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67 邪神撤退大作戦

 アレの魔力を削り切って倒す、ってのは現状無理ゲーだ。じゃあどうすりゃいいんだ⁉︎


「倒すのが無理なら追い返す」


 グリュエラ母ちゃんがそう言い放つ。

 母ちゃんが言うには『アレを出て来た転移門へ追い返す』のが最善だと言う。

 どうやって?

 それを今から考えるんだ、と仰られる。うーん。


 親父の【簡易転移門作成銃】でアレを飛ばせる転移門を作るってのはどうか?と聞く。


「何処へ飛ばすっていうんだい?こことは違う世界に何処でもいいから飛ばすっていうのは幾ら何でも無責任過ぎるだろ。せめてアレが元いた世界に戻す、ってのがあたしらのやるべき事だろ」


 【転移門】で辛い後悔を経験をしたという母ちゃんは【転移門】が起こす事件に関しては譲らない。

 

 問題はどうヤツを元の【転移門】まで動かすか、なんだけど。


「あたしらが全力で攻撃してこの国から注意を逸らして誘導するしかないわね」

「…あたしら、とは?」

「あたしとユート」


 二人だけかよ⁉︎


「『ふたりはハイエルフ』だからな」  


 プリキュ◯みたいに言うな。


 どうやらアレが魚人の王国に向かって移動しているのは最初に異常を察知して現場に向かった討伐大隊がそのまま正面から攻撃をして一直線に王国に逃げ帰ってしまったから、らしい。なので攻撃した方向でアレの進路を変えられるのではないか、という事だ。


 まずはやってみよう。 俺と母ちゃんはアレの後方にあるはずの【転移門】を確認しに行った。おどろおどろしい色をした一帯、透明度がだいぶ落ちている海の中。とても視認できる場所じゃない。


「眼に見えなくてもあたしらには確認出来るだろ」


 そう言ってグリュエラ母ちゃんは自分の身体に降ろした精霊の力を使う。水の精霊と土の精霊に頼んで異常の原点ー【転移門】の位置をおおよそ掴む。面倒なのは魔力持ちが近付き過ぎるとまた勝手に門が作動してしまうから精霊が近付くのですら細心の注意が必要だ。

 その探索を全方位から同時で行う。あんまりにも精霊の制御が見事なので俺の出る幕がない。唖然とした顔で母ちゃんの作業を見てる。うーんハイエルフになって一年の俺とは年季が違う。


「場所の特定は出来た。アレの注意をこちらに向けるよ‼︎」

「母ちゃん、ハイエルフに水中で一番効果がある攻撃法何がある?俺思いつかんのだけど」

「一番効果あるのは炸裂兵器。あんたカナコちゃんから手榴弾とか炸裂弾とか貰ってるでしょ⁉︎理想はミサイルとか魚雷なんだけどね‼︎」


 ハイエルフ関係ないじゃん…。

 以前クラーケンに使った竜巻で海上まで巻き上げて雷で攻撃という手はあの大き過ぎる巨体では無理だろ

うしな…。


「ただし…。もう一段階進化したエルフならアレが使える」


 母ちゃんを凝視する。なぜ気が付かなかったんだ。俺と同じで五大精霊を降ろしているもんだとばかり思ってた。

 母ちゃんの中には七大精霊が揃っていた。


 俺達はアレ…クトゥル◯の背中ギリギリまで接近した。

 邪神に近付くと訳の分からない不安感に襲われる。闇の魔力がじわじわと漏れ出しているんだ。まさに邪神か。

 しかし母ちゃんは何でもないようだ。


「お前は手持ちの爆弾でアイツの気を惹きな‼︎頭を集中して攻撃だ‼︎」

「母ちゃんは⁉︎」

「まずは頭の触手を薙ぎ倒す‼︎ 光の精霊よ頼むぞ‼︎ソル・ビーム‼︎」

 

 グリュエラさんは光の精霊の力を纏い両手からイデ◯ンソードのように光の柱を撃ち出しそれを振り回し始めた‼︎

 ビームの柱がクトゥル◯のタコ足の触手を焼き次々と斬り飛ばして行く‼︎

 我が母親は無限力かよ⁉︎


 俺の実力じゃまだ光と闇の精霊は自力で味方に出来ていない。自分が今出来る事やるしか無いだろう‼︎

【ボックス】に仕舞ってある手榴弾を全部クトゥル◯の後頭部に叩き込む‼︎

 ズガガガガガガ‼︎‼︎

 爆音を上げて破裂するとクトゥル◯の巨体が前につんのめり前進を止める。


 俺と母ちゃんは少し距離を置いて様子を見る。クトゥル◯はターゲットを俺達に変更したらしく俺達に向けて動き始めた。まずは成功したようだ。


「お前は先に【転移門】の向こう側に行って待ってな‼︎あたしはソル・ビームでアイツを攻撃しながら後退する‼︎」


 正面向いてアイツを攻撃するなんて危険過ぎるだろ‼︎近距離でアイツの身体を見てみると所々に焦げた跡や金属の破片が埋まっている箇所がある。なんか機械の部品の様なものも。

 機械の部品をよく見る。ジュラルミン?何か船体の一部に見える。その船体の横によく知っている文字が。日本語ででかでかと『空中戦艦ミカサ一番艦』と書いてある。


 まさかとは思ったが多分あの知らない日本にあった空中戦艦のパーツに違いない。アレだ。ダイダロ◯アタックだ。ロボ形態の腕を打ち込んで火力兵器の全弾発射。打ち込まれた腕の破片が食い込んだままなんだ。

 あの世界から来たのか。

 という事はあの【転移門】を使って追い返せば元の世界…あの知らない日本に戻るだけだ‼︎

 向こうの彼らも相当な苦労をして撃退したはずだ。追い返したら…今度は対処出来ないかもしれない。


 ダメだ‼︎元の世界に返しちゃ‼︎

 アイツはこの世界で倒さないと‼︎


「母ちゃん‼︎ダメだ‼︎この作戦は中止だ‼︎先に【転移門】を壊す‼︎いいな‼︎」

「え⁉︎なんでよ⁉︎」

「アイツの身体を見ろ‼︎門の向こうには俺達の知ってる日本とは違う日本があるんだ‼︎大勢の人間が住んでいる‼︎」


 埋まってる金属の破片の日本語に母ちゃんも気付いたようだ‼︎


「‼︎ わかったよユート‼︎ あんたすぐにあの【転移門】ぶち壊して‼︎」


 さすが母ちゃん即断即決‼︎

 俺は急いで【転移門】がある辺りに行って土魔法大破砕を唱える。魔力を察知して起動を始めるがこちらの破壊の方が速い。光の柱が湧き上がる前に魔法陣は粉々になって消え去った。そうだ魔力を感知して起動する前に間に合うなら魔法で攻撃も出来るのだ。危険だけど。


 さて…後はどうやってあのクトゥル◯を倒すがなんだが。


 どうしよう。

 


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