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36 マサオの大冒険

眼の病を発症しました。他にも山盛り病はあるのですが。とりあえず20話近いストックはあるので更新はしばらく大丈夫です…

「魔王の事を何も知らないのはいくら何でも可哀想だ。奴がこの世界で何をやらかしたのか是非聞いてもらいたいのだ。」


 えーと、それはもしかして魔王への愚痴が始まるのではないでしょうか?



 ミューラーさんの独白が始まる。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 魔王マサオ=モンマはある日突然この世界の獣人社会に現れた。

 この世界、人間も混在しているが圧倒的に獣人の方が狩猟などの生き残る能力が高く、むしろ人間は弱い生き物だと馬鹿にされていた。だからこそ聖王国の様に城壁に囲まれた所で集団で閉じ籠って生活しているのだ。

 だがマサオは弱くなかった。

 莫大な魔力を持ち、その魔力の使い方を熟知していた。どんな獣人、魔物より強い人間だった。

 恐ろしい事に魔力が色で目に見えるという。

 その色で味方・敵・相手の感情・体調までも判るらしい。

 

 しかし彼の最大の特徴は『人たらし』。 

 フレンドリーというか、トラブルにすぐ頭を突っ込む。

 家出したエルフと組んで冒険者になったり、暴れ龍を折伏して仲間にしたり、エルフを狙って攻撃を仕掛けて来た殱滅天使に付き纏われたり、人魚の姫を救い出したり、ドワーフの里の危機を救ったり…


 私と出会ったのも見知らぬ獣人を助ける為の霊薬を探しての事だった。麒麟の髭が材料だったので一悶着あってだな…まあ昔の事だ。


 他人を巻き込んで騒動を起こすが結果周りに利益というか幸運を振りまくというか。良い結果に流れてだな。農作物でも灌漑かんがいでも彼の指導で環境が好転するので自然と人に囲まれていった。


 極め付けは閉じ籠っていた人間の国からやって来た【勇者】の襲来だ。

 

 人間以外は魔物と同じ、という価値観の集団の中から稀に莫大な魔力を持った強者が現れる。それを『魔物憎し』の教育で囲い込んで我々に放って来たのだ。

 我々にとっては殺戮の嵐を巻き起こす理不尽な自然災害のような存在だった。

 私達も自警団を組んで必死に対抗したが獣人の力ではどうにもならなかった。


 数々の獣人の集落を襲い滅ぼしていく勇者。そいつを跳ね返し取り押さえたのがマサオだった。

 ていうか勇者をたらし込んで味方に引き入れた。


 激怒したのは聖王国だ。全人間が立ち上がり獣人達に戦争を仕掛けて来たのだ。

 国家として戦争を仕掛けて来た相手に社会形態が里単位でしかない獣人は慌て逃げ惑いあるいは個々に迎撃するしか手がない。


 そんな獣人社会を【十傑】を結成する事でまとめ上げたのがマサオだ。

 どいつもこいつもマサオを頼りにするんで仕方なく、というのが彼の本音だが。


 膨大な魔力と異界の知識で聖王国の軍勢を蹴散らし、土地の半分を奪い返し、獣人・亜人の国を建国した。それが魔王国だ。

 まあ国サークライやジンギ翁や私、ミューラーの実働組が落書きみたいなマサオのメモを参考に必死に国としての体裁を組み上げたのだがな。

 


 国を建国し聖王国を退け英雄として祭り上げられたマサオはやがて【魔王】と呼ばれ国民に愛された。嫁を娶り王家を興してこの国を末永く盛り立てて行ってくれると誰もが思っていたのだ。


 だが奴はそんな気はさらさらなかった。

 一生冒険者でいたい、と一言いうと魔力の揺らぎに導かれ転移術で飛び回る様になった。


 数々の首輪をつけて動きを把握しようとしたが

この10年まったくの無駄だった。何処で何をしているのか皆目見当もつかない。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「え?」

「そう。見当もつかない。まったくこちらとは連絡が取れないのだ。」

「毎年ギルド学院の卒業式に顔を出す、のでは?」

「それもたまたまだ。約束している訳じゃない。何故かその日だけ学院に顔を出して生徒に会ってまた気まぐれにいなくなる。何が目的だかさっぱり解らん。十傑どころか自分の妻にも知らせずにだ。それでもやって来るのは事実だから学院が派手に宣伝に使っているのだな。」

「なんじゃそりゃ。」

「毎年奥方達が待ち構えて捕まえようとするがのらりくらりと躱して転移術で消えていくんだ。ズルいだろ?奴はサークライの持つ転移門と違って魔力の揺らぎを使ってどんな時でも自分の意思で転移出来るから厄介でな。」


オッスオラ◯◯!さんの瞬間移動のようなもんか。恐ろしいな魔王マサオ。

 なんで向こうで普通の人間だった奴がそんな存在になるんだ…と思ったりするが自分にも覚えがある。

 こちらの世界に来て魔術回路の存在に気づくと魔力が膨大に膨れ上がるのだ。もしかすると異世界渡りの特長かも知れない。



 ミューラーさんの昔話はかなり為になった。

お礼を言って軍庁舎を後にしようとすると夜になっていたので寮まで送ると兵士が馬車を出して来る。

 ああ、見た目女性だから気を使ってくれてるんだろな…

 

 断るのも何だなと思って馬車に乗った。すると馬車は知らない道を走って行く。どういう訳だろう?拉致ってヤバい事をするつもりだろうか?エロいマンガで言う所のハイ◯ースされちゃってるのかな? まさか昼間の仕返しで殺そうとでもしてるのかな?

 魔王軍の兵士はかなり上質の訓練を受けてる風に見えたんだがなぁ。

 



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