第104の宴 新しい仲間、ソフィーナ
本日2話目っす!!
タナトスの兄貴を探す任務がいつの間にか王女様を探す任務に・・・!
一体どこ行ったっすか〜!
「待たせたな、ソフィーナ。」
「べ、別にアンタなんか待ってないんだからね!」
いや、さっき待ってたって言ったよな?
「ねえ、お兄ちゃん!どういうこと!?」
「ソフィアは魔界にいたはずだが・・・?」
「魔王辞めちゃったの??」
「辞めるわけないでしょ!!
てゆーか、なんでバイオレットルーシーがいるのよ?」
「行くとこ無さそうだから連れてきた。」
「そんな、捨て犬じゃないんだからさぁ・・・」
「お兄ちゃん!
なんでソフィアお姉ちゃんがここにいるの!?
ソフィーナって!?」
「驚いたか?
これは俺の我儘だ。」
『我儘?』
「そうよ!
私がタナトスの我儘に付き合ってあげてるの!!
感謝してほしいわ!!」
ごちん!!
「いった〜い!!
何すんのよ!!」
「調子に・・・乗るなよ・・・?」
「ごめんなさい・・・。」
時は少し遡り・・・
「・・・皆ありがとな。
じゃあ、一つだけ我儘を言う・・・。
俺はソフィアを連れて帰りたい。」
「やっぱりそう言うと思ったわ。」
「でも、どうやって?
ソフィアちゃんは魔王になったんだよ?」
「ソフィアっちがいなくなったら魔界はパニックですぅ!」
「連れ出すのは難しいにゃん!」
「お前達・・・我を誰だと思ってる・・・?
我は神の使者。
我に不可能はない。」
『え・・・!?』
そして、夜。
ソフィアが王城の部屋に行く。
ソフィアにとって一人で寝るのは久しぶりだ。
「はあ・・・。
一人なんていつぶりだろ・・・。」
ソフィアはベッドに横たわる。
「私はどうしたらいいんだろう・・・。
勿論、魔王になったからには皆の為にこの国を変えなければいけない。
・・・けど、タナトスと離れたくない・・・。」
2つの葛藤がソフィアを悩ませる。
一度は魔王として決別を心にしたが、いざとなるとまた決心が揺らいでしまうソフィア。
「タナトスと・・・皆との旅・・・楽しかったな・・・。」
魔界までの旅路を思い返すソフィア。
「また・・・皆で・・・旅がしたいよ・・・。
皆と離れたくない・・・!」
今までを振り返り、涙を流すソフィア。
「じゃあ、我に付いて来るがいい。」
「へ?」
ソフィアが体を起こすとそこにはハルトの姿が・・・。
「タナトス!?」
「お前たちがいつも我儘を言うように、今日は俺も我儘を言う。
俺はお前を攫いに来た。
俺はお前とも旅がしたい。
俺の仲間が誰一人欠けることなど俺が許さない。
一緒に来い!!ソフィア!!」
「タナトス・・・!!」
ソフィアは走り出し、ハルトを抱きしめる!!
「私も・・・タナトスと・・・皆と一緒にいたい!!
私は貴方を愛してる・・・!
貴方がいない人生なんて考えられないよ!!」
そう言って、俺にキスをするソフィア。
「俺もお前がいない旅などありえない。
俺にはみんなと同じようにお前が必要だ。
だから、黙って俺に付いて来い!!」
ズキュュュュュュン!!
ハルトの言葉がソフィアのハートを貫く!!
「はい・・・喜んで・・・♡
私は貴女と一生傍にいるわ・・・♡
でも・・・私は魔王になった・・・。
魔界の皆を裏切るわけには・・・。」
「我を誰だと思ってるんだ?
我は神の使者・・・
我に不可能はない・・・!」
《幻影のマリオネット!!》
ソフィアが光だし、二人になる!!
『!!!!』
「これで問題は解決だ。」
『そうか!
妾を一人にすれば・・・!
じゃあ、私が行くから貴女は魔王を頑張りなさい。
・・・ちょっと!
タナトスの傍にいるのは私よ!!』
二人のソフィアはどちらがタナトスの傍にいるかで喧嘩するソフィア達!
「こら、喧嘩するな!」
『だって、タナトスと一緒にいたいんだもん!!』
参ったな・・・。
これでは決められない。
どっちもソフィアだしな・・・
仕方ない!
〈不動の魔眼!!〉
「う・・・!何を・・!」
「え!?なんで・・・?
もう一人の私を・・・?」
「もう一人のお前を洗脳しろ!」
「わ、分かった!」
《スピリット・ドミネーション!!》
もう一人のソフィアの目が虚ろになり、動かなくなる。
《解除》
「麻痺の魔眼の効果はなくなった。
ソフィア、今からこっちのソフィアを洗脳するんだ。」
「私を洗脳・・・?」
「そうだ。
まず、俺が好きだという感情を消してくれ。
そして、今まで愛し合った記憶もだ。
こいつを立派な魔王にする。
その為には俺との思い出が邪魔だ。
俺への想いさえなければ、こいつは立派な魔王になれる筈だ。
そして、お前は俺の傍にいろ。
魔界のことはこいつに任し、これからはソフィーナとして新しい人生を俺達と歩む。
いいな?」
「新しい人生・・・じゃあ、私はもう魔王らしくしなくてもいいのか・・・?」
「当たり前だろう?
お前はもう魔王でもソフィアでもない。
お前は俺の仲間だ。
もう、無理に魔王らしくなんてしなくていい。
ありのままの自分でいればいい。」
「そうか・・・。
私はずっと魔王にならないといけないと思ってた。
魔王らしく振る舞い、自分を鼓舞することでプレッシャーを跳ね除けていた・・・。
だけど、もういいんだな・・・。
もう自分を偽らなくて!!」
「ああ。
今日からは自分の思うままに生きろ。」
「うん!
素の私に惚れても知らないからね!!」
「巫山戯たこと言ってないで、さっさと洗脳しろ。
そうしたらお前は一旦獣人界にいてくれ。
洗脳したあと、お前がいると色々厄介だからな。
俺達はこのソフィアと別れを告げてから帰る。
ちゃんといい子にしてろよ?」
「分かった!
・・・ありがと。
やっぱりタナトスは私の王子様だね・・・。」
「王子じゃなくて神の使者だ。」
「むう!そんなの知ってるわよ!!
洗脳するから邪魔しないで!!」
「何怒ってるんだ?」
「ふん!!」
そして、ソフィアは洗脳をし、獣人界に身を隠した・・・。
「という事だ。」
「だから、お兄ちゃんのこと引き止めなかったんだね!」
「そうだ。
ということで、これからこいつはソフィーナとして生まれ変わった。」
「ソフィーナよ!
私はどっちでも良かったんだけど、タナトスがどうしてもって我儘言うから皆とまた旅を続けるわ!」
ごちん!!
「いったーい!!
また殴ったわね!!」
「なんか言ったか・・・?」
「ごめんなさい。
私が行きたいと言いました・・・。」
「全く・・・そうだ、こっちのソフィアにも言わなきゃいけないことがあるな。」
俺はルーシーのことをソフィーナに話す。
「え・・・じゃあ貴女は魔王殺しに全く関係なかったの・・・!?」
「まあ、全くじゃないけどね★
宜しくね☆
ソフィーナ★
とりあえず、ルーシーちゃんはこのチームのアイドル的存在ね☆」
「はあ?
何がアイドルよ!!」
「アイドルはわたしだよー!!」
「ミーナに決まってるですぅ!!
ミーナが一番可愛くて、爆乳ですぅ!!」
「あたしのほうがアイドルにゃ!!
みんにゃ、あたしの猫耳にメロメロにゃん!!」
「タナトスがどうしてもって言うならアイドルになってあげてもいいわよ!!」
「そんなことより・・・」
『そんなことより!?』
「何故、ヘルライザーは魔王を殺したんだ?
魔王に何かされたのか?
ずっと気になっていたんだ。」
「うーん☆
特にはされてないかな??
てゆーか、何もしてくれなかったって言ったほうがいいのかな??」
「ソフィーナが言ってたことだな。」
「うん☆
ルーシーちゃん達は昔、ある街で暮らしてたんだけど、たまたまルーシーちゃんとライくんと町の友達で街の外に遊びに行ったときにね、街が襲われたの・・・★
ルーシーちゃん達が家に帰った頃には皆死んでたわ・・・」
「そんな・・・酷い・・・!!」
「でしょ★
ルーシーちゃん達はどうすることも出来なくて、何日もかけて王城に行ったわ・・・
魔王に助けてもらおうとね☆
ところが、魔王は助けてくれるどころか、〈そんなことありえない!魔界にはそんな悪いやつはいない!!嘘をついて何か貰おうとしている!〉って追い返されちゃったの・・・」
「昨日言った通り、パパは魔界に犯罪はないと思い込もうとしていたのよ・・・。
ましてや、子供の言うこと・・・。
ルーシー、ごめんなさい・・・。」
「ソフィーナは悪くないよ☆
それでライくんが変わってしまったの・・・
その時から魔王になるって言ってたわ・・・
助けてくれない魔王なんていらない!
俺が魔王になって親を殺した奴らや助けてくれない魔王軍に復讐するんだって・・・」
「子供の頃からそんな風に思っていたのね・・・。」
「そして、約20年・・・
更にライくんは怖くなって・・・
到頭、仲間たちと魔王を暗殺したの・・・
ルーシーちゃんはスキルを使って隠れ家で小さい子供と待っていたわ・・・
帰ってきたライくんは久しぶりに笑ってた・・・
あの日から20年近くずっと笑わなかったライくんが笑ったの・・・
人を殺したっていうのはわかってた・・・
でも、ルーシーちゃんはそれよりもライくんが笑ってくれたことを喜んだの・・・
そして、ルーシーちゃんはライくんが笑ってくれるなら応援しようって★
でも、ライくんが魔界を征服するって・・・
だから、ルーシーちゃんは抵抗したの★
ライくんは強いけど、頭は悪かったからこの十年、耐えることが出来たの☆
でも、もう限界だった・・・。
そこでソフィアチームが現れたの☆」
「あと少し遅かったらヘルライザーによって魔界は崩壊していたな・・・。
よく頑張ったな、ルーシー。」
「タナくん・・・♡
嬉しい♡♡
初めて褒められた♡♡♡
いい子いい子してぇ♡♡♡♡」
頭を撫でるとルーシーはふにゃ~と甘えてくる。
それを周りの者が凄い形相で睨みつけているが、ルーシーのお陰で魔界がヘルライザーの魔の手から救われていたことを知り、注意ができない!!
『くっ!流石に怒れない!!』
「でも、ソフィアが魔王になってくれたから、きっといい国になるよね☆
ルーシーちゃん期待してるんだー★
もう、私達みたいな子供がいない国になることを★」
「・・・大丈夫だ。
もし、魔界が悪い方向に進んだとき・・・
我がソフィアを倒す。
だから、安心しろ。」
「うん★
ライくんも心を入れ替えて、いい感じだし!
ルーシーちゃんは婚活頑張るの!!
相手は勿論タナくんよ!!」
『させるかァァァァァ!!』
このあと20分くらい喧嘩するハルトガールズ。
こうして、魔界は救われた。
あとはソフィアの腕次第・・・。
さあ、俺達は獣人界を何とかしないとな・・・!
本日もお読み頂きありがとうございます!
これで魔界編は終わりです。
凄く長くなってしまいました。
次からはまた獣人界編が始まります!!