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45 決戦‼︎勇者VS魔王の子(どっちも魔王の子だけど)

通院でマスクが必要なんですけど未だにろくに入手出来ません。散髪屋さんで愚痴ったらマスターが手作りマスクを下さりました。ありがとう。

==前半は三人称で進みます。==


 △の月1日早朝。聖グローザム王国。

勇者の行方を見失ったまま手を拱いていた王国軍を他所に王国全土の空に突如低い雲が垂れ込める。

と同時に映像が映し出された。

そこには…我らか勇者アベリアがいた。



==================



とうとう△の月1日がやって来た。

アベリア対ユートの本番の日である。本来の行事の卒業式等イベントを午後にして対決は朝から行われる事になった。


 朝早くなのにスタジアムは魔王国民で大入り満員である。国民も派手に煽る新聞記事でこのイベントの事を周知していた。

 そんな人々の中に見知った冒険者パーティーがいた。【砂塵の輩】のメンバーである。


「まさかユートちゃんが魔王の子だったなんてなぁ。」


 ドワーフのサブナが零す。


「それより何をやったらたった一年で初心者がSランク冒険者になれるってんだよ。」


 猫獣人のキャトーがモニターを見ながら飽きれた様子で言う。


「…一回マジで戦ってみたいな。」


 笑いながらポツリと呟く虎獣人のディック。懐かしさを含んだ眼差しでモニターを見つめる。

 会場自慢の巨大モニターにはユートとアベリアの盛りに盛ったエピソードが羅列されていた。

 ユートは二度の【スタンピード】を鎮圧し、魚人の里を襲った極大クラーケンを退治し、聖グローザムの大聖堂を破壊した魔王の子にして【魔王国の風雲児】として紹介されている。

 対してアベリアはその二度の【スタンピード】を起こした脅威、聖グローザム王国の【全権特使】として紹介されていた。もちろんフカシである。


===================

 



この映像がしっかり聖王国の空のスクリーンに映し出され音も雲間から響き渡る。

茫然と空を見上げる聖王国民。王宮では国王も王子も空を見上げている。


「な、なんだ勇者は無事魔王都に到着しておるではないか…。」 

「は、はあ…。」


 なぜこんな映像が空に浮かんでいるのか誰も問えない。想像の外過ぎるからだ。

 ただ一人これが魔王国の仕業だと理解している者がいた。


「おのれ…‼︎おのれええ‼︎勇者を単身で敵地に送るとは何たる愚行…‼︎奴らの思惑に利用されておるではないか‼︎」


 聖教会で空を見上げながら地団駄を踏む司祭長であった。


================


 

 スタジアムに着飾った勇者アベリアが現れる。カメラ映えのする美しい軽鎧だ。キラキラしてる。サークライが特注で作らせてた。

 対する俺は【魔王の子】らしく黒を基調とするシックなエルフ服。ちょいエロなので断固拒んだが家族(13人の女供)の意見で押し切られてしまった。

 まあいいや。さあ始めよう。


「よくぞ単身敵地へと参られた‼︎さすが聖王国の誇る勇者殿である‼︎」


 アベリアも始める。打ち合わせ通りに。


「一対一のこの勝負にて聖王国と魔王国の決着をつけようぞ‼︎それで遺恨はないな⁉︎」

「おう‼︎では勝負をつけよう‼︎参る‼︎」


 俺達の下手くそな口上が終わり対決が始まる。さあ出来るだけ派手に。

 

 互いに剣を抜きアベリアが仕掛ける。俺が修理した聖剣を振り下ろす。俺も自慢のショートソードで受ける。互いにオルハルコンを鍛えた上質な剣だ。そしてよく魔力を通している。

 刃と刃がガチィと噛み合った途端に七色の火花が飛び散る。天然の特殊効果だ。刃が噛み合うだけでとても派手に見える。

 アベリアは覚えた【殺陣】どおりに剣を奮っていく。俺はそれにショートソードを合わせて行く。

 息もつかない火花の猛攻で観客のボルテージがガンガン上がっていく。


「やれええええ魔王の子‼︎‼︎」

「あの勇者も強えぞっしかも正々堂々一人で真正面から打ち合ってる‼︎」


 観客席ではリィカ達もポップコーン片手に応援をきれる。


「兄上がんばえー」

「アベリアちゃん落ち着いてー」


 呑気なピクニック感覚である。


 俺は悪役っぽくたまに見た目派手な魔法を放つ。しかし膨大な魔力を持つ勇者には通用しない。(事前にいろいろ試してみたらほとんどの魔法は本当に弾かれた。今更ながら【勇者】の聖属性すげえ。)

 大袈裟にたじろいで見せる俺。


==========


 聖王国の住民も盛り上がっていた。


「さすがアベリア様‼︎我らが勇者‼︎」

「ゆうしゃさまがんばえー‼︎」


 大人も子供も大声援である。

 王宮は混乱していた。勇者と共に大軍勢を送れなかった以上この戦いを見守って結果を見てから行動すべきという王・第三王子派と勇者を取り戻す為に直ちに兵を派遣すべきという王弟・第一王子派が揉めている。その合間に空を見上げながら一喜一憂しているのである。


『勇者アベリア果敢に攻めます‼︎ 敵ながら素晴らしい動きをしますね解説の魔導王サークライさん‼︎』

『そうですね。勇者の育成には定評のある聖王国の教育能力の高さが伺えます。』


「うおお魔王国の奴らが聖王国を褒めているぞおお」

「我が聖王国の勇者様は世界一ィィィィ‼︎」


 王宮でも変な盛り上がり方になってきた。


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