第119の宴 二度あることは三度ある。
「それで・・・
神の使者様が妾に何の用じゃ?」
「特に用はない。
ただ我は貴様らの仲間をここに連れてきただけだ。」
「え!?それだけ!?」
「当たり前であろう?
貴様に会ったからと言って、特に何するわけでもない。
我はあいつらが困っていたから助けただけだ。
このエルフの国も偶々立ち寄っただけだ。」
「困った者を助けただけじゃと・・・!?
じゃあ、妾も困ってるのじゃ!
さっさと助けるがよい!!」
ごちん!!
「いったぁぁぁぁい!!
何をするのじゃ!!
初めて会った者を2回も殴るなんて酷いではないか!!
うわぁぁぁぁん!」
涙を流し、サブリナに駆け寄る女王。
「それが助けを求めるやつの態度か・・・?」
「そうですよ、女王様!
流石にそれでは助ける方も不快ですよ!」
「だってぇぇぇ!」
「だってじゃないですよ!
神の使者様、申し訳御座いませぬ。
女王様は敬語など使ったことも無く、我儘に育ってしまったもので・・・」
「全く・・・親は何をしていたんだ?
こんなクソになるまで放置していたのか?」
「女王様のご両親・・・
先代の王と女王様は2年前に他界をしました・・・。
お二人共寿命で・・・。
先代は年を取ってから今の女王様をお生みになられたので、物凄く甘やかされて育ったので・・・。」
「その両親がもっとちゃんと育てていれば、もっとマシになったかもな。」
「お主!
妾の父と母を侮辱するのか!!」
ごちん!!
「うわぁぁぁぁん!
また殴ったぁぁぁぁ!!
親にも殴られたことないのにぃぃぃ!!」
お前はア○ロか?
「我が侮辱しているのは貴様だ・・・。
この女王の出来損ないが・・・。」
「うう・・・出来損ないとはなんだ!」
「出来損ないとは、能力などが十分でない不完全な人間だと罵って言う言葉だ。」
「意味くらい知っておる!!
妾が出来損ないとはどういうことじゃと聞いてるのじゃ!」
「なんだ、そっちか。
どう見たって出来損ないであろう?
女王のくせに我儘しか言わない。
部下を困らせる。
国民の心配もしない。
部下や国民を守ろうともしない。
これで、貴様はちゃんと女王をしてると言えるのか?
先代の王や女王に誇れるのか?
我から見たら、貴様はただの子供だ。
もっと女王らしくしたらどうだ?」
「わ、妾は子供ではない!
もう50じゃ!
年齢で言ったらお主のほうが子供じゃろ!!」
「だったら、もっと大人になったらどうだ?
傍から見たら、貴様はまだ5歳児くらいにしか見えない。
もっと年相応の振る舞いをしたらどうだ?」
「うう・・・。
わ、妾だって本当は女王などなりたくなかった!
親が偶々王であっただけで、皆が囃したてるから・・・。
両親に何も王について教えられぬまま、死別しそのまま女王にされたのじゃ!
妾はただのんびり、豪勢で優雅な生活をしたいだけじゃ!」
最後クソ発言したな・・・。
「女王様!
しかし。エルフの昔からの掟で王は血族でないとなれないのです!
つまり、貴女様しかいないのです!
何度も説明したでしょう!」
「そんなもの知らぬ!
やりたくないものはやりたくないのじゃ!」
「だったらさっさと結婚して子供に継がせればいい。
そうすれば、王の血も途絶えることもなく貴様は王の親として今まで通りの生活ができるであろう?」
「そ、それじゃ!!
その手があった!!
じゃあ、妾は早速結婚して子を生むぞ!」
「そんないきなり!
先ずは相手を探さないと!」
「相手か・・・
神の使者、お主はどうじゃ?
妾と結婚せぬか?」
「はぁぁぁぁ!?
何言ってるのよ!
この小娘!
ご主人様は私の夫なの!
貴女みたいなお子様にご主人様は興味ないわよ!」
まあ、女王のおっぱいには興味あるがな。
「そうだよ!
そうだよ!
ご主人様は私の旦那さんなんだから取らないで!」
「タナトス様はぁミーナのおっぱいが大好きなんですぅ!
貴女のペチャパイじゃ満足しないですぅ!」
「タナトスは私にゾッコンなの。
貴女はいらないわ!」
「タニャトスはあたしの猫耳が大好物にゃ!
耳が尖ってるお前には興味にゃいにゃん!」
「タナくんはルーシーちゃんとラブラブなの☆
残念だったね★」
ここぞとばかりに嫁アピールするハルトガールズ!
「うう・・・神の使者にはこんなに嫁がいるのか・・・。」
「女王様!
神の使者様は人間です!
人間とエルフでは子供は生まれませんよ!」
「そうなのか・・・
じゃあ、誰と結婚すればいいのじゃ!」
「知り合いに男はいないのか・・・?」
「ひ、一人いるが・・・。」
「それはならぬ!
やつは妾の城を奪ったのじゃ!
もうあいつとは絶交なのじゃ!!」
絶交って・・・子供かよ!
「女王様の知り合いと言うのは、今城を占拠しているオルフェノスと言う者です。」
「ダークエルフか?
何故ダークエルフと知り合いなのだ?」
「オルフェノスは小さい頃からの知り合いじゃ・・・。
両親はオルフェノスの両親と親交があったからの・・・。
だから、小さい頃から知っておる・・・。
妾の数少ない友であった・・・。
しかし、一年前・・・
突如として妾の城を奪ったのじゃ・・・!」
「理由はわからないのか?
貴様がそいつに我儘言ったとか。」
「両親が死んでからは一度も会っておらん!
だから、分からぬのじゃ!」
「じゃあ、そいつに会って聞いてみるか。」
「へ?」
「相手にも理由があるかもしれないだろう?」
「しかし・・・オルフェノスは強い・・・。
妾が行ったところでやられてしまうに決まってる!
妾はまだ死にたくない!!」
「たかがダークエルフだろ?
我が行って聞いてきてやろう。」
「本当か!?」
「我は神の使者、タナトス。
困っている者を助けるのが使命だ。」
「あ、ありがとうございます!
神の使者様がいれば怖いものはありません!!」
「行くなら最初から素直に行ってくれれば・・・。」
ごちん!!
「ギャァァァ!
4回目!!」
「なんか言ったか・・・?」
「いえ、何でもありません・・・
宜しくお願いします・・・。」
「今のも女王様が悪いですよ!
オルフェノスはすぐそこの城にいます。
スキあらば城を取り返そうとおもい、ここに留まっていたのですが、スキが無く一年経ってしまいました・・・。
どうか宜しくお願いします!!」
結局、俺達は城を取り戻す為、王城に向かう。
「しっかし・・・あんなやる気のない女王は初めてだな。
あのエリスでさえ、国のことをちゃんと思って行動してるのに。」
「あの女王の為に動くのはなんか癪に触るわね。」
「まあ、他の皆の為と思って頑張ろー!」
「3回殴らてざまあみろですぅ!」
「旦那様は女でも容赦ないわよね・・・。
私も何回殴られたか・・・。」
「それはソフィーにゃが悪いにゃん!」
「それにしてもなんでオルくんはお城を取ったのかな?」
「それだな。
何か理由があるのか・・・。
もし、下らない理由であればボコボコにしてやろう。くっくっくっ・・・。」
「拷問はやめてね?」
「は?なんでだ?
いいじゃねえか。」
『良くない!!』
一斉に責め立てられるハルト。
「忘れたの!?
またあのご主人様が出ちゃうでしょ!!」
「あー、いいんじゃね?
また戦えるし!」
「ご主人様が良くても私達が嫌なの!」
「タナトス様はぁ戦闘ばかですぅ!」
「化け猫って言われたにゃん!」
「私は魔族のなりそこない・・・
生き恥とも言われたわ・・・。」
「私はキャバ嬢のなり損ないだってー★
キャバ嬢ってなんだろ?」
ちっ!
折角戦えると思ったのに・・・。
そして、俺達は王城にたどり着く。
「この中にダークエルフがいるんだな。」
俺たちが城の門を潜ろうととすると・・・。
「貴様!何者だ!!」
茶色い肌のエルフが弓矢を構え、立っている!
今日、3回目だな。
「我は神の使者、タナトス・・・。
ダークエエルフ共を殲滅する者だ・・・!」
続く・・・。
本日もお読み頂きありがとう御座います!
エルフの寿命は300年。
なので、女王は人間で換算すると16〜18くらいでハルトと同じくらいです。
女王は先代が250歳くらいで出来た子なので、滅茶苦茶甘やかされて生きてきました。
なので、怒られるのも殴られるのもハルトが初めてで、ハルトをかなり恐れています。
因みに、女王は余り創造神に対して信仰心はないです。