82 彷徨う超巨大魔獣
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閑話や今後の展開の参考にさせていただきます。
静かに反陽子エンジンが起動し空中に浮かんで行く空中戦艦。
未知の技術を目の当たりにして魔人達は呆気に取られるばかりだ。まあ、俺だってこれは初めて見たし。てかよくこんな短いスパンでこんな船作れたなカナコ。…いや絶対前々から変形する船を作っていたな。そんな気がする。
「で、カナコ、この船名前あるのか?」
聞くと嬉しそうに答える。
「『アフロディア』だよ兄ちゃん」
「妾はモンマー1号がいいと言ったんじゃがな」
「豪雷号が良かった…」
ん、まあマクロ◯とかじゃなくて良かったな…。
カナコはレーダーに記録されていた邪神のデータを拾い出し、同等の魔力量を発する物体を探知出来る機能を改めて備え付けていく。30分もしない内にレーダーの改造が終わる。この大陸の地図と照らし合わせる。
「ここにバカでかい魔力量の反応があるよ」
位置的には魔人国から外れた砂漠地帯であるという。魔人も生息しない未知の区域である。魔人は瘴気の足りない地域には積極的には足を伸ばさないので周りの環境には疎いそうだ。原住民がいるかも知れないが交流はない、という。
取り敢えずその魔力量の反応がある場所に向かおう。それはすぐに見えて来た。空に渦巻く瘴気の乱流。その紫色の嵐の下。何と言ったらいいかわからない不定形な物体が蠢いていた。
「に、兄ちゃん、すごく不安な気持ちになって来るんだけど…」
「うむ、不快なのじゃ。アレを見た途端猛烈に不安感が湧いて来たのじゃ」
「もしかして…アレの魔力のせい…?」
我が妹達、さすがよくわかっている。俺だってエンシャントエルフにならないと影響されてしまう。ジュリアさんはどうかと見てみたらやはり恐怖心が半端ないらしくうずくまっていた。
動物の足があるかと思いきや全体的に軟体動物だし植物の枝葉も見える。まるでダリの描いた絵画の様な訳の分からない物体…そう、名付けるならやはり【邪神】だ。しかもバカでかい。全高150m、全長200mはあるだろうか。
根元、というか邪神の足元に光の爆発を目視する。
カナコがモニターをズームアップしていくと魔法弾で攻撃をしている一人の人間が見えた。
「父上‼︎」
「「父さん‼︎」」
間違いない、あれは親父だ。一人で戦っている。本当に貧乏くじ引くのが好きなんだな。俺はまっぴらごめんだがな。俺は自分の為に親父を一人にはしないぞ。絶対にな。
俺がまず飛び出すと続いてリィカドラゴンとその背に乗ったレンが飛び出した。
久々の『魔王の眷属』揃い踏みだ。派手に行こうぜ‼︎
リィカドラゴンがブレスを吐いて超巨大魔獣を攻撃する。火球が魔獣を焼くがダメージになっているかまるで見当が付かない。俺は親父の元に降りる。
「ユート⁉︎ なんでここに⁉︎」
「バカ親父‼︎スマホの電源は入れとけよ‼︎おかげでカトレアさんに会って面食らったじゃねえか‼︎」
「あー…会ったのか…すまねえ」
「謝んなら妊娠してるグリュエラさんに謝るんだな‼︎」
「なん…だ…と⁉︎」
「話はアレを倒してからだ‼︎…倒していいんだよな⁉︎」
「無茶をいうな。アレは体力を削り続けないとどうにもならん存在だ!」
「一人で何年もかかっても家族総出ならどうかな」
「何⁉︎」
さあ全力の俺達を見せてやろうぜ。
リィカから飛び降りたレンがすかさずデバフ魔術を構築する。俺達の誰もわからない様な高度な魔法陣が構築されていく。レンは学院を卒業してから直接サークライに指導を受け魔術技能を上げている。
魔法陣が起動して巨大な魔獣の進む速度が止まった。
空中からリィカドラゴンの爆炎ブレスが連続で飛んで来る。派手に炸裂すると魔獣の肉体を吹き飛ばす。再生速度が目に見えて遅い。レンのデバフが効いている証拠だ。
それを見て親父が二丁のオリハルコン銃から連続して魔力弾を撃ち込む。当たると爆裂する術式が込められている様だ。当たるたびにどんどん魔獣の肉体を削って行く。
俺も身体に七柱の精霊を降ろす。そして両手にソル・ソード(光のビームソード)を発生させ魔獣に向けて振り回す。ザクザク切り裂かれていく魔獣の肉体。
確実に削れていく魔獣の肉体だが大き過ぎてコアの部分…弱点がわからない。魔力量もまだまだたっぷり残っているようだ。あのクトゥル◯邪神よりまだ多い。確かにこんなの削れんのかよって気になるよな。
「親父なんか必殺技持ってる⁉︎」
「『メテオバレット』てのがある。衛星軌道から目標一点にアダマンタイトの流星雨を集中して降らせる天地混合魔法だ。だがアイツ魔法を発動させると危険を察知して逃げるんだ。逃げ足はめっちゃ早い‼︎」
「発動まで逃さなきゃいいんだな⁉︎」
「おう‼︎」
「カナコ‼︎聞いたな⁉︎アイツを逃すな‼︎」
「おっけー‼︎『アフロディア』バトルモード・チェンジ‼︎」
上空に待機していた空中戦艦が船体に光のラインを浮かべて変形を始める。予想通り人型ロボになっていく。全長50m級の戦闘ロボだ。女性型なのかちょっとスタイルがいい。…ちょっと待て。なんか俺のハイエルフ姿に似てないか⁉︎
静かに大地に降り立つと反陽子のエネルギー紐が両手から放たれる。紐は超巨大魔獣に絡み付き巨体を縛り上げる。
「反陽子ウィップ‼︎」
「うぎゃあああ⁉︎」
操縦席で初戦闘に興奮覚めやらないカナコの叫びと訳かわわからない内にロボットに搭乗させられたジュリアさんの叫びが響き渡る。
その上にレンの捕縛魔術が展開される。俺はソル・ソードで削り続けリィカはブレスを吐いて魔獣の魔力を削る。
親父の術式が完成したようだ。天空に無数の流星雨が現れる。あれが全部アダマンタイトか?どんな威力になるんだ⁉︎
みんなを親父の側一箇所に集めリィカに結界を三重に張ってもらう。さあ親父かませ‼︎
「メテオ・バレット‼︎」
アダマンタイトの流星は全てが超巨大魔獣にぶち当たった。肉体を粉々に砕いていく流星‼︎凄まじい土煙をあげて魔獣周辺が流星弾に埋もれていく。凄まじい轟音が響く中、俺達はリィカの結界の中で耐える。
音が止み、土煙が薄くなって魔獣付近の様子が見えて来た…
‼︎うそだろマジか…⁉︎
まだ魔力を感じる。魔獣は死んじゃいない様だ。というか真ん中は跡形も無く吹き飛んでいるが身体の両端がそれぞれ虫の息だが動いている。
中型の邪神が二体になったようものだ。
「ヤバい、どちらかを逃がせばまた元のように再生するぞ‼︎」
親父が叫ぶ。親父を見るとかなり疲弊している。魔力を使い果たしたようだ。
じゃあ俺がやるしかないか。
俺は俺の取っておき、両手の掌に小さな光を集中させる。両手に二つだ。そして水素分子からひたすらヘリウムを合成し続けて『超小型太陽』を二つ作る。
前まではこの段階で投げ付けて原子炉の中で溶かして倒したがアレだとタイムラグがあって身体の細胞の一部でも残してしまうかも知れない。
奴を一片残らず世界から消してやる。
ストックがなくなってきましたので更新を水曜土曜の週二回に戻します。ご了承ください。




