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38 男女達のUTAGE

眼のほうは様子見になりました。身体ポンコツなんですみません。ここのところ2000文字超で抑え気味なので今週もう1話更新してみます。

 いやどうしてこうなった⁉︎

 俺の妹パラダイスにお邪魔虫がやって来た。今学院女子寮のテラスに俺達兄妹の横に美形のお姉さんが立っている。…見た目は。


 いやいや、大体なんでSクラス冒険者に護衛なんか必要なんだよ⁉︎おかしいだろ⁉︎


 美形のお姉さんジルベルトは真顔で言う。


「そうだね。貴女の護衛というより貴女の大事な身内の護衛、と考えて貰った方がいいね。」

「麒麟の姉ちゃんは妾らの護衛なのか?いらんぞ?妾は強い。」

「リィカちゃんは強いけど一番下のマリージュちゃんとかは護衛が必要だよね?ユートが強過ぎていろんな人に恨みを買っちゃったりすると八つ当たりで君たち妹に矛先が向いちゃうかもしれないだろ?」

「そうじゃなあ…。」


 お前らなんでそんなに馴染んでるんだよ。


「兄上ー、パンケーキ食べたい‼︎」

「あ、兄者、僕パルフェ‼︎」

「お前ら食ってばかりだと太るぞ‼︎」

「兄上が勝手にSクラスになんかなるからじゃろ‼︎極端にクエストが減ってしもうたではないか‼︎」

「そーだそーだ‼︎どうしてくれる⁉︎」


 リィカとレンは本当に遠慮がなくなったなぁ。


 まあ、文句を言われても仕方ないのである。Sクラス冒険者とは実をいうと国家級緊急案件専用の人員であり、通常のクエストをこなす冒険者とは既に仕事の内容が違うのだ。いつでも国やギルド上層部の緊急呼び出しに応じなければならないので待機が多い。なので【魔王の眷族】での活動がほぼ無理なのだ。申し訳なく思っている。いやほんと。


 現在リィカとレンはクラスの他のパーティーの依頼に混ぜてもらっている状況だ。真面目に学院のカリキュラムをこなしているので俺は駄目でもリィカかレンのどちらかが最優秀生徒賞を取れるだろう。

 俺は…Sクラス冒険者の資格が取れた段階で学院にめっちゃ疑われた。滅多に現れない親父の代わりに学院の監査に来たスパイなんじゃないか、とか。学院の講師陣になんか後ろめたい事でもあったのか、もー嫌われる嫌われる。規格外過ぎて疑われるとは知らなかった。向こうじゃ凡人だったからそういう感情を受ける事には慣れてなかった…。


「ユートは妹達の為にスイーツを作るのが得意、と聞いているよ。優しいね。私にも作って欲しいな。婚約者としては。」


 こいつサラッととんでもない発言したー‼︎


「「こ、婚約者⁉︎」」

「う、うそだかんなー‼︎」


 全力で否定する。


「あーにーうーえー‼︎リィカ達を放って置いていったい何をやっとるのじゃー⁉︎」


 リィカが泣きながらポカポカ殴ってくる。リィカはたまにこうやって癇癪をぶつけて来る。13歳だが姉妹の中では一番中身が幼い気がする。龍族は長寿だからな、大人になるのも遅いのかも知れない。

 頭を思いっきり撫で回してやる。ぐりぐり。


 二人にパンケーキとパルフェのセットを作ってやる。面倒臭いのでジルベルトにはパンケーキにアイスを乗っけて出す。いやなんで護衛をもてなしてんだ俺。


「美味しいよ。嬉しいなぁ料理上手な奥さんと暮らせるなんて。」

「その言い方をやめろっつってんだろおおお‼︎‼︎」



 午後になるとリィカとレンは委員長のパーティーと合同で日帰りクエストに出掛けるので俺だけ裏庭でショートソードを振っている。誰もいないので男の姿でだ。弱点を減らす為に。男の姿は明確に俺の弱点なのだ。

 母ちゃんに教わった型をひたすら繰り返し身に付ける。今の身体には精霊は降りて来ない。出来るだけの魔力を通し剣を軽く早く扱う。振る、振る、振る。

 丸太にザクザク斬撃が刻まれていく。


「人の下手な訓練見てんじゃねーよ‼︎恥ずかしいだろ‼︎」


 後ろでこれを見てんだよアイツがよ…

 軍の大隊長なんかに正直見られたくねえよ‼︎アイツに比べれば素人剣法だろうよ‼︎

 ジルベルトは何も言わず静かに佇んでいる。まるでちゃんとした護衛の様だ。


 構わず剣を振る。丸太相手に無心で振る。

 するとジルベルトが男性化して剣を構えて俺の前に立つ。


「…何のマネだ?」

「練習相手が欲しくないかい? 軍式剣術になるけど丸太よりマシだよ?」


 馬鹿言うな丸太どころか勝てる気がまったくしねえ。しかし練習相手としたら最強だ。素直に俺の成長の踏み台にさせて貰おうか。


 迷わず踏み込んで斬り込む。ジルベルトが難なく受け流す。ジルベルトが返す剣で薙ぐ。今度は俺が受け流す。チャリンチャリン。甲高い心地良い音が響く。テンションも上がって来る。

 風の魔法を加えてスピードを上げていく。ジルベルトもスピードが上がる。斬り結ぶ回数がどんどん上がる。


 さすが軍人だ。まったく隙を見せる気配がない。というか隙を所々見せてはこちらを誘ってる。その手に乗るか!どうにかしてあいつを驚かせる攻撃をしたい、そう思わせる。


 楽しい。この時間が楽しくて仕方ない。


 どれだけの時間剣を交えただろうか?突然あのヤバい匂いが漂って来る。

 麒麟の求愛のフェロモンだ。

 身体がまた痺れて来る。


「出てる出てる‼︎お前あのヤバいフェロモン出てる‼︎反則だぞ‼︎」


 いつもの微笑みでジルベルトが言う。


「ごめんごめん、つい興奮し過ぎちゃって抑えられなかった。つい抱かれたくなっちゃった。」

「男の姿で言うなー‼︎」

「じゃあ抱きたい。大好きだよ。」


 もうやだ、こいつ‼︎

 

次回は水曜日の予定です。

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