きの断罪!超電気椅子!!》
3人は電気椅子に拘束される!!
「な、なんだこの椅子は!?」
「離せぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「きゃー!何なのよ!!」
「いつもより高電圧を流してやろう!!
丸焦げになればいい!!」
その号令に反応したかのように超高電圧が3人を襲う!!
『ギャァァァァァァァァァァァ!!!』
いつもより電圧が高いため、一気に黒焦げになるダークウルフ達!!
《解除!!》
椅子が一瞬で消え、黒焦げの3人はその場で倒れる。
「やはり、雑魚であったか・・・。
ミーナ、手分けをしてこいつらと他のダークエルフ全員を空間魔法でエルフの所にぶん投げておけ!」
「え、なんでですぅ!?」
「この城を我が占拠する!!」
『えぇぇぇぇぇぇ!?』
本日もお読み頂きありがとうございます!
忙しくてこんな時間になってしまいました。
新しいスキルはここに来る前に覚えました。
深淵之奈落では殺してしまうので、殺さないモノをと言うことで創られました。