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中二病に与えてはいけないスキル~中二病を拗らせた俺がもらったスキルは最強だった~  作者: 桜瑞歌
第11章 繋げ!人間界と獣人界の絆〈前編〉
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第113の宴 3人集まれば文殊の知恵

俺は服屋に急ぐ。

服屋のあたりではかなりの女性客が並んでいる。

俺の服屋の方がやや多いか?

やはり、獣人界ではギャル系ファッションの方が人気らしい。

俺の狙い通りだ。

「ご主人様!

やっと来た!!

早く洋服出してくれないと無くなっちゃうよ!!」

「分かった!

今出す!!」

《クリエイトアイテム!!》

目の前に沢山の洋服が現れる!

「よし、皆で並べるんだ!」

『了解!!』

ハルトガールズが慌ただしく服を並べる。

俺が無限に服を出せるため、販売制限は出していない。

その為、獣人達の買い方がえげつない。

あんなに沢山並べた服が直ぐに無くなってゆく。

俺はどんどん服を創りだす。

創るたびに売れていくので切りが無い。

どんどん減っていく俺のMP。

「客の列はどうだ?」

「まだまだ凄い並んでるわ!」

「閉店までにぃ入りきらないかもですぅ!」

「こんなにするなんてルーシーちゃん聞いてないわよ★」

「やっぱり制限するべきだったにゃん!」

「だめだ。

制限なんてしてたらあいつらを完膚なきまでに叩きのめせないだろうがァァァ!!」

「だからと言ってこれじゃあ・・・。

あんたの魔力だって・・・!」

「大丈夫だ。

この為にエリクサーを用意している。

まだまだ出せるぞ。」

「でも、今日はまだ初日だよ?

これ毎日続けるの?」

「そんなわけ無いだろう?

この店は一週間で閉める予定だ。」

『へ?』

「我は神の使者だぞ・・・?

こんなところに一生いられるわけないだろう?

シルビア達の無力さを思い知らせたら、我は満足だ。

我は使命に従い、次に旅立つ。」

「じゃあ、この服はもう・・・」

「今回限りだ。

きっと、どっかの誰かが引き継いでくれんだろう。」

「うふふ、最初からそのつもりだったのね。」

「さて、無駄話はここまでだ。

客を待たせている。

今日踏ん張れば明日は少しは楽になるはずだ。

大変だろうが、がんばってくれ!」

『はい!』


一方、シルビアの店では・・・。

「うう・・・流石はタナトスさん・・・

大盛況です・・・。」

「うちの客があっちにどんどん流れていますわ・・・。」

「タナトス様のお店は制限なしで買えるからね・・・」

「あのスキルは反則よ!!

ワタクシたちは一人一着しか売れないのに、あっちは無限に出せるんだもの!!」

「流石タナトス様・・・素敵・・・♡」

「そんなこと言ってる場合じゃないでしょう!!

皆であんなに頑張って作ったのに・・・!

結果がこれではあんまりだわ!!」

「しかし、これが現実です・・・。

タナトス様が言う通り、いつかはこんな日がきたんです。

私は知らぬ間に調子に乗っていたんです。

一日2、3着しか売れなかった私の店が今では連日売り切れの繁盛店。

タナトスさんの言う通り、私が書いたデザインは絶対に売れると思ってました。

そんな私に喝を入れてくれてるんです。

頑張って作ってくれた皆さんには申し訳無いですが、私はこれを受け入れます。」

『店長・・・。』

「くっくっくっ・・・

ここまでしないと気づかないとはな。」

『えっ!?』

5人の後ろにはハルトの姿が・・・!  

「な、なんでタナトスがここに!?」

「今お店にいましたよね!?」

「まさか・・・私に・・・会いに来たのですね・・・♡♡」

ハルトにピッタリくっつくコリン。

いいぞ!もっとおっぱいを寄せ付けるんだ!

「コリン、今はそんなこと言ってる場合じゃないでしょう!」

「お前たちの敗因は制限をかけたこと。

まあ、我のようにスキルで出せる訳がないからな。

限界はあるがな。」

「そうよ!

そんな無限に作れるわけないでしょ!!」

「無限ではなくてもあと3倍は作れたはず。」

『3倍・・・!?』

「流石にそれは無理です!」

「絶対に・・・できない・・・。」

「簡単に言わないで!!

皆がどれだけ苦労したか知らないくせに!!」

「いや、作れた。

作れなかったのはお前たち3人のせいだ。」

『え!?』

「シルビアばかりが自分を責めているが、お前たちは悪くないのか?」

「ど、どういうことよ!

私達はデザイン通りに・・・!」

「ただ作っただけだよな?」

「え!?だって私達は作業員ですし・・・。」

「ただ作るだけならウォーレン一人で事足りる。

お前たちより優秀なスキルを持っているんだからな。」

『うう・・・』

「だが、ウォーレンよりお前たちの方が優れていることがあるであろう?」

「優れている・・・こと・・・?」

「ウォーレンは作ることしかできない。

ましてや、あいつは男。

ぶっちゃけ洋服なんかに興味はない。

逆にお前たちは女性だ。

この世界の女性は特にファッションに興味津々だ。

ウォーレンなんかより、ファッションセンスはあるだろう?」

「そりゃ、あんな子供よりはあるわよ!」

「だったら、そろそろ作るだけではなく、シルビアに意見を言ったらどうだ? 

本当は言いたいことあるだろう?

シルビアばかりにデザインを任せるからこいつが暴走するんだろう?

お前たちがこいつに意見を言ってれば、もっと作りやすく、いいデザインの服ができたんじゃないか?」

『わ、私達が・・・』

「それはリースにも言える。」

「わ、私もですか・・・?」

「お前が1番客の声を聴けるはずだ。

客がどう思っているか、どんな物を求めているか。

それをシルビアに伝えることくらいできたんじゃないか?

ただ売るだけなら、お前よりリリ一人いれば充分だぞ?」

「うう・・・!」

「お前たち・・・この店が好きなんだろ?

だったらこの店を皆で作るべきであろう?

担当の垣根を超えて、今こそ皆でこの店を良くするべきではないか?

そうでもしないと、この店に未来はないぞ?」

『担当の垣根を超えて・・・』

「例えば・・・」

《クリエイトアイテム!》

出てきたのは一着の服。

パッと見はロリータだが、とてもシンプルな服。

「これならどのくらいの時間で作れる?」

「今の私達であれば然程時間はかからないかと・・・。」

「そうだよな。

この店にはこういう服があってもいいんじゃないか?

ロリータにみえるが、シンプルで作りやすい。

こういうのを求めている客もいるんだぞ?

現にうちの店で買っている客は派手なものよりシンプルな物を買う客が多い。

何でも派手にすればいいってもんじゃない。

お前たちだって作業するときは腕まくってんだろ?

デザインはいいが、袖が邪魔だと思ってるんじゃないか?

まあ、俺はお前たちの作る衣装の方が好きだが、誰しもが好きなわけではない。

もっと客のことを考えた服を皆で作ってみてはどうだ?

そうすれば、お前たちの服はさらに売れる。

お前たちの店はこれからだろう?」

「うう・・・確かにその通りだわ・・・。

ワタクシはただ作って満足していたわ・・・。」

「私達がデザインを考えてもいいんですか・・・?」

「それなら・・・色んなアイディア・・・ある・・・。」

「コリン・・・それは本当ですか・・・?」

「私・・・店長のデザイン好きだから・・・よく家で真似して・・・描いてる・・・。

でも・・・店長みたいに・・・派手なのは・・・思いつかなくて・・・タナトス様が出してくれたような・・・デザインなら・・・いっぱいある・・・。」

「コリンは何故、そのデザインになったんだ?」

「作りやすくて・・・動きやすい・・・をイメージしてたら・・・自然と・・・」

「書いてみろ。」

「うん・・・。」

コリンがデザインを書き上げる。

するとそのデザインはシンプルなワンピースだが、ロリータの特徴を掴んだかわいいデザインであった。

「確かに可愛くて、シンプルで、作りやすそう・・・」

「何か言いたいことはちゃんと言え。」

「わ、わかりました。

ここに大きなリボンがあったらもっといいかと・・・!」

「確かに・・・!」

「スカートの裾にレースをつけたらどうかしら?

レースつけるくらいならそんな難しくはないわ!」

「さらに・・・可愛く・・・なった・・・!」

「3人とも凄いです!!

みんなの意見が1つの素晴らしい服になりました!!」

「これなら普段来ても可愛いし、動きやすいですわ!」

「いいか?

俺は決してシルビアのデザインが悪いとは思わない。

むしろ、みんなに着てほしい。

だが、それは俺個人の意見であって、皆がそうは思っていない。

これからはシルビアのデザインを元に3人の意見やリースが客から要望を聞き、その要望を叶えたデザインを皆で作れ。

そうすれば、もっと大量の服も作れるし、売上も上がる筈だ。」

「タナトスさん、貴方は私達にそれを教えるためにわざとお店を出したのですね・・・。」

「は?違うぞ?」

『へ?』

「調子にのっているお前たちを完膚無きまでに叩きのめすために決まってんだろう?」

『えぇぇぇぇぇぇ!?』

「くっくっくっ!

今やうちの売上はお前たちのところの3倍・・・。

貴様らが我の店に勝つことはない!!

我らの勝ちだな!!

あーはっはっはっはっはっはっ!!」

「くっ!性格最悪だわ!!」

「そんなタナトス様も・・・素敵・・・♡」

「素敵なのかなぁ・・・?」

「しかし、何も言い返せませんわ・・・!」

「じゃあ精々苦しみながら売るといい!

我は分身を使わないといけないくらい忙しいからな。

これで失礼する!」

そう言ってハルトを店を去る。

「きぃぃぃぃぃ!!

リース!

何が何でも全部売るのよ!!」

「え!?

全部はちょっと!」

「明日からのが無くなっちゃうよ!!」

「アイル、コリン、店長!

早速新しいデザインを考えて作るのよ!!

タナトスなんかに負けてたまるもんですかぁ!!」

「まって、レジーナ!」

「直ぐに・・・熱くなる・・・。」

「まあまあ、さあ!

皆で考えましょう!!」

こうして、三人は新たなるデザインを考え、服を作り始めるのであった・・・。


そして、ハルトは周りの店を確認しに行く。

やはり、子供にはおもちゃ屋が人気だな。

おもちゃ屋では男の子ようにチャンバラが出来る武器や防具。

女の子ようにお人形やドールハウス。

また、リバーシなどゲームも売り出している。

この店は売り切れ御免で増やすことはしない。

これから毎日開く店だからな。

今日全員に渡ってしまったらこれからお客さんが減ってしまう。

買えなかった子供達には悪いが、これもこの施設を盛り上げるためだ。

許せ。


そして、どこも大盛況のお店を回りつつ、温泉にたどり着く。

温泉は特に女性客に人気だ。

温泉の前に看板でアピールしたのが功を奏したのであろう。

看板には女性が喜びそうなことが書いてある。

〈温泉に入って貴女も髪の毛つるつる!

お肌スベスベ!

貴女の肌が十歳若返るかも!!〉

まあ、嘘は書いてないな。

それを見た獣人達がこぞって並ぶ。

並んでいる横を利用した獣人が通り、サラサラな髪や綺麗になった肌を見てうっとりしている。

「ルーシア、どうだ?」

「あら、タナトスさん!

温泉は大好評よ!

ただ、男性客が少ないのが難点ですね。」

「男性用の看板も立てたらどうだ?」

「男性用ですか・・・。」

「ここのシャンプーとリンスは育毛効果だってあるだろ?

疲労回復だってするし、男性にも嬉しいことはあるはずだ。」

「確かにそうですね・・・。

では、早速書いて来ますね!

あ、ちゃんと洋服は用意してありますよね?」

「あれはスキルで出すんだから大丈夫だ。」

くっ!頭の中は洋服でいっぱいだな!!


そして、フードコートへ。

ここもそろそろ人が沢山来るはずだ!

なんだかんだでもうすぐ昼だからな。

案の定、沢山の客で溢れていた。

だが、一店舗全然お客さんがいない店がある。


寿司屋だ。


客の皆はやはり魚を生で食うことを恐れていた。

「タナトス様!

どうしたらいいでしょうか!!

みんな、腫れ物を見るような目で素通りするんですよ!!」

店を任された者達はもう涙目だ!

「まあ、初めての物は怖いよな。

仕方ない、サクラを用意するか!」

『サクラ??』

「少し待ってろ!」

俺は急いで自分の店に戻る。

「ティナ!

ちょっと助けてくれ!!」

「にゃにゃにゃ!?

タニャトスが二人いるにゃ!?」

「スキルで二人になったんだ!」

「どうかしたのか、俺。」

「寿司屋が全く売れてないんだ。

今の所、客は0人だ!」

「マジか!?

ティナ!

行ってやれ!!」

「にゃんであたしにゃん?」

『お前が最初の客になるんだよ!!』

流石は俺だな。

俺の考えてることがわかるんだな!

そして、ティナを連れて寿司屋へ。

「ティナ、俺のおごりだ。食え!」

「にゃにゃにゃにゃにゃーん♪

いただきまぁぉぁすにゃーー!!」

用意された寿司を只管食べ始めるティナ!

「美味しいにゃー!!

やっぱり魚は生に限るにゃー!!」

やはりティナを連れてきて正解だったな。

頼んでもないのに、滅茶苦茶商品アピールをしてくれている。

そこに同じ白銀猫族の獣人がティナに話しかける。

どうやら温泉業務の休憩がてらここに来たらしい。

「ティナ、何食べてるニャ?」

「勿論お寿司にゃ!!

凄い美味しいにゃん!!

マリーも食べてみるにゃん!!」

「ええー!生魚はちょっと!!」

「いいから食べるにゃん!」

ティナは無理やりマリーの口に寿司を突っ込む。

「ちょっ!もぐもぐ・・・う、うまいニャー!!」

「だから言ったにゃ!」

「ニャーにもお寿司くれニャー!!」

そして、本当に初めての注文が入る!!

「へい!よろこんで!!」

それを見ていた猫族の獣人が我もと寿司屋に訪れる。

「そんなにうまいのかにゃ!?

じゃあ私にも一皿くれにゃ!!」

「ヘイ!喜んで!!」

あっという間に寿司屋に行列が出来る!

やはり、ティナを連れてきたのは正解だった。

特に猫族が多いな。

まあ、猫だしな。

「タナトス様!

ありがとうワン!」

「おう!頑張れよ!!」

俺は新しくリニューアルさせた2階に行く。

そこには全面、魚が泳ぐ水族館のようなフードコートになっている。

みんな見たことない魚に興奮している!

水槽のガラスには水圧で割れないようにオリハルコンを合成してある。

そのおかげで前の世界の水族館のガラスより強度が増してくれた!

これも名物になってくれるといいな。


そして、最後にアスレチックの公園。

そこでは子供で溢れていた。

大人が買い物に夢中になってる間に子供たちはここで遊んでいる。

皆初めてのアスレチックに興奮。

ああ!取り合いをしている子供がいるな!

やはりまだ足りなかったか!

俺はさらにアスレチックやブランコなど遊具を増やす。

ここにプールとか創ってもいいかもな!

いや、それは他の場所に創るか?

人間界と獣人界の交友のために考えて創らないとな。


こうして、ショッピングモールの一日が終わる・・・。


閉店後、皆ボロボロになってたな・・・。

明日からも大丈夫かな・・・?


夜は皆、無言で温泉に向かうのであった・・・。


本日もお読み頂きありがとうございます!


やっとショッピングモールがオープンしました。

話の進みが遅くて申し訳ありません。


私事ですが・・・

遂に5万アクセス突破しました!!

いつも見てくださってありがとう御座います!!

ブックマーク登録者や評価の方も増えてとても励みになっています!

どうぞ、これからも宜しくお願いします!

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