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中二病に与えてはいけないスキル~中二病を拗らせた俺がもらったスキルは最強だった~  作者: 桜瑞歌
第11章 繋げ!人間界と獣人界の絆〈前編〉
114/133

第114の宴 獣王の母親

ショッピングモールがオープンして一週間が経った。

相変わらずの大盛況で、ショッピングモールは賑わっている。

この一週間で起きたことと言えば、ミミの母親ララが調子に乗った事件だろう。

あれはオープン2日目だった。

初日、ララは卒倒して仕事ができなかった。

そして2日目、出勤してきたララは物凄く派手な格好だった。

出勤するなり、足を組んで偉そうに座っているララ。

「ちょっと、ララ!

何してるにゃー!

早く服を作るにゃー!!」

「何を言ってるぴょん!

私は獣王の母だぴょん!

皆、頭が高いぴょん!!」

「何言ってるのよ!!

さっさと仕事しなさいよ!!

今日から新作の服に取り掛かるのよ!」

「うるさいぴょん!

獣王の母に指図しないで欲しいぴょん!」

「はぁぁ!?

何よ!偉そうに!!」

「偉そうじゃなくて偉いぴょん!」

「偉いのは貴女の娘であって、アンタは偉くないのよ!!」

「そんなことないぴょん!

獣人の母は最早獣王と同格に偉いぴょん!」

「同格なわけ無いでしょ!!」

「人間界ではそうかもしれないぴょんが、獣王界ではそうなんだぴょん!

つまり、私は偉いぴょん!!

下々の者たちよ!

妾にひれ伏すぴょん!!」


ごちぃぃぃぃん!!!


「ぎゃぁぁぁぁ!!

痛いぴょん!!

何するぴょん!!

妾は獣王の母であるぞ!!

今すぐ牢獄に・・・」

「てめえを牢獄に閉じ込めてやろうかぁぁぁぁ!?」

「ヒィィィィィィィィ!!

タナトス様ァァァァァァァ!?」

ララのあまりの横暴な態度を見かねたコリンが俺を作業所まで連れてきた。

「てめぇ・・・何調子に乗ってんだ・・・?」

「調子も何も獣王の母は偉いぴょん!

だからひれ伏すのは当たり前ぴょん!」

「ほう・・・偉いものにはひれ伏すのが当たり前か・・・。」

「そうぴょん!!

だから皆私にひれ伏すぴょん!!」

「じゃあ、何故貴様は我にひれ伏さない・・・?」

「へ?」

「我は神の使者・・・

我は獣王如きより遥かに上の存在。

何故、我が立っていて貴様は優雅に座ってるのだ・・・?

頭が高いのは貴様のほうじゃないのか・・・?」

「いや、それは・・・!」

「たかが獣王の母親如きが調子に乗りやがって・・・

貴様の漆黒の闇に染まった心を冥界にて煉獄の炎で浄化させる必要がありそうだなァァァァァァァ!!!」

ハルトは掌に炎をまとわせる!!

「ヒィィィィィィィィ!!!!」

「お兄ちゃん!!止めて!!」

ミミが母親の前に立ちはだかる。

アイルがミミを連れてきたみたいだ!

「ミミ!助けてぴょん!!

獣王の権力でタナトス様を・・・!」

「ママもいい加減にして!!」

「ヘ!?」

「私は獣王になったけど、偉くないよ!!

偉いと言うのは、何かを成し遂げた人に言う言葉なんだよ!!

私はまだ何も成し遂げてないし、ママだって何もしてない!!

例え、何か成し遂げたって私は偉そうにはしないよ!!

皆の為に何かを成し遂げるのは獣王として当たり前なの!!

この国に偉そうにしていい人なんかいらないの!!」

「ミミ・・・!!」

「・・・娘に諭される母親の何処が偉いんだろうな・・・。

ララよ・・・。

今日のところはミミの誠意に免じて許してやる・・・。

但し・・・次にまたこのようなことをした場合・・・」

《深淵之奈落!!》

ハルトは山積みにされた洋服に向かってスキルを唱える!

山積みにされた洋服は闇に沈んでいく!!

『ギャァァァァァァァァァァァァ!!!!』

叫ぶララと作業員達!

「ミミがなんと言おうとあの洋服のように奈落の底に沈めるからなァァァァ!!!」

「ヒィィィィィィィィ!!

ごめんなさいぴょん!!

もう、しませんぴょん!!

許してくださいぴょん!!」

土下座して謝るララ。

「これで解決だな・・・。」

「・・・解決なんかしてないわよ・・・」

「は?」

「折角作った洋服を何してくれてんのよ!!

100着以上あった服を・・・!!」

「あ!」

「あ!じゃないですよ!!

これから開店なのにどうしてくれるんですか!!

早く戻してください!!」

「一度闇に消えたものは戻せない・・・。」

「酷い・・・一生懸命・・・作ったのに・・・!」

コリンが俺の胸で泣き出す。

「神の使者様は女の子を泣かせても罪に問われないのですか・・・?」

リースが俺を攻撃してくる!

「うう・・・!」

「どう責任取ってくれるのよ!!

まさか、アンタ自分の店の為に態とやったんじゃないでしょうね!?」

「いや、違うぞ!」

「だったらタナトスのスキルで出してくれるわよね・・・?」

「くっ!」

「神の使者ですもんね・・・。

罪を犯したら、それなりの償いはするわよね・・・?」

「わかったよ!!

出せばいいんだろう!!」

その時、4人の目が光る!

「では、タナトス様!!

この服とこの服、あとこれとこれも・・・あ、これと・・・

全部で十種類・・・

100着づつお願いします♡」

「はあ!?

消した数より多いじゃねえか!

しかも全部新作だろ!?

作るなら消したやつと同じものだろ!?」

「あら?

神の使者様あろうお方がワタクシ達みたいな普通の人間と同じ償い方をするのかしら・・・?

神の使者なのに・・・」

「う!」

「タナトス様は・・・特別な人間・・・だから・・・償い方も特別・・・」

「く!

わかったよ!!

出せばいいんだろ!!」

《クリエイトアイテム!!》

目の前に新作の服が100着づつ出てくる!

サイズも色々ある特別仕様だ!

「これでいいだろ!」

「まだですわ!!」

「は?」

「タナトス様は神の使者であるのにも関わらず女の子を泣かせました。

その罪は洋服を消したことより重いです。

よって、今日一日、私達とデートしてくださいませ。」

「はぁぁぁぁ!?

ちょっとまて!

俺はこれから店で服を・・・!」

「タナトス様は分身できますよね・・・?」

「う!

そ、それにお前たちだって服を・・・!」

「だって今日のノルマは達成したもの!

今日は一日オフね!」

レジーナは俺が出した服を指差す。

「お前たち・・・!

最初からこれを・・・!」

「何のことでしょう?

さあ、罪を償ってください!」

「くっ!」

結局、俺は5人に分身して1人づつデートする羽目になった・・・。


「ああん♡

タナトス♡♡

やっぱり二人きりにのほうが燃えるわ♡♡

もっと奥まで♡♡」


「タナトス様♡

今日一日、ずっと抱いて貰いますからね♡♡

あん♡そこ♡♡

気持ちいい・・・♡もっとください♡♡」


「タナトス様・・・♡

コリンをもっと・・・好きしてぇ・・・♡♡

貴方の・・・子種を・・・私に・・・♡♡」


「あん♡あん♡あん♡あん♡

タナトス様・・・♡激しいですわ・・・♡

もっと・・・私をめちゃくちゃにしてくださいませ・・・♡

ああああああああああ♡♡♡」


ショッピングモールでデートかと思いきや、違う場所で求められるハルトだった・・・。(電車で移動)

その後、レナ達にバレ、滅茶苦茶怒られるハルトだった・・・。


そして、現在・・・。

朝からトランシーバーにエリスから連絡が入る。

〈ダーリン♡

私達の結婚式の日取りが決まったわ♡♡〉


ブチッ!


ハルトは連絡を断ち切る。

そして、直様また連絡があり・・・


〈冗談ですぅぅぅぅぅ!

だから、切らないでくださいませぇぇぇぇぇぇぇ〉

「で、要件は何だ?」

〈実は交友関係を結ぶにあたって、領主たちと話し合いを行って色々話を詰めたのですが、ダーリンにもらった冊子に書いてあるもので、分からないことが多数あって、ダーリンにも会議に参加してもらいたいのですが・・・。〉

「そうか・・・

で、会議はいつだ?」

〈明日です。

ミーナの能力があればすぐ来れますよね?

何なら今すぐ私に会いに来てくださっても・・・!〉

「明日か・・・

まあ、もう一週間だからな。

潮時だな。

分かった。明日王城に向かう。

言っておくが、少しでも結婚とか仄めかしたら直ぐに帰るからな。」

〈そ、そんなこと!し、し、しませんよ!!〉

「動揺しまくってんじゃねえか!

ちゃんと王や兵士達に伝えろ。

じゃあ、明日な。」

そう言ってハルトはトランシーバーを切る。

「さて、じゃあ最後に頑張るか・・・。」


店にて・・・

「今日でこの店を閉めることにした。」

『えぇぇぇぇぇぇ!?』

「なんで急に!?」

「確か10日って言ってなかったかしら?」

「明日急遽王城に行くことになった。

だから、今度は違う作業に取り掛かりたい。

もう一週間経ったんだ。

そろそろ大丈夫だろ?」

「王城って人間界の王城?

ルーシーちゃん人間界初めてだからワクワクするわ★」

「あたしも王城は初めてにゃん!

緊張するにゃー!!」

「あんなところ緊張することなんてないぞ?

兎に角、今日で最後だから沢山売って閉めるぞ!」

『おおー!!』


そして、一日売りに徹し、客から惜しまれながら閉店する。


そして、夜。

応援組とミミ、レオンを集める。

「皆、この3週間本当にありがとう。

明日人間界に帰ることにした。」

『えぇぇぇぇぇぇ!?』

「急じゃな!?

もうここはいいのか!?」

「ああ。

いつまでも俺たちがいたら獣人達が甘えるだろ?」

「それもそうね。

もうあの獣人達もそれなりに作れるようになったし、大丈夫よね!」

「まあ、もうワシがいなくても大丈夫だと思うが、いきなりの別れで寂しくなるのぅ。」

「お兄ちゃん・・・もう会えなくなるの・・・?」

ミミが耳を垂らし寂しそうに言う。

「これが終焉ではない。

我はこれから人間界と獣人界を結ぶために動く。

これが成功すれば何時でも会える・・・。」

まあ、俺は次に行ってしまうけどな・・・。

「ミミと折角仲良くなったから、また会いたい!」

「僕も獣人の方々と仲良くなれたので、いつでも獣人界に来れるようになるのは嬉しいです。」

「二人共、また絶対に来てね!!」

「勿論だ!」

「私達はずっと友達だよ!!」

子どもたちの友情に大人たちはほっこりする。

「明日は皆に挨拶した後、人間界に戻る。

俺達は王城に呼ばれているから、そのまま行く。

シルビア達とボルトンは荷物の整理をしてくれ。」

『荷物の整理?』

「王城から帰り次第、新しく店や工房を創ってやる。

約束だからな!!」

『うわぁぁぁぁ!!』

「遂にシルビアたんと同棲!!」

「ボルトンさんと同棲・・・♡」

『作業場が広くなる!!』

喜ぶ6人!

「あと、シルビア達は人を増やすように。」

「へ?」

「俺達の店の権利をお前に譲る。

これからはお前たちがあの服を作って売ってくれ。」

『えぇぇぇぇぇぇ!?』

「い、いいんですか!?」

「最初からそのつもりだ。

但し、もう暴走するなよ?」

「はい・・・かしこまりました・・・。」

「大丈夫よ!

私達が暴走させないわ!」

「早速作り方を研究しないと!!」

「私は・・・ロリータ専用でいい・・・。」

「そうだな。

コリンはロリータが1番似合うもんな。」

コリンの頭を撫でるハルト。

「・・・やっぱり好き・・・♡」

ハルトに抱きつくコリン。

「ちょっと!ご主人様から離れなさいよ!!」

「そうよ、コリン!

タナトスは私の旦那なのよ!!」

ぎゃあぎゃあ喧嘩するハルトガールズ。

本当に皆集まると煩いな。


「ミミ、レオン。

後は任せたぞ?

いずれ、人間界と獣人会議をする。

その時にまた会おう。」

「・・・うん。」

「ミミ、しょげるな。

タナトスさんは俺たちの為に動いてくれるんだ。

ミミは獣王らしく、この国のために動かないとな。

しょげてる場合じゃないぞ?

タナトスさんに認められた聖女なんだからな!」

「・・・うん!頑張る!

お兄ちゃんも頑張ってね!!」

「勿論だ!」


そして、次の日。

俺達は別れを済ませ、人間界に戻っていった・・・。










本日もお読み頂きありがとう御座います!


その後、ララは皆に謝罪して、いつものように洋服作りに勤しんでいます。

因みに何故デートしたのがバレたかというと、電車で移動しているのを目撃した客がお店でハルトに会い、口を滑らしたためです。

皆ともデートするという約束をして許してもらいました。

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