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91 異世界の魔導師

 ダークエルフのニンジャ達は直ちに情報採集に走った。彼らは変装が得意でコボルト族に化けるのも慣れたものだったのだ。砦の奥に広がる東国連邦内の村々に飛び回りここ数年の変化を調べていた。

 彼らのニンジャとしての能力は大したものでなるほど生業にするほどの事はある。周りの村々から次々と情報が集まって来る。

 彼らの仕事を褒めるとカイリ嬢は誇らしげにダークエルフの歴史を語る。


 砂漠で生きて行く上で砂漠の住民は行き交うキャラバンを如何に護るかが最重要だった。魔大陸だと冒険者が護衛を受注するが砂漠では専用の職業になった。それが傭兵団。傭兵団はキャラバンが安全に進む為の情報収集を重ねいつしかその能力に特化したダークエルフがニンジャと呼ばれるようになったと言う。


 そんな彼らが収集した情報によると…ある日突然この国に『異界の魔導師』が現れたそうな。

 その魔導師は獣人兵に新しい武器を与えた。兵士に鋼の装備を与え弓をボウガンにし、魔石を利用した殲滅兵器…火炎放射器を開発した。無限軌道を開発し火を燃やす事で蒸気機関を組み上げ砂漠戦艦の動力どしたのもその魔導師だと言う。

 その『この世界とは思えない知識』を動員して魔導師は一躍東国連邦の指南役に収まった。それ以来東国連邦はイケイケドンドンで周辺の村々を焼いて制圧して行ってるとの事。焼いてどうすんだバカだな。


 異界の魔導師って…多分だけどその魔導師、異世界人だろ。またやっばい奴がやってきたもんだ。転移門事故に巻き込まれたのか自らやって来たのかわからないが。さて連邦政府は会談に応じてくれるかね…。


 返事は追加派兵という形で返ってきた。中央政府は力業しか思いつかんのかな?話し合いたいと言っているのに。仕方ない中央都まで蹴散らして行くしかないか。次々と中央から派兵されて来る重装兵。

 俺達は立ち塞がる兵士達をアイアンゴーレムで蹴散らしながら上都して行った。


 



=================


 東国連邦の首都マイネーク。山あいにある東国連邦の中で珍しく平地と湖に囲まれた豊かな土地。

 その湖にあった祠の中にある日突然現れた男がいた。いつものようにコンビニで弁当と隣の本屋でエロい雑誌を買って自宅のアパートに戻る途中だった。仕事は鉄工所、そりの合わない先輩がいていつ辞めようかタイミングを測っていた。家は毒親で逃げる事ばかり考えてた。こんな国、こんな世界突然の戦争かなんかでヒャッハーな世界になっちまえばいいのにと思っていた。本多孝泰21歳。何処にでもいるくすぶった若者だった。


 マイネークは祠の魔法陣を先祖代々勇者召喚に使っていた。南の国との戦争が膠着状態に陥った為、魔法陣に魔力を流せばその魔法陣が起動して勇者を呼び寄せた。祠の魔法陣はマサオに言わせれば『罠の転移門』だった。ランダムに異世界から人や物を引き寄せる悪意あふれたやつだ。


 孝泰は呼び寄せられた時周り中が犬人コボルトだらけで驚いた。しかもどいつもこいつも勇者様ともてはやす。その犬人が使う魔法にも驚いたが【転移門】を潜ってやって来た者には莫大な魔力が宿る、の法則に例外はなく孝泰も犬人達が驚く魔力を有し、見よう見まねで放ったファイアーボールが山一つ吹き飛ばす威力だった。


 孝泰は調子に乗った。この世界なら好きに出来る。そもそも戦争をする為に呼ばれた異世界だ。敵はぶち殺してナンボの勇者様じゃあ。

 有り余る魔力で進撃軍の後方から敵陣に魔法攻撃を加える戦法で次々と戦果を挙げた。


 犬人も見下していた。文明程度も低いただ他人の土地を略奪するだけの犬。孝泰は元々犬猫を虐待する癖があった。故に敵の犬人の命を奪う事に躊躇がなかった。


 山あいの国らしくこの国で発達した魔法は土魔法だった。マイネークの魔法使いから基本を学んだ孝泰は自分の頭の中にある金属加工の知識から全兵士の重装甲冑や蒸気機関を使ったエンジンを土魔法で構成していく。使う武器も全て彼の持つ金属知識でチタン合金で加工されている。全ての戦力が向上し戦は連戦連勝。

 いつしか『異界の魔導師』ともてはやされていた。

 だが孝泰は周りの犬人も信用していない。所詮はこいつらも戦争だけが生き甲斐の犬畜生なのだ。邪魔になれば自分を殺すかもしれない。その前に頃合いを見て…と考えていた。


 そんな矢先である。オアシスのダークエルフ殱滅に向かった部隊が手酷くやられしかもダークエルフが賠償交渉を求めているという。

 この世界に来て初めての敗北である。

 元々犬人達の生命を何とも思っていない孝泰は交渉などどうでもよかった。

 いざとなれば自分の魔法でどうにでもなる、とタカを括っていた。

 この国がダメになれば飛んで逃げればいい。自分ほどの大魔術師ならどこででも生きていけるとも思っていた。


 攻撃一辺倒だった犬人の首脳部だったが国境砦で暴れたゴーレムの話を聞いて慌てた。しかも孝泰自慢の砂漠戦艦もあっという間に破壊されたという。相手が交渉したいというなら交渉に応じてはどうか?と孝泰に上申する。が孝泰は取り合わない。

 次々と情報が上がって来る。アイアンゴーレムを操るのは恐ろしく美しい白いエルフだと言う。武骨な傭兵揃いのダークエルフの中で一際輝く美しさとナイスボディを誇るらしい。

 美しく強いエルフ。俄然興味が湧いて来た孝泰だ。この異世界なら自分のしたい放題だ。屈服させて自分の性奴隷にしてやりたい。自分なら出来るはずだ。よし会おう。


 孝泰は部下に直ちに和平交渉に臨むべく連絡を取らせる。マイネーク入り口にある砦で急遽会談に応じる準備をした。歓迎の意を表し、奴らをもてなすのだ。


 奴らがやって来た。鉄で出来たゴーレムを連れてエルフ達がやって来た。報告で聞いた通りだ。先頭の白いエルフが輝くように美しい。豊かな双丘といい肉付きの良い腰付きといいむしゃぶりつきたくなるほどいい女だ。この世界に来て初めて見る美しい女だった。どういう事だ?この女がこのゴーレムを作ったのか?気にはなるがそんな事よりこの女を早く蹂躙したいという欲望が勝る。

 

 孝泰はエルフに向かって魔法を放った。

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