第116の宴 二人の愛の巣
人間界と獣人界を繋ぐ線路を創るため、人間界との距離が1番少ない海に来ている俺達。
「ここからでも人間界が見えるな。
ここにしよう。」
「ねえ、タナくん★
どうせなら飛んであっちまで行かない?」
「飛んで?
空をか?」
「うん☆
ルーシーちゃんのスキルで皆を飛ばして上げるよ★」
「にゃにゃ!?
それはいいにゃん!
あたしも飛びたいにゃん!」
「私も飛びたいわ!
タナトス!いいでしょ!?」
「まあ、確かに興味はあるな。」
「私達は妖精モードになるわよ!
どうせなら飛んで行きましょうよ!」
「レナちゃんたちもどうせならその姿で飛びましょ★
妖精になったらルーシーちゃん見えないし☆」
そう言ってルーシーはレナに触る。
するとレナが宙に浮かびだす!
「ちょっ、ちょっと!
いきなりやらないでよ!!」
「わあ!ホントにお姉ちゃんが空飛んだぁ!!」
「ミーナも飛びたいですぅ!!」
「あたしにもやってにゃん!!」
「私も飛びたいわ!!」
「ガウガウ!」「キャン!」
「はいはい★
皆触るよー☆」
ルーシーは全員に触り、全員宙に浮く!
「わあい!
羽も無いのに飛んでる!!」
「羽がないのに飛ぶなんて不思議な感じですぅ!」
「初めて空飛んだにゃん!
すごいにゃん!!」
「頭の中で考えた通りに飛べるよ☆」
「ホントだわ!!
楽しいわ!!」
くるくる回るソフィーナ。
〈ガウガウ♪〉〈キャンキャン♪〉
フェンリル達もスイスイ犬かきをするように飛び回る。
なんか可愛いな。
「地面に足がついたらもう飛べなくなるよ☆
あと、効果は1時間★
それを超えちゃうといきなり落ちるから気をつけてね☆」
一時間か・・・
まあ、充分だ。
早速、線路を創ろう。
《クリエイトアイテム!!》
最初の線路が現れる!
そして、そのままハルトは人間界に向かって飛び続ける!
次々と線路は繋がっていき、制限時間内に人間界までつなげることが出来た。
「よし、繋げることができたぞ。
後は駅と電車を創ろう。」
《クリエイトアイテム!!》
先ずは駅がでで~んと現れる!
海の上に線路を創った為、獣人界と同様に高さをつけている。
その為、駅も二階建てだ!
後は電車だな。
獣人界のものよりスピードは早めでいいな。
線路は真っ直ぐしかないからカーブの心配もない。
止まるときだけ気をつければ大丈夫であろう。
《クリエイトアイテム!!》
まるで新幹線のような電車が目の前に現れる!
「わあ、なんか獣人界の電車と違うね!」
「なんか芋虫みたいな感じねぇ・・・?」
「顔があるみたいですぅ!」
新幹線なんてそんなもんだ。気にするな。(←ハルトの偏見)
この電車は獣人界のものよりスピードが出る。
その為、プレーキも強めに設定。
後は乗ってみて調節しよう。
もう片方側にも駅を創り、これで完成。
そして、俺達は王城に戻る。
「人間界と獣人界を繋ぐ電車は完成した。
あとは各領主の街に施設を創る。」
「ご主人様、先ずは何処から創るのかしら?」
「流石に一つ一つ創っていては時間がかかるからな。
分身することにする。」
「成程!
それなら時間も節約できるね!」
「ミーナも分身して付いて来い。
行きは仕方ないから車で行くが、帰りは空間魔法で戻りたい。」
「了解ですぅ!」
(タナトス様を独り占めですぅ!
タナトス様をミーナにメロメロにするチャンスですぅ!)
そして、分身した俺とミーナはそれぞれ確率を領主の街に向かっていった。
「じゃあ、俺達は王都に戻ろう!
エリス、全ての街の施設が利用できるようになるまで多分一ヶ月程かかる。
それまでに各街までの移動手段や宿をどうするか等、しっかり決めておいてくれ。
わかったな?」
「わかりましたわ。
じゃあ、早速王都に・・・。」
なんか付いてくる気満々のエリス。
「は?何いってんだ?
お前は来なくていいぞ?」
「えぇぇぇぇぇぇぇ!
酷いですわ!!
せっかく会えたのにもうお別れなんて!!」
「お前にはやることがいっぱいあるだろうが!!」
「今日一日くらいいいじゃないですか!!
明日から頑張りますわ!!」
「いや、今日から頑張れよ。」
「嫌ですわ!!
絶対に付いていきますわ!!」
面倒くせぇぇぇぇぇ!!
「あのなぁ・・・別に王都に遊びに行くわけじゃないぞ?
王都で一仕事終えた後、行くところがあるんだ。
だから、お前は付いてこなくていい!」
「酷いですわ!!
こんなに愛しているのに!!」
くっ!こうなったら・・・
《クリエイトアイテム!》
沢山のギャル系ファッションの洋服が現れる!
「わぁぁぁぁぁい!!
お洋服いっぱいですわァァ!!」
「今だ、ミーナ!」
「はいですぅ!」
ミーナは空間魔法を展開する!
「今のうちに逃げるぞ!」
俺達は素早く空間の中に入り、逃げることに成功した!
「どれ着ようか迷っちゃうわぁ♡」
それから一時間以上逃げられたことに気づかないエリスだった・・・。
王都の外に空間移動してきた俺達。
「ふう・・・なんとか逃げれたな。」
「エリスったら付いてこようとするなんて図々しいわ!」
「ちょっと可愛そうだけどね。」
「あいつが居たらこの後どこもいけないだろ?」
「このあと何処かに行くにゃんか?」
「人間界が発展するまで一ヶ月程かかるからな。
違う大陸に行こうと思う。」
「いいね★
ルーシーちゃん、行ったことない場所に行ってみたいな☆」
「到頭行くのね!楽しみだわ!」
「俺もだ。
だから、さっさとここに新しい店と工房を創って次に進むぞ。」
『了解!!』
「では早速・・・」
《クリエイトアイテム!!》
王都の入口より少し離れた場所に大きな建物が現れる!!
洋服屋2件分に大きな工房。
2階は作業所。
今までの3倍の大きさ。
そして、3階は温泉にシルビアとボルトンの家。
なんとエレベーターつきだ!
エレベーターは風の魔石によりボタンを押すと上下に行けるようにしてある。
「ロリータの店とギャルファッションで店を分けてみた。
ボルトンの工房も今よりかなり使いやすくなったはずだし、二階の作業所は今の3倍の広さだ。
ミシンも増やしたし、これなら文句無いだろ。」
「正にいたれりつくせりね!」
「早速運ばなきゃだね!」
「そうだな。
引っ越しが済んだら、買い出しだな。
旅の支度を整えよう。」
『了解!』
〈ガウガウ!〉
「肉を沢山買ってくれ!って言ってるよ!」
「そうだな!
金もあるし、滅茶苦茶買ってやる!」
〈ガウ♪〉
そして、俺達は引っ越しの手伝いをする。
荷物はアイテムボックスに入れれば手ぶらで引っ越しが出来る。
なんて便利なんだ!
シルビアの所とボルトンのとこの荷物をアイテムボックスに入れ、皆で空間移動。
「すっごーい!!
これが新しいお店なのね!!
タナトスやるじゃない!!」
レジーナが新しい店を見て叫ぶ!
「タナトスさん・・・!
こんな凄いお店を頂いてよろしいのですか・・・!?」
「別に無料だしな。気にするな。
まあ、中も見てみろよ。
ロリータとギャルで分けてある。
そのほうが客も分かりやすいと思ってな。」
作業員、販売員が中に入る。
『わぁぁぁぁぁぁ♡♡♡』
「前の店よりかなり広いわ!」
「内装もカワイイ!!」
「タナトスさん!
最高です!!
ロリータとギャルファッションで店の雰囲気が全然違いますね!」
新しい店に満足そうなシルビア。
そして工房へ。
「ウオオオオオオオオオオオ!!
これじゃ!これじゃよ!!
流石はタナトスじゃ!!
これならよりスムーズに仕事がこなせるわい!!」
「ボルトンもこっちで弟子を雇ったらどうだ?
この広さなら二、三人増えても問題ないだろ?」
「確かにそうした方がいいかもしれんのう。
早速雇ってみることにするわい!」
獣人界で弟子を雇って楽しかったのか、素直に話を聞いたな。
そして、2階へ。
「わぁぁぁぁぁぁ!
タナトスさま!!
凄い広いですよ!!
ミシンも増台してあるのでさらに効率も上がりますね!!」
「この職場なら問題ないわね!!」
「流石・・・私の・・・旦那様・・・♡」
コリンがいつものようにくっついてきて腕を胸に挟む。
コリンのこういうところがとても好きだな。
もっとおっぱいをくっつけていいんだぞ?
「荷物を出すぞ。
皆で整理しよう。」
『はーい!!』
ハルトは引っ越しの荷物を作業所、店内、工房にそれぞれ出す。
「あと、シルビアとボルトンの家は3階にある。
温泉も3階だ。」
「つ、遂にシルビアたんもの愛の巣が・・・!」
「遂に同棲スタート・・・!
ボルトンさん・・・これから宜しくお願いします・・・♡」
「お、おう!
毎日仲良くくらすぞい!!」
「はい♡」
二人共お幸せに・・・。
皆が店の引っ越しをしている間に俺達は買い出しへ。
いつもの肉屋で店買いしたり、野菜も大量に購入。
道具屋で薬等も買い漁る。
「よし、準備は整ったな!
じゃあ行くか!」
「へ?皆に挨拶しなくていいの?」
「したらまた面倒くさいことになるぞ?」
「まあ、永遠の別れじゃないもの。
あの四人に泣かれるよりいいでしょ!」
そして俺達は海に向かった・・・。
本日もお読み頂きありがとう御座います!
人間界と獣人界の交友は一先ず置いといて、新たなる旅に入ります!
これからもどうぞ宜しくお願いします!