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第118の宴 エルフの女王

「実は・・・

このエルフ島に私達、エルフとダークエルフが住んでいるのでいて、私達はお互い島の半分を領地として暮らしていたのです。

お互い干渉し合わず、唯一のルールはお互いの領地に入らないと言うことでした。

しかし、一年前。

突如としてダークエルフ達が私達の領地に攻め入り、あっという間に私達は領土を奪わられ、各方面に追いやられてしまいました・・・。」

「何故、ダークエルフ達はお前たちの領土を奪ったのだ?」

「・・・わかりません。

何の前触れもなかったですし、我らの領土を奪っても得することはないのですが・・・。」

「お前たちは抗うことはできなかったのか?」

「俺達エルフとダークエルフでは力の差が・・・。

俺達の領土のモンスターはFランク、Eランクと弱いモノばかり・・・

それに対して、ダークエルフの領土のモンスターはAランク、Bランクと強いモンスターだらけ。

ダークエルフ達はモンスターの肉を主食としています。

それ故、俺達とのレベルの差が歴然。

俺達に勝てる要素はないのです・・・。」

「そうだな。

お前たちを鑑定眼で見たが、強くてもレベル20。

お前達みたいな雑魚が勝てる見込みはないな。」

「うう・・・何も言い返せません。」

「それで・・・

お前達の王はどこだ?

領土があるなら王か領主がいるはずだ。」

「・・・女王様の居場所はわかりません・・・。

このエルフの領土にいることは間違いないのですが・・・。」

「何故分からないの?」

「先程も言いましたが、仲間たちは各方面にバラバラに逃げ出しました。

私達は女王様の部隊とはぐれてしまい、ここに身を隠しています・・・。

なので、正確な場所までは・・・。」

「そうか・・・。

女王なら何か原因が思い当たると思ったのだがな・・・。

仕方ない。

お前たちを女王の所に連れてってやろう。」

『へ?』

「タナくん★

女王の場所わかるの??」

「八咫烏に案内してもらう。

それなら確実に女王の元にたどり着くだろ?」

「なるほど☆

カラスちゃん優秀だもんね★」

エルフの女王か・・・。

嘸かし、美人なんだろうな。

是非会いたい。

「じゃあ、俺達が女王を探してきてやる。

お前たちはこの村で待っていろ。」

「流石は神の使者様だ・・・!

どうか宜しくお願いします!」

皆が俺に土下座をする。

「ああ。

任せておけ。」

そう言って、俺達は村を出る。


《八咫烏の導き!!》

ハルトの前に黒い鳥が現れる。

「悪いが、また頼む。

俺達をエルフの女王の所に案内してくれ!」

〈ガァァァァァ!!〉

そして、俺達はまた森を進む。

森を出た後、また車に乗り込む。

今度はフェンリル達も無理矢理車に押し込める。

凄い嫌がっていたが、無駄な体力は使わせたくないからな。

我慢してくれ。

そして、助手席じゃんけんはティナが勝ち取る。

「にゃにゃにゃにゃーん♪

タニャトスとデートしてるみたいにゃん♪

楽しいにゃん♪」

ティナと会話をしながら走っていると・・・

「にゃんか、疲れちゃったにゃん・・・

タニャトスに膝枕してもらうにゃん♡」

そう言うと、いいよとも言ってないのに勝手に俺の腿に頭を乗せ始めるティナ。

『その手があったかァァァァァァ!!』

後ろで叫ぶハルトガールズ。

「全く・・・。」

と言いながらも俺はティナの猫耳をモフモフする。

「にゃん♡

そこは敏感にゃ所にゃ♡

駄目にゃー♡」

「ちょっとティナ!

いやなら早く頭を退けなさいよ!」

「それはもっと嫌にゃ〜ん♡」

「くっ!羨ましい!!」


そんなこんなで2時間程走り、また森に到着する。

ん?あの城は何だ?

「あのお城はエルフの城みたいよ。

城の近くに隠れてるなんて意外と度胸あるわね。」

いつでも奇襲をかける準備でもしているのか?

森を進むと八咫烏が止まる。

〈目的地到着〉

「ここか・・・。

また結界が張ってあるな。

八咫烏、ありがとう。

また頼むぞ。」

〈ガァァァァァァ!!〉

八咫烏は空に羽ばたいていく。

「よし、入るぞ。

また襲いかかってくるかもしれない。

気をつけろよ。」

そう言うとハルトは中に入る。


中には先程と同様、村のようなモノがあった。

「何者だ!!」

見張りのエルフが弓矢を構えて問いただす!

さっきと同じパターンだ!

「我は神の使者、タナトス。

貴様らの仲間に頼まれて女王に会いに来た。」

「我らの仲間だと・・・!?」

「そうだ。

貴様たちと同じように森の中に隠れていた。」

「しょ、証拠はあるのか!?」

「証拠はある。

ミーナ、空間魔法を頼む。」

「はいですぅ!」

ミーナは空間魔法を展開する。

中にハルトが入り、先程のエルフ達を連れてくる!

「お、お前たち・・・!

無事だったのか・・・!」

「兵士長・・・!

探しましたぞ・・・!」

え?こいつ兵士長なの?

「この人間とは知り合いなのか・・・?」

「この御方は紛れもなく神の使者様です!

あんなに神々しい創造神様の像を創れるのは神の使者様のみ!」

「創造神様の像・・・?」

「こちらです!」

何人かのエルフが俺が創った像を運んでくる。

運ばれた像を見た兵士長は直様膝をつき涙を流す・・・。

「おお・・・!

なんて神々しいのだ・・・!

我らが造ってもこんな神々しい物はできない・・・!

神の使者と言うのは本当なんですね・・・!

無礼をお詫びします・・・!! 

申し訳御座いませんでした!!」

俺に土下座する兵士長!

この像、そんなにすごいのか・・・?

「まあ、分かれば良い。

さあ、さっさと女王に会わせろ。」

「はっ!

こちらで御座います。」

兵士長に連れられ、俺達は一際大きな家へ案内される。

エルフの女王ってどんな感じなんだろう・・・。

きっと聡明で毅然とした美しい人なんだろうな。

ハルトが理想のエルフ女王を思い浮かべる。


そして、女王の部屋に通される。

そこには・・・

「うわぁぁぁぁん!

もう嫌じゃ!こんな生活!!

なんで妾がこんなところに住まなきゃならぬのだー!!

全部、オルフェノスのせいじゃぁぁぁあ!!

うわァァァァァァん!!」

「女王様!

落ち着いてください!

子供みたいな駄々をこねないで下さい!」

「うるさいのじゃ!!

さっさと王城を取り返して来るのじゃ!!」

「そんなこと言われましても、相手はあのオルフェノスですよ!?

私ではとても・・・!」

「あの・・・」

「何じゃ!ルーン兵士長!

妾は我儘言うので忙しいのじゃ!」

一部始終見ていたハルトの中の理想のエルフ女王が脆くも崩れ去った・・・。

なんだ、あれは・・・?

美人でスタイルも抜群。

おまけに推定Fカップ。

なのに、中身は子供・・・。

どこぞの名探偵の逆バージョンかっ!!

「申し訳御座いません!!

女王様にお会いしたいと神の使者様が遥々来てくださいました!」

「神の使者ー?

何じゃそれは!」

「我らが信仰している創造神の使いの者ですよ!

この方は紛れもなく本物です!」

「それはまことか!?

では、神の使者よ!

妾をあの城に戻してくれ!」

「・・・は?」

「だ〜か〜ら〜!!

妾を城に戻すのじゃ!!

ここは窮屈で敵わん!!

神の使者ならそれくらい出来るであろう!!」

その言葉を聞くとハルトは女王の元に歩き出し・・・


ごちぃぃぃん!!


「ギャァァァ!!

な、何をするのじゃ!!

痛いのじゃァァァァ!!

うわァァァァァァァァァァァん!!」

号泣する女王。

「貴様!!

女王様に向かって何をする!!」

剣を構えるエルフの女騎士!

「このクソ女王にムカついたからに決まってるであろう・・・?」

「クソ女王・・・!?

て、訂正しなさい!!

さもないと・・・!」

「さもないと何だ・・・?

まさか貴様如きが我に制裁を食らわせるとでも言いたいのか・・・?

ダークエルフ如き倒せない貴様が我に敵うとでも思っているのか・・・?」

「そ、そんなのやって見なくてはわかりません!!」

「やらなくても分かる・・・。

貴様のレベルは32。

我のレベルは200以上・・・

どう足掻いたら我に勝てると思ってるのだ・・・?」

「レベル200!?

そんな馬鹿な!!」

「馬鹿は貴様だ・・・。

相手の力量も分からないのに剣を構える・・・。

我がその気になれば貴様は既に斬り刻まれているぞ・・・?

こんなふうになァァァァァァ!!!」

ハルトはアイテムボックスから真・覇王幻影剣を取り出し・・・


スパッ!スパッ!スパッ!スパッ!スパッ!スパッ!スパッ!!


女騎士の剣を細切れにする!!

「わ、私の剣が・・・!」

余りの衝撃に腰を抜かしてしまう!!

ハルトは女騎士に剣を向け、言い放つ。

「これが我と貴様の力の差だ・・・。

我はいつでも貴様の魂を冥界に送ることが出来る・・・。」

「くっ!こ、殺せ!

覚悟はできている!!」

何!?リアル〈くっ!殺せ!〉だと!?

前の世界の冴島くんが泣いて喜ぶセリフではないか!!

まさかこの世界で聞けるとはな!!

「ま、待つのじゃ!!

サブリナを許すのじゃ!

サブリナは妾の1番の理解者なのじゃ!

頼む!!」

サブリナの前に出て庇う女王!

「じょ、女王様・・・!」

サブリナは女王の言葉に涙する・・・。

「誰が殺すと言った・・・?

我は神の使者。殺しなどしない。

その愚かな女騎士に我との格差を見せつけてやったまでだ。」

そう聞くと、女王はホッとする。

「そもそも、貴様のせいで貴様の部下は死にかけたのだ・・・。

貴様がもっと女王らしくしていれば、このような事は起きなかった・・・。

1番反省しなくてはいけないのは貴様だ・・・。」

「貴様、貴様って・・・

妾は女王だぞ!!

もっと言葉使いに気を使え!!」

「・・・何故我が女王如きに気を使わなければならない・・・?

我は神の使者だぞ・・・?

我は貴様より位が上だ・・・。

気を使わなければならないのは貴様の方であろう・・・?」

「妾はまだお主が神の使者だと認めておらぬ!!」

「女王様!!

この方は本当に神の使者ですぞ!!」

「うるさいのじゃ!!

今、妾が此奴を鑑定する!!

それで全て分かるのじゃ!!」

「ほう・・・鑑定ができるのか・・・。

面白い。

我を視るといい!」

「言われなくてもするのじゃ!」

《鑑定!!》

女王は両手の親指と人差し指で四角を作り、ハルトを鑑定する!

「フッフッフッ・・・

これでお主の嘘を・・・え・・・嘘じゃ・・・

な、何じゃこのステータスは・・・!?

創造神の加護もあるのじゃ・・・!

ちゃんと神の使者と・・・しかも、数え切れぬほどのスキル・・・!」

「どうだ・・・信じたか・・・?」

「・・・はい。

我儘言ってすいませんでした・・・。」

『女王が謝ったァァァァァァァ!?!?!?』

ルーンとサブリナが口を揃えて驚く。

無理もない。

今まで我儘三昧だった女王。

その女王が生まれて初めて謝ったのだから・・・。 


こうして神の使者だと信じてもらえたハルト。

ルーンとサブリナはハルトのステータスが物凄く気になるのであった・・・。





本日もお読み頂きありがとう御座います!


最初に会ったエルフ達は無事に女王の部隊に合流できました。

因みに他にも逸れたエルフは沢山います。

皆、森に結界を張って身を隠しています。

ダークエルフには結界を見抜く力はないので、襲われずに済んでいます。


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