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中二病に与えてはいけないスキル~中二病を拗らせた俺がもらったスキルは最強だった~  作者: 桜瑞歌
第11章 繋げ!人間界と獣人界の絆〈前編〉
105/133

第105の宴 次期獣王の誕生

新たにソフィーナ、バイオレットルーシーを仲間に加え、俺達は獣人界の新たな施設の中に入る。


「タ〜ナ〜ト〜ス〜!!!!」

そこには怒ってる王都四人組の姿。

「なんで昨日帰ってこなかったのよ!!」

「寂しかった・・・」

「ずっとお待ちしておりましたのに・・・。」

「心配しましたよ!!」

「あれ?ソフィーナから話を聞いてなかったのか?」

「ソフィーナ?

誰よそれ?」

「おい、話してないのか?」

「だって昨日は夜中だったし、朝は会う前にこの施設の外でタナトス達を待ってたし・・・。

べ、別に早く逢いたいから待ってたわけじゃないからね!!」

じゃあ、なんでだよ。

「ソフィーナって・・・ソフィアじゃない!

なんで、レルミーみたいな名前になってるのよ!」

俺は4人に経緯を話す。

「じゃあ、ソフィアは無事に魔王になれたのですね!」

「めでたし・・・めでたし・・・。」

「そーゆーことなら仕方ないわね!!」

「ということは、もうタナトス様は魔界には行かなくて宜しくなるのですか?」

『!!!』

「そうだな。

こっちの方もまだ中途半端だからな。

少しの間は獣人界で活動しようと思ってる。」

『わぁぁぁぁぁぁい!!』

「やっと・・・一緒にいられる・・・♡」

「こっちに来た途端、魔界に行っちゃったから夜しか話せなかったし!」

「一緒にいられて嬉しいですわ♡」

「タナトス様、今日はずっと一緒ですからね!!」

「ついでに私とダーリンの結婚式もしましょう♡」

「そうだな・・・って!!

なんでお前がここにいるんだ!?」

『王女様!?!?』

4人の中に王女エリスが混じっていた!

「嫌ですわ♡

ダーリンを探し求めて三千里。

遂に巡り会えたのではないですか♡」

ホントは朝、4人を交代するときにひっそりとミーナの空間魔法を利用したエリス。

王城ではエリスがいなくなり、大パニックとなっているのをエリスは知らない。

「ところで・・・ここでは何を作っているのかしら?」

「ここは色々な物を売る商業施設です。」

アイルがエリスに答えるが・・・

「貴女になんか聞いてないわ!!

私はダーリンに聞いているの!!」


ごちん!!


「い、いた〜いぃぃぃ!!

な、何をなさるんですか!!」

「てめえ王女だろ・・・

アイルが折角教えたのにキレてんじゃねえよ・・・。

国民の話を聞くのがてめえの仕事だろうが・・・。」

「はい・・・ごめんなさい。」

『王女様を殴って謝らせた!?』

「あ、ここにも仲間がいた!!」

「ざまあみろですぅ!!」

「今のは王女が悪いね・・・。」

「これが人間界の王女にゃん?

威厳がにゃいにゃんね?」

「あははは☆

人間界の王女もタナくんには勝てないんだね★」

「エ〜リ〜ス〜!!」

髪を逆立てて今にも襲いかかりそうなレナ!

「ギャァァァァァァァ!!」

直様、四人の後ろに隠れるエリス!

しまった!

忘れてた!!

俺はレナを抱きしめ、耳打ちする。

「ここでキレたらあの約束はなしにするぞ・・・?」

ビクッ!!

逆だった髪の毛がもとに戻ってゆく。

「仕方ないわね・・・」

「あの・・・レナ・・・!」

「あん!?何よ!!」

まだ内心は怒っているレナ。

「ごめんなさい!!

貴女にずっと謝りたかったの!!

知らなかったとはいえ、貴女のコンプレックスを逆撫でするような発言をしてしまったわ・・・。

本当にごめんなさい。」

レナに対してしっかりと謝罪するエリス。

「・・・ふん!

分かればいいのよ!!」

「妹のアリスにも怒られたわ。

レナさんの髪をバカにするとは女性失格だって・・・。

あの美しい髪の魅力もわからないのかって・・・。

あの子は貴女に憧れてるから、余計に怒ってしまって・・・。」

「アリスが・・・?」

「ああ、あいつレナと同じ髪色にしろって言ってたもんな。」

「髪色的に合わない服もあるけど、それも逆に面白いって。

今ではあえて合わない服を選んで髪型を変えて個性を主張しているわ。

王都では今それがブームになってるの。」

前の世界にもいたな。

奇抜なファッションが流行ったりするんだよな。

シルビアに見せたらまた新たなるファッションが生まれそうだな。

今度、提案してみよう。

「アリス・・・ご主人様。

あの子にはいっぱい洋服創って上げてね!!」

「私には!?」

「貴女はいいの!

もっとファッションについて勉強してきなさい!!

何よ、そのアクセサリーの付け方は!!

全然なってないわ!

貸してみなさい!」

レナはエリスのしているアクセサリーや髪型を変える。

「ほら、この方がいいでしょう?」

「わぁ!凄いわ!!

同じものでもこうも違うとは!!」

「まだまだね!

アリスにもっと教えてもらうといいわ!」

「・・・そうするわ・・・。」

笑い合う二人。

やっと仲直りが出来たみたいだ。


「ところで、あいつらはどうなんだ?

ちゃんと服作れるようになったか?」

「はい!

スピードはまだまだですが、売れるものを作れるようになりました!

シルビア店長が次々と新しいデザインを考えて大変ですけどね。」

ここに来て何か刺激されたのであろう。

「そうか、流石はお前たちだな。

ボルトンの方はどうだ?」

「一応順調にやっています。

ボルトン様が型を作るのに成功されてましたので、今はアクセサリー作りもされてます。」

「そうか、型が出来たか!

後でボルトンの方にも顔を出すか。

店を開くのはどのくらいになりそうだ?」

「やっと作れるようになったからこっから一週間はほしいわね。

数はいるけどスピードがないのよね。

まあ、ウォーレンが只管作ってくれてるから在庫はあるけど。」

「1500着は軽く欲しいな。」

『1500ぅぅぅぅ!?!?』

「当たり前だろう?

獣人界の殆どの者達が来るんだぞ?

ここには人間界と違って電車があるからな。

1500は最低ラインだ。」

「・・・鬼がいるわ・・・。」

「一号店オープンより・・・衝撃的・・・。」

「あと何着作ればいいの・・・?」

「まあ、間に合わなそうなら作業員を倍にすればいいだろう。」

「そっか・・・!

あの時と違ってタナトスのスキルがあるんだわ!!

早速倍にしてもらわないと間に合わないわ!」

「タナトス様・・・ステキ・・・♡」

「それではミシンや材料の補充もしなくてはいけませんね。」

「そうだな。

後は販売員と食堂の従業員、他の店も作らないとな。

さて、忙しくなるぞ。」

「あの・・・ダーリン・・・。」

「なんだ?」

「この商業施設は人間界の人も呼べるのかしら・・・?」

「え?」

「ダーリンも獣王になったし、人間界と獣人界の本格的に交友関係を結びたいの。

この商業施設をきっかけに交友関係を結んで、人間界と獣人界の壁を壊したいわ。」

「ほう・・・エリス、お前なんか王女っぽいな。」

「いや、王女ですからね?」

「確かにいい考えかもしれない。

そうすることによって、人間界と獣人界の経済も潤う。

人間と獣人も仲良くなるかもしれない。

まあ、問題は色々あるがな。」

「問題?

何かあるのかしら?」

「勿論だ。

なあ、ミミ。どう思う?

人間界と獣人界が仲良くなったほうが嬉しいか?」

「え!?私!?

えっと、私は人間界の人達と仲良く出来たら嬉しいな。

お兄ちゃんもそうだし、リリともウォーレンとも仲良くなって嬉しかったし。

人間界だけじゃなくて、精霊のお姉ちゃん達や魔界のソフィーナお姉ちゃんとルーシーお姉ちゃんも仲良くなれて凄い嬉しいよ!」

『ミミ・・・!』

ミミの発言に皆がほっこりする。

「タナトスさん、何故ミミに聞いたんだ?」

「は?当たり前だろう?

次の獣王の許可が必要だろ?」

『えっ!?』

「だから、次の獣王の意見も聞かないと駄目だろ?

俺はもうすぐ獣王辞めるんだからな!」

『えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?!?』

「ちょっとまて!

ミミが次の獣王なのか!?」

「ご主人様、何言ってんのよ!?」

「ミミちゃんはまだ子供だよ!?」

「なんか重要なことぉさらっと言ったですぅ!!」

「にゃんでミミにゃのにゃ!?」

「このちびうさちゃんが獣王・・・★

なんか可愛いかも☆」

「あんた、何考えてるのよ!!

王舐めてるの!?」

「こ、この子が次期獣王・・・!!

ダーリン、冗談ですよね・・・?」

「何皆驚いてるんだ?」

「驚くだろ!!」

「お兄ちゃん・・・ホントに言ってるの・・・?」

「ああ。俺はミミに次の獣王をやってもらいたい。」

「む、無理だよぅ!!

私は子供だし・・・弱いし・・・何かあった時、皆を守れないよ・・・?

私なんかが王様になっても皆幸せになれないよ!!」

ミミの顔は青ざめている。

獣王という重圧がこの小さい身体にのしかかったように・・・。

「俺はお前しかいないと思っている。

この獣人界で他人のことを思いやれる獣人はミミだけだった。

王たる者、他人。すなわち国民を思いやれるような者でなければ務まらない。

そして、お前は光魔法が使える。

その魔法で皆を癒やすことも出来る。

お前は魔界でも王になるとはどういうことかを学んだ筈だ。

魔王ソフィアのように国民を想える獣人はミミだけだ。

お前なら出来る。」

「でも、子供の言うことなんて誰も聞いてくれないんじゃ・・・!」

「なんの為にお前にレオンをつけたと思ってるんだ?」

「え!?俺か!?」

「ミミが出来ないことは前獣王であるお前がサポートするんだ。

お前は大臣としてミミを支えてやれ。」

「俺がミミを・・・!?」

「・・・レオンが一緒ならやる。」

「えっ!?」

「レオンとなら私でも皆を幸せに出来るよ!

だって、レオンは私のボディーガードだもん!!

強いし、優しいし、お人形遊びだってやってくれるもん!

私にとってレオンは一番信用できる相棒なの!!」

「ミミ・・・!

うう・・・そうだな・・・。

ミミとなら、俺が最初に思い描いていた獣人界を作れるかもしれない・・・。

ミミのことを馬鹿にする者は俺が許さない。

俺がミミの夢を叶えてみせよう!!」

「レオン・・・

期待してるね!ちゅっ♡」

ミミはレオンの頬にキスをする!!

「へっ?」

レオンは顔が真っ赤だ!!

やはり、ロリコンだったか!!

「だから、ご主人様は魔界にミミを連れて行ったのね。」

「ミミにもう一人の私が魔王になる様子を見せたかったのね・・・。」

「ミミちゃんが獣王かぁ!!

なんかいい国になりそうだねー!!」

「ミミっちにぃこのロリコン野郎がぁ変なことしないか心配ですぅ!!」

「だ、誰がロリコンだ!!」

お前だよ。

「あたしもミミが獣王にゃら賛成だにゃん!!

きっといい国ににゃるにゃん!!」

「ちびうさちゃん、かっこいー★

ちびうさちゃんなら魔界の方とも仲良く出来そうだね☆」

「ミミのママが聞いたら卒倒しそうだよね(笑)」

「ただでさえ、1500着って聞いたら卒倒しそうなのにね・・・。」

「ちびうさ・・・なんかカワイイ・・・。」

「では、ミミ・・・いえ、次期獣王様。

人間界の王に変わりまして、第一王女のエリス・グランブレイドよりお願いを申し上げます。

どうか、我々人間界と交友関係を結ばせてください。

宜しくお願いします。」

エリスはミミに膝をつき、手を差し伸べる。

「・・・はい。

喜んで!」

二人が手を取り合うとレオンが大きな拍手をする。

それにつられて皆が拍手をする。

「これで交渉成立だ。

後は問題点をいくつか解決しないとな。」

「ダーリンの言う問題点とは何でしょうか?」


「それはな・・・」


続く

本日もお読み頂きありがとうございます!


遂に次期獣王がサラッと発表されました。

わかっていた方も多くいらしたのじゃないでしょうか。

そう、ミミです。

ハルトは最初からミミを獣王にするために動いてました。

ミミ自身もソフィアが魔王になる瞬間を見て、心惹かれるモノがありました。

レオンをこの旅で信頼するようにもなりましたので、決断に至りました。

はたして、今後どうなるのか・・・


そして、交友関係を結ぶに当たって問題点は・・・?

次回に続きます!

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