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44 卒業準備

 俺は妹達から離れて大人組の会議に合流した。…のだが。結論から言うと無謀。超絶無謀。怪獣大進撃ですわ。何なのこの人達…。


 グリュエラさんとカブリールさんは早朝に一戦やらかしたらしくガブリールさんの美しい白翅が少し焦げ臭いのがわかる。自分で自分に回復魔法をかけてる。

 ドレスティアさんとトーカさんはミカさんの開発した近代武器類を眺めて頷いている。マーサさんとシトリージュさんは聖王国の戦略情報を共有している。

 で、我が母グリュエラさんは…居眠りをかましておられる。

 この集団リーダー誰やねん。


 

 柄じゃないけど音頭を取ってみる事にしよう。


「で、ですね。皆さんは△の月1日に親父が魔王都に現れたら何をしたいんですか?」

「「「「「「独占‼︎」」」」」」


 奥様方の欲望が子供の前でほとばしる。うん親父のせいだな。絶対殴る。

 

「では、親父がなんで転移門を使って出回ってるのか理由を知ってる人はいますか?」


 そもそもはそこなんだ。なんで嫁さんから逃げ回っている、と取られる様な行動をしているんだ?


「全員の相手をする体力がなくて逃げたんだろうよ。魔力は膨大なれど身体は生身の人間じゃからな。」


 龍のドレスティアさんに言われると説得力あるというかそりゃ龍の嫁さんのお相手なんて苦労のわかりみありすぎ。


「我々のわからない大事なお仕事をしているんじゃないでしょうかね?」


 まともな回答がシトリージュさんから出る。さすが眼鏡キャリアウーマン、そういう答えを待っていました。


「自分を罠にかけた…つまり最初の転移門を仕掛けた犯人を追っているんじゃないかな?」


 マーサさんが真理っぽい所を突く。知的コンビは違うな。


「転移門が自分で開ける様になって他の世界が楽しくて遊んでるだけだと思うねー。」


 ミカさんがミカさん的な真理っぽい所を突く。他の多数のお母様方もうんうん肯く。そう思われてるって事だよな親父。


 結局どれも有りそうな説だらけで本当の所はよくわからなかった。ただ…もしかすると重大な事情が隠されているのかも知れないのを出来るだけ楽観的に捉えようとしているようにも見えるんだよなぁ。

 会って直接聞くしかないか。


居眠りを決め込むグリュエラさんの態度が俺には気になった。





 △の月1日まで後一週間。俺達は魔王軍に国境線の守備を任せてみんなで魔王都に移動する。

 【魔王国十傑】の内七名が纏めて移動するので普通に好き勝手に動けるわけもなく、大名行列のような移動イベントになってしまった。もちろんサークライの主導だ。目敏いというかまあ魚人や龍の王族もいるし仕方ないか。

  順番は女王や王族からという事になった。先頭はシトリージュさんてマリージュからだ。続いて龍のドレスティアさんとリィカ。殲滅天使のガブリールさんとアリエルだ。殲滅天使も天使族の偉い人だったらしい。

魚人の住人や爬虫類系の獣人が大騒ぎでパレードを迎える。龍は爬虫類系獣人の頂点らしい。大人気だな。天使族は有翅系にきゃーきゃー言われてる。こうしてみるとこの国は人種の坩堝≪るつぼ≫だな。

 続いて鬼、ドワーフ、人間、エルフと進む。グリュエラさんエルフの長老の孫なんだからそれなりに偉いんじゃないの?

あ、家出娘だから目立ちたくないと。成る程。まだ逃げてるのか…


  こうして大名行列は盛況のうちに終了し全員が魔王都に入った。





 ギルド学院の方も粛々と卒業式への準備を続けていた。


 結局毎年恒例の【最優秀生徒賞】はレンが受賞した。『希少な回復役でありバッファーであり、学院内で真面目に魔術の理論を学び実践し、その結果学院生最高位のCクラスを獲得した』のが受賞理由である。彼女そして彼女の所属するパーティーに学院長との謁見が許される事になった。

 …俺の功績は全無視扱いになった。こんちくしょう。

 一年でSランク冒険者になるという常識外れを推奨する訳にはいかないという組織の論理的なアレだ。

 学院では危なくて触れられないという結論らしい。

 まあ、表立って表彰はしないが実質お前さんが最強番長だよ、と担任は微妙な言い回しで褒めてくれた。

 リィカは『なぜ妾が最優秀生徒でないのじゃ⁉︎』と吠えていたがお前ずっと食ってばっかりだったじゃんか。


「何が悲しいってもうユートきゅんの愛しいスイーツが食べられなくなる事だわ。」


 親しくしてくれた委員長が名残惜しそうに俺の出したシフォンケーキを頬張る。


「何言ってんだちゃんとレシピも教えたし自分で作れる様になったろ?」

「でもやっぱり何処かユートきゅんの作るモノとは違うのよねぇ。ねえ、卒業したらユートきゅん、魔王都でスイーツのお店開かない?相談に乗るわよ?」

「ナイスアイデアじゃ‼︎」

「店舗候補地の選定など私にお任せ頂ければ…」


 委員長の提案にリィカとミヤマさんもがっつり食い付いて来た。

 いや、考えてないから。…いやいや?うむ、兄妹が集まるスポットとしてはアリかも知れないな。少しは考慮しよう。


 思えば委員長もクラスメイトも皆いい奴だ。卒業してもこの縁を大事にしていきたい。



 サークライとミカさんの方も準備は着々と進めている。

△の月1日の俺とアベリアの対決を生中継するつもりなのだ。魔王国内だけでなく聖王国の空にも。

 その為の魔法と科学の擦り合わせに腐心している。

学院の傍のスタジアムにバカでかい4Kモニターが備え付けられている。何で4K!?そんな高機能いらんでしょ!?


 幾ら掛けてるのか心配になって来た…。

次回は土曜日の予定です。

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