第108の宴 革命の予感
本日2話目です!
獣人界に来てから、アイディアが溢れ出して気付いたらボルトンさんに会ってなかったわ!!
今日あたり会いに・・・
あ、何あの獣人!!た、滾る!!
「あー楽しかった!」
「ちゃんと成功したわね!」
「きっとミーナ達にぃ感謝してるですぅ!」
「いや、してないと思うぞ。
俺は当分あいつに会うの止めようと思ってるからな。」
『????』
「まあ、わからないならいい。」
「ちょっと、どこに行ってたのよ!!」
「ルーシアとカインをくっつけてたのよ!!」
「え!?で、どうなったの!?」
「告白成功だよー!!」
「ホントに!?
私も見たかったわ!!
タナトス!なんで私を連れて行かなかったのよ!!」
「知るか!!
それよりあと2週間しかない。
色々決めないいけない。
エリスも早く王城に帰れ!!」
「ええ!?
そんな!!
折角ダーリンと結ばれたのに追い返すなんて・・・
私のことは遊びだったの!?」
ごちん!!
「ぎゃぁぁぁぁ!!」
「お前・・・言ったよな・・・?
人間界と獣人界で交友関係を結ぶって・・・
そのためにやることがいっぱいあるだろうが・・・!
遊んでる場合じゃねえんだよ・・・。」
「はい・・・ゴメンナサイ・・・。」
「先ずは人間界の領主を集め、各街に名産を考えてもらう。」
「わ、わかりました。
しかし、そう簡単には名産なんて出来るでしょうか・・・?」
《クリエイトアイテム!!》
目の前に冊子のような物が現れる。
「こ、これは?」
「そこに名産になりそうなアイディアが書いてある。
それを参考に話あってくれ。
決まったら報告してくれ。」
「報告って・・・どうやってダーリンと連絡すれば・・・?」
あ、そうだ。
この世界には電話とかないんだった!
どうするか・・・。
「人間にも情報共有スキルみたいな物があればいいのだかな。」
レオンがふと言い放つ。
そうか、獣人達にはそんなものがあったな。
便利なスキルだな。
まあ、俺なら覚えられるけどな。
しかし、エリスには創造の力はないからな。
俺が付いていくわけにもいかない。
電話やトランシーバーみたいなモノがあれば・・・
ん?創ればいいんじゃね?
先ずは俺が情報共有スキルを覚えて、このスキルを付与出来るスキルを覚えて、トランシーバーを創って付与すれば・・・!
ポイントも森に行って稼いだし、ヘルライザーを倒したときの分もあるから1000近くある!
このスキルは今までの変なスキルよりは使えそうだしな!
覚えて損はないな!
「ちょっと待ってろ。
トイレに行ってくる。」
「え、大事な話の最中に!?」
「ミーナ、空間移動だ。」
「はいですぅ!」
そして、俺とミーナは何もない場所に移動する。
「流石ミーナだな。」
「タナトス様がぁスキルを創ることくらいわかったですぅ!!」
「面白いものを創ろうと思ってな。」
「面白いものぉ?」
「ああ。
先ずはスキルを創造する!」
そして、俺は〈情報共有〉〈付与魔法〉のスキルを覚える。
「その2つのスキルで何を創るんですかぁ??」
「まあ、見てろ。
先ずはこの石に付与魔法を使う。」
《情報共有スキル、付与!!》
ハルトが手に持っていた石に情報共有スキルが付与される!
「これを2つに割って・・・」
《クリエイトアイテム!!》
中身が空のトランシーバーが2つ出てくる!
「これに石を入れて・・・完成だ!
ミーナ、俺を置いて、これを持って一度皆のもとに戻ってくれないか?」
俺はトランシーバーを一つミーナに渡す。
「ええー!
折角二人きりにぃなれたのにぃ!!」
「つまり、契約を切っていいと?」
「今すぐ行ってくるですぅ!!」
ミーナは直様皆の所に戻る。
「あ、ミーにゃんが帰ってきたにゃん!」
「ミーナ、ご主人様は?」
「置いてきたですぅ!」
「まあ、トイレなら仕方ないですわよね。」
〈おい、聞こえるか?〉
『!?!?』
「え!?今ご主人様の声が!?」
「ホントですわ!!
ダーリンどこにいるのですか!?」
〈そこにはいないぞ?〉
「え、お兄ちゃんどこ!?」
「ミーナは確かに置いてきたですぅ!」
「タナくーん!
早く出てこないとおっぱい触らせないぞー★」
〈出てくるのは無理だぞ?
ミーナ、さっき渡したものがあるだろう。〉
「あ、そう言えばぁ!!」
ミーナはみんなにトランシーバーを見せる。
〈このトランシーバーには情報共有の付与がしてある。
これがあればスキルが無くても遠くの者と会話が出来るんだ。〉
「す、凄い・・・!」
「これが世に出たら革命が起きますわ・・・!」
「流石はご主人様だわ・・・」
「発想がにゃにゃめ上にゃ!!」
「ルーシーちゃんもこれ欲しい★
遠くのライくんとも連絡取れるもん☆」
〈魔界に一台あってもいいかもな。
ミーナ、迎えに来てくれ!〉
「分かったですぅ!!」
俺はミーナに迎えに来てもらい、皆の元に戻る。
「これなら連絡が取れるだろう?」
「凄いですわ!タナトス様!
これを商品化したら革命が起きますわ!!」
リースがいつになく興奮する!
「いや、商品化はちょっと・・・」
「何故ですの!?
これがあればいつも傍に入れない私達もタナトス様とお話することが出来ますのに・・・。」
私達・・・
ああ、アイル、レジーナ、コリンのことだな。
こいつは意外と仲間想いだからな。
「獣人界の一件が終わったらお前達用にも創ってやる。
商品化するには色々と面倒くさいからな。」
「何が面倒くさいのですか?」
「このトランシーバーは作るのは簡単だ。
だが、作る人間が限られてしまう。
〈情報共有スキル〉と〈付与魔法スキル〉を両方持っている者しか作れない。」
「獣人界で両方持っている者なんていないぞ・・・。
付与魔法自体がレアスキルだ。
そもそも、獣人は生活魔法以外の魔法スキルを持つこと自体が珍しいからな・・・。」
「レオンの言う通り、先ずは情報共有スキルが獣人しか使えないこと。
そして、獣人が魔法スキルを覚えるのが珍しいこと。
つまり、これを作れるのは俺だけだ。
俺はこれを商品化するほど暇ではない。
まあ、この世界のどこかにはいるかもしれないがな。」
「そうですか・・・残念ですわ・・・。」
「将来、ご主人様がおじいちゃんになったらトランシーバー職人になればいいね!」
「まあ、何十年後かだな。
まあ、死ぬ前に偉業を成すのもいいな。」
「ご主人様・・・死ぬなんて言わないで・・・。」
レナが悲しそうな顔をする。
「そうだな・・・。
兎に角、エリス。
これを持っていけ。
話し合いの内容が決まったら連絡しろ。
決してくだらない事で連絡してくるなよ・・・?」
「ま、まさか・・・!
私がそんなことなんて・・・するわけな、ないじゃないですか!!」
(絶対にしようとしたな・・・。)
そして、エリスはミーナの空間魔法で王城に戻っていった。
「じゃあ、これから従業員を募集しよう。
店の売り子や食堂で飯を作る者、施設の中の掃除係。
あ、あとは電車の運転手も必要か。
そして、後々は街の名産なんかも考えなければいけないな。
あとは施設の服や武器屋以外の店か・・・。
決めることがいっぱいだな・・・。」
「タナトス様。
従業員の募集や面接は私にお任せください。
一応、接客の従業員のリーダーの私が受け持ちます。」
「リース・・・やれるか?」
「はい。
愛するタナトス様の為、全力で成し遂げますわ!!」
「分かった。
じゃあ、リースに任せる。
レオン、ミミ。
獣人としてリースの手伝いをしてやってくれ。
レオンの情報共有スキルは必要だろ?」
「分かった。
リースよ、早速募集をしよう。」
「リースお姉ちゃん、頑張ろうね!」
「お二人共、宜しくお願いします。」
「移動は電車を使うといい。
レオンなら運転できるだろ?
バイクと殆ど変わらないからな。」
「分かった。
では、早速取り掛かる!」
3人は話し合いの為、施設の食堂に向かう。
「で、私達はどうするの?」
「そうだな、他の店を出す者を探そう。
先ずは王都だな。
あんだけデカければ誰かしらいるだろ!」
そして、俺達は王都に向かった・・・。
本日もお読み頂きありがとうございます。
エリスが王城に戻ると王城は大騒ぎ。
王に泣きつかれる始末。
何処にいたかを話すとアリスはブチギレ。
アリスはレナに会いたかったみたいです。
因みに、その日からエリスはトランシーバーを抱えて寝るようになりました。
たまに無意識にボタンを押して寝ているため、夜な夜なトランシーバーからエリスの寝息と寝言が聞こえるとか聞こえないとか・・・
(因みにトランシーバーはボタンを押さないと話せないシステムです。
受ける側は大丈夫。)