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中二病に与えてはいけないスキル~中二病を拗らせた俺がもらったスキルは最強だった~  作者: 桜瑞歌
第11章 繋げ!人間界と獣人界の絆〈前編〉
112/133

第112の宴 獣王ミミと側近レオン

そして、オープン当日。

朝から4本の電車が可動する。

電車に乗り込む沢山の人々。

4本の電車は満席状態。

皆が新しい施設の開店を心待ちにしていたみたいだ。

開店は十時にも関わらず、施設の前には沢山の人で溢れている。

まるで開園前の某ネズミが支配するテーマパークのようだ。


「すごい人だねー!」

「皆、ここが開くのを楽しみにしてくれていたのね。」

「人がゴミのようですぅ!」

何故その名台詞を知っている?

「こんなに人が入るのかしら?」

「早くみんにゃにお寿司を食べさせたいにゃん!」

「これ皆ルーシーちゃんのファンだったらいいのに★」

料理を担当していた3人も今日は服屋の売り子をする。

その為、3人もギャルファッションを着ている。

ティナとルーシーはこっちの方が似合うな。

ソフィーナはロリータの方が似合ってるな。


そして、開店二十分前。

施設の前は人で溢れている。

入り口の前に台を置き、俺がその上に立つ。

「このショッピングモールに集まりし、獣人の者共よ・・・

よく来た。

我は神の使者、タナトス。

現獣王だ。

貴様らの為に我がこの施設を創った。

大いに楽しむが良い!!」

『ウオオオオオオオオオオオ!!!』

「そして、開店前に貴様らに報告がある・・・」

『え・・・?』

「我は今日で獣王を降りる。」

『えぇぇぇぇぇぇ!?!?』

「そして後任も決めてある。

上がってこい。」

台の上にミミを肩車したレオンが上がってくる。

「次の獣王って・・・またレオンなのかギャウ?」

「獣人界ではあいつが一番強いガウ。

しょうがないガウ。」

「あの肩車されてるうさぎの獣人は何だワン?」

「あれ、ララの所のミミじゃないか・・・?」

「ミミ!

あの子はなんであんなところにぴょん!?」

あたふたするララ。

「次の獣王はここにいるミミだ!」

『えっ!?』

「この子こそ、我の後任に相応しい人物だ!!」

『えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!』

「うちの・・・ミミが・・・獣王・・・!?

はぁぁ・・・」

その場で卒倒するララ。

「ララが倒れたにゃー!!」

「しっかりしろワン!!」


「ああん!?あんなちびが獣王ギャウか!?」

「巫山戯るな!!

そんなやつ認めないガウ!!」

「そんなちびに従えるか!!」

騒ぎ出す獣人達!

「くっくっくっ・・・

貴様ら・・・まだ分かってないようだな・・・

我は今、このミミを獣王と認めた・・・。

つまり、このミミに逆らうことは重罪・・・

今逆らったものは裁きを受けるがいい!!」

『ギャァァァァァァァァ!!!』

逆らった者の殆どが一度ハルトに裁きの断罪を食らった者だった!

「獣王に逆らったらフラッシュバックするといったであろう・・・?

くっくっくっ・・・」

「お兄ちゃん!

駄目だよ!!皆苦しそう!!」

「案ずるな。何れ収まる。」

逆らった者たちのフラッシュバックが収まってゆく・・・。

「皆さん、大丈夫ですか?

今、回復させます!」

《スピリチュアル・エリアヒール!!》

精神的にダメージを負った獣人達が次々と回復する!!

「まさか・・・光魔法ギャウ!?」

「獣人が魔法を覚えるなんて・・・!?」

「せ、聖女じゃ・・・!!

昔からの言い伝えでは・・・

何百年に一度・・・光の魔術を覚えし聖女が獣人界に幸福を齎すと言われておるのじゃ・・・!

まさか・・・わしが生きておる間に聖女に会えるとは・・・!!」

その場で祈りだす年老いた獣人。

「聖女・・・!?

あの言い伝えは本当だったギャウ!?」

「だとしたら・・・あの子が獣人界に幸福を・・・!?」

「凄いワン・・・

聖女様がいればこの獣人界は安泰だワン!!」

「獣王が聖女様だなんて最強ブー!!」

「聖女様!!ばんざぁぁぁぁぁい!!」

皆がミミを聖女と持て囃す!

「静まれ!!」

ハルトがそれを制止する!!

「ミミ、お前はどうやら聖女らしいな・・・。」

「わ、私が聖女だなんて・・・!」

「大丈夫だ。

お前こそ、聖女の名に相応しい。

さあ、新獣王よ!

皆に挨拶だ!!」

ハルトはレオンの上のミミを降ろす。。

「う、うん!

獣人界の皆さん・・・

私はお兄ちゃん・・・いえ、タナトス様に連れられ魔界に行ってきました・・・。

そこでは魔王を決める戦いが行われていました。

皆、それぞれ理由があって魔王になろうとしていました。

魔界を支配したい人、それを止めようと何年も対抗していた人、尊敬する人の仇を取りたい人。

そして、魔界に笑顔を取り戻したい人・・・。

激闘の末、魔王には私が1番なって欲しい人になりました。

その人は言ってました。

魔界の者、全員に笑顔で暮らしてほしいと。

それはとても大変な事だと思います。

それでも、やり遂げると笑顔で言ってくれました。

その笑顔の裏には途轍もない覚悟を秘めているようにも見えました・・・。

私はその姿を見て、王とは何かを魔王ソフィア様と・・・神の使者・タナトス様に教えられました!!

だから、私もソフィア様のようにこの獣人界を笑顔溢れる国にしたい!!

そして、タナトス様のように沢山の人を助けられる王様になりたい!!

違う・・・なります!!

私はまだ子供で力も人生経験も少ないけど・・・

何年かかっても必ずやり通します!

なので、どうかご協力・・・お願いします!!」

ミミが皆に頭を下げる。

『・・・・』

「おい、ミミがこういってんだ。

協力するのか?それとも、積極的に協力するのか?

どっちなんだ?」

「いや、タナトスさん、選択肢が一択しかないぞ?」

すると、次々と獣人達がしゃがみだし、敬礼をする!

「みんな・・・!」

『全ては聖女・ミミ獣王のお心のままに!!』

そこにいる全ての獣人達がミミを獣王と認めた・・・。

先程まで反対していた獣人達も敬礼していた。

ミミの気持ちが伝わったのか、聖女と知ったからなのか、それともハルトの拷問が怖いのか・・・

真相は定かではないが、渋々ではなく、皆と同じように敬礼している。

「あ、頭を上げてください!!

私はまだ皆さんに敬礼されるようなことを何もしてません!

私は獣王だからって偉くもないし!

知ってる人は今まで通りでお願いします!」

ふっ、ミミらしいな。

「ミミ一人では何かと大変だから、側近に元獣王レオンをつける。」

『えっ!?』

「ん?どうした?」

「いや、聖女様に何か悪影響がないか心配だガル・・・。」

「聖女様を利用して、また獣王に返り咲こうとするんじゃ・・・!」

前々獣王の嫌な思い出があるからだろう。

皆が心配する!

「み、皆心配しないで!

レオンはとてもいい人だから!!

私はレオンを心から信頼してるの!!」

「み、ミミ!!」

レオンがミミの言葉に感動する。

「レオンはいつも肩車してくれたり、私を守ってくれたり・・・一緒にお人形遊びたってしてくれるの!!

だから、そんなこと絶対にしないよ!!」

『レオンが・・・お人形遊び・・・』

「ぷっ!あーはっはっはっはっはっ!!」

「あのレオンが・・・ぷぷっ!」

『あーはっはっはっはっはっはっ!!!』

全員、レオンがお人形遊びをしているところを想像して爆笑する!

「わ、笑うな!!」 

顔を真っ赤にして怒り出すレオン!

いや、絶対笑うだろ。

「凄いな、流石聖女だ!

あっという間に皆を笑顔にしたな!!」

「私は笑わせたつもりは・・・!」

「笑顔と爆笑は違うぞ!」

「いいじゃねえか!

皆楽しそうだろ?

お前が獣王だった頃にはなかっただろ?

ミミ、毎日こんな日が訪れるといいな。」

「・・・うん!」

「おっと!

そろそろ開店の時間だ!

全員楽しむ用意はできているか?」

『ウオオオオオオオオオオオ!!!』

「ミミ!

獣王最初の仕事だ!

開店の号令を頼むぞ!」

「うん!」

「5!」『4!』『3!』『2!』『1!』

「ショッピングモール!

開店でぇぇぇぇす!!!」

『ワアアアアアアアア!!!』

一斉に中に入る獣人達。

これ、入りきるかな?


「お兄ちゃん!」

「どうした?」

「私、頑張る!

お兄ちゃんみたいに色んな人を助けられる獣王になるよ!

これはお礼!!」

そう言うと俺に飛びついて口にキスをしてくるミミ!

「ああっ!?」

レオンが何故か驚いてる!

「お兄ちゃんと出会えて良かった!

これからもよろしくね!!」

「・・・これは凄いお礼をもらったな。

だが、俺がミミを助けられることはあまりない。」

「え!?」

「これからよろしく言うのはこいつにだろ?」

俺はキャッチしたミミをレオンに渡す。

「俺か・・・?」

「俺は獣人界の人間ではない。

何れはここからいなくなる。

だから、俺がいなくても二人で獣人界を変えていってくれ。」

「そうだよね・・・。

お兄ちゃんは神の使者だもんね・・・。」

残念そうなミミ。

「ミミ、大丈夫だ。

タナトスさんのようにはいかないが、俺が一生お前を支える!

少し頼りないかもしれないが、俺を信じてくれ!」

「レオン・・・!」


チュッ


「!!!」

レオンはミミにキスされ驚く!

「やっぱりレオン大好き♡

ずっと傍にいてね♡

将来・・・私をお嫁さんにしてね♡♡」

『えぇぇぇぇぇぇ!?!?』

ハルトとレオンが叫ぶ!

「ミミ、いいのか!?

おっさんだぞ!?」

「失礼な!

獣人の寿命は人間より長いんだ!

俺はまだ若いぞ!!」

「てゆーか、うさぎとライオンじゃ種族が・・・!」

「は?何を言っているんだ?」

「お兄ちゃん、別にうさぎ同士じゃなきゃいけないことないよ?

私のパパはヒョウだもん!」

「ええ!?

そうなのか!?」

「うん!

ヒョウの割には弱いけどね!」

「知らなかった・・・。」

「俺の親もライオンと黒いクマだ。

種族なんて関係ないぞ?」

「獣人は面白いな・・・。」

「そうか?

当たり前だから考えたことなかったな。」

「私とレオンが結婚したらどっちが生まれるかな?」

「ミミに似たカワイイうさぎがいいな!」

「もう!レオンったら!」

イチャつくならよそでやってくれ。

人目のつかないところでな。

レオンの犯罪臭が凄いからな。

「さてと・・・

じゃあ店に戻るか。

ミミ、レオン。

お前たちの次の仕事は人間界と交友関係を結ぶ為にどうするか考えなければいけない。

イチャついてる暇はないからな!」

『分かった!!』


そう言ってハルトは店に戻っていった。


「さあ、俺達も行こう。」

「うん!レオンいつものー!」

「ああ!」

レオンはミミを肩車してショッピングモールに入って行った・・・。





本日もお読み頂きありがとうございます!


違う種族の獣人同士が結婚して子供を生むとどちらかの種族の子供が生まれます。

中にはレオンのように黒いライオンが生まれたりもします。

因みにこれから産まれるミミの弟はヒョウ。

ララとミミの父親は怪我をした父親をララが助けたことで交際がスタートしています。

ヒョウなので力は強いですが、臆病なので、ミミから弱いと言われています。

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― 新着の感想 ―
[一言] はぁ…レオンみたいなドクズが得する展開にするんだな
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