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53 【悪魔】の気配

大変な世の中になりましたが粛々と更新は続けますのでよろしくお願いします。

 マーサさんとアベリアの決意はその日のうちに家族皆に知らされる事となった。


 反応は様々である。折角集まったんだからずっと居ればいいのに、と単純に思うミカさんやシトリージュさん、種族や役割の誇りは大切だと理解を示すドレスティアさんやガブリールさん。

 しかし、トーカさんやグリュエラ母ちゃんは俺と同じ様に何かあれば対処するという姿勢のようだ。Sクラス冒険者ってみんなこうなるのか?やだやだ染まって来たなぁ。

 俺はどうせ戻るなら『勇者アベリアの凱旋』を派手に魔王国で演出してやればいい、と提案した。策略好きなサークライがなんかやってくれるだろう。


 その日の夜。俺とグリュエラ母ちゃんが親父に呼び出された。俺は一緒のベッドで過ごしたくなんかないぞ⁉︎ 断ろうとしたらそんな甘い話じゃないと言われた。


「情報の擦り合わせだ。お前達に伝えとく情報がある。」


 そのくせ部屋に入るとハイエルフの格好じゃなかった俺に露骨にがっかりするエロ親父。何なのバカなの? え?ハイエルフの格好じゃないと話す意欲が湧かない? ぶん殴るぞクソ親父‼︎ …母ちゃんの機嫌がちょっとだけ悪くなるんだよ。俺のナイスバディを見せるとさ…

 え?大丈夫だから?俺が慰めるから? やだよそんなの子供に見せつけるなよ。あーわかった。はいはい。

 諦めてハイエルフになってやった。早く話を進めろ。


「転移門潰しの旅の中で聖王国に出た事があった。」


 何だって? 

 詳しく親父の話を聞く。未知の転移門をトレースしていたら偶然聖王国内に辿り着いた。しかもそこは聖教会らしき建物の内部だったと言う。周りは人間だけで皆神官らしき衣装を身に付けていたから。しかも相当高位の神官の自室らしい。調べるとその転移門は壊されていたがすでに使用されていた跡があった。部屋の持ち主の気配がしたので隠遁魔法を使って隠れた。この男は…見た事がある。初めて勇者マーサと対峙した時横に立っていた一際高い神官帽を被っていた男。司祭長だ。 親父の隠遁はあっさり気取られたらしい。膨大な魔力を感じたと言う。親父がいる空間を凝視すると眼からビームを放って来た、と言う。

 判断が遅れればやられていたかも知れない、と。


「つまり…どういう事だってばよ?」

「聖教会の司祭長がその転移門を潜って現れた【悪魔】かも知れない、って事だ。」

「転移門を通って来た…として、被害者かも知れないじゃないか。」

「眼からビームを放つ奴が転移被害者…ならな。」


 【悪魔】?知能があり人間に擬態化するというなら親父が恐れていると言った【高位の悪魔】か⁉︎


「【高位の悪魔】は転位によって莫大な魔力を手にしさらに強力な悪魔になってこの世界に上位種として君臨する。だがいい奴もいれば悪い奴もいるという事だ。例えば…サークライと俺のお師匠や世界樹のババア。あいつらも元は転移門を潜ってこの世界に来た【高位の悪魔】だ。」


 はあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎


「マーサのいう通り聖教会が諸悪の根源と言うのならラスボスは司祭長だろう。そいつはいいにしろ悪いにしろ【高位の悪魔】の可能性が高い、と言う事だ。それを踏まえて行動しろ、と言っている。」

「…この話、マーサさんには?」

「した。その上で聖王国に戻ると言っているんだ。」

 

 だから、と言って親父が続ける。


「どうせグリュエラは言っても聴かないだろ。こいつもどうやらお前に似て自分の思った通りの事しかしたがらない。好きにしてくれ。だけど家族の事、後悔のないようにな。」


 ずるいなクソ親父。情報をパラパラ小出しにして後はお前達の自由?ふざけんなよ動かざるを得ないじゃないか。


「わかった。俺はマーサさん達と一緒に聖王国に行って来る。母ちゃんは好きにしてくれ。」


 グリュエラ母ちゃんは俺と親父の頭をぶん殴る。


「「痛え…」」

「バカ親子が‼︎ 同じ様な事言ってんじゃないよ‼︎似ていて腹が立つねぇ‼︎」


 俺と親父を抱きしめて言う。


「【高位の悪魔】って奴は厄介でねえ…対処の仕方を間違えれば大陸が火の海だ。私は私で心当たりに聞いて来るからあんたら勝手な事すんじゃないよ。」

「「心当たり?」」

「世界樹のババアさ。」


 わーお。大嫌いなエルフの里に里帰りしますか母ちゃん。爺ちゃん婆ちゃんによろしく。うん詳しくは聞かない。





 その後、ジンギ翁から商業ギルドから不動産業者に手を回して貰って魔王都の山手の一等地にお屋敷を用意してもらった。『魔王モンマのお屋敷』である。驚く事に今まで魔王の自宅が魔王国にはなかったのである。嘘でしょ。たまに帰って来てたんだろどこで暮らしてたんだよ⁉︎ へー。王都庁のサークライの部屋に居候。そうですかナカガイインデスネ…


 屋敷は子供達の拠点とし、母親達は好きな時の王都宅に、親父は呼び出したら必ず来る、と約束させられていた。それぞれの母が使用人を見繕って屋敷を管理させる事にしたという。メイド筆頭がミヤマさんである。きっとしっかりリィカを管理してくれるだろう。


 てか、何名か貴族っぽい人もいるので貴族の館っぽい事になりそうで少し窮屈かも知れない。


「魔王家なんですから。何言ってんですか。この国の象徴なんですよ⁉︎」


 一家のほとんどがえっ⁉︎という顔をした。うん、そういう公式の顔は貴族っぽい人達に任せようと思ったのは多分俺だけじゃないはずだ。

 


感想・ブックマークなどよろしくお願いします。

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