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99師匠のお家にお邪魔します

大変申し訳ありませんでした、同じ98話を1週間気付かずアップしてました。修正して99話をアップします。ストックが完全になくなりましたので明日の水曜日にもう1話をあげるとしばらく更新が止まりそうです。申し訳ありません。

 リビングに戻るとトリーン師匠は世界樹ちゃんの頭を撫でて随分明るくなったのうと褒めていた。師匠の注文の品を用意出来たと言うと皆に早すぎないかと驚かれた。そりゃそうだ話を貰ってから二時間と経ってない。

 するとキッチンでずっと俺の様子を見ていたミーユたちが証言する。


「兄ちゃんの傍らから瞬間移動のようにスポンジケーキが現れてあっという間にデコレーションされてて収納されてた。何の魔法か知りたいよ」

「兄ちゃん、あたしたちにも出来るー?」


 あれは時空魔法という闇魔法。引き延ばしたり縮めたりする事が出来る魔法だ。全力で使うには俺も精霊の力を借りないと無理なんだけど。


「ん、まあ、そこはエルフの秘術なのでみんなには難しいかな?ごめんな」


 一様にがっかりする妹たち。小さい幼女はアニメ的な魔法使いに憧れるのだ。パッパッパのチョイナでケーキを出せる魔法は現実にはないからなぁ。

 そうするとトリーン師匠が提案をして来る。


「今ここでも【ボックス】に受け取れるがわしのお気に入りの様々な菓子も作って貰いたいのだ。家にストックがいくつかあるからうちまで来てそれをサンプルとして持って行ってくれんかのう?ついでに自宅の保管庫に置いていってもらいたいのだ。もちろん代金は払うぞ」


 お店で売ってる人気の菓子を作るには注意が必要だ。多分この世界には特許や意匠登録や著作権とかいう制度はないとは思うので個人で菓子を真似て作っても問題はないと思うが、日本人的良心が痛むのでお金は材料費以外頂かないようにしたい。お金を取ってしまうとここの商売人達の邪魔になってしまうから。

 その旨を説明して納得してもらう。


「…お前の子供らしい妙な規範意識があるやつじゃのう?」

「日本育ちですから」

「お主の故郷だったか?サークライのアホもその日本とやらで育てばあんな奴にならんかったろうにな…」


 随分とサークライには辛辣な師匠である。これはますます報告しない方が良さそうだ。しかしサークライは日本で育ってもそれなりにサイコパスになったと思うんだけど。大体サークライ何やったん?


「あいつは昔から師匠大好きでな。あまりにもしつこいし何回嫌いだと言っても懲りないので師匠は出来るだけ近づかないようになったんだ。大体好きな理由が永遠のロリだからだぞ」

「失礼な‼︎わしはまだ成長中だ‼︎」

「500年成長しないってなんなんですかね⁉︎」

「言うたな歳を言うたな⁉︎むきー‼︎」


 この人も【悪魔】の名に相応しく常識を超えた年齢をなさってらっしゃるようだ。親父もさり気なく失礼を連発している。これ以上機嫌を損なわれても困るので切り出す。


「師匠の後用事がお済みのようでしたらすぐにお宅にまで足を運びますがどういたしましょう?」

「わたしもご一緒しましょうか?」

「…マサオがいっしょならいいぞ」


 親父の側を離れないトリーン師匠は親父が一緒ならと承諾をする。引きこもりの自宅に知らない人を入れるのは基本嫌なご様子だ。


「では行くか」


 そう言って屋敷の庭に出て懐中からメダルを取り出すトリーン師匠。メダルを弾くと自動でメダルが地面を走り出す。小さな魔法陣を描くとそれは光出した。もちろん【転移門】を極め尽くした専門家トリーン師匠も自在に【転移門】を生み出せるのだ。 

 俺と親父の手を掴んだままトリーン師匠は転移門を潜る。


 光を潜ってたどり着いた先はこじんまりしたいかにも研究所といった風情の部屋の中だった。異質なのは窓の外の風景が猛吹雪だった事だ。


「ここはどこですか?」

「場所で言うと東国連邦の更に東に山脈が連なるベルト地域がある。ドラゴン種しか住まわぬ高山地帯だ。そこの最高度にある天空山だな。外に出るんじゃないぞ。小屋の中は気圧を調整する魔法陣を張ってあるが外は人間の生存出来る環境ではない」


 トリーン師匠はここから甘いものや生活必需品を買い出しに人里に降りるようだ。


「この山脈の更に東方にも人の住む国がいくつかあるのだがのう戦争でどの国も蹂躙されてまともに店が営業しておらんのだ。東国もこの間足を運んだら首都が瓦礫の山になっておったしのう。まともに営業して美味い店が集まっているのは魔人国ぐらいじゃのう。砂漠のエルフの村や西国は辛いもので有名だが甘味は乏しくてな」


 大陸の東方には大小様々な人の興した国が存在するのだと言う。だが北方に広大な強国が一つあり連合を組む小国郡を常に侵略しようとするので安定しないのだそうだ。この大陸はどこもかしこも戦乱だらけなんだな。平和なのは移民の魔人国くらいのものか。


「ではケーキはどこにしまわれますか?」

「こちらに冷凍庫があるのでな、そちらに頼む。あ、10個づつ別にテーブルに置いておいてくれ。すぐに食べるから」


 冷凍庫はそこだけ気温の調整をしていない素の空間てだけでいわば倉庫だった。全ての物が凍っているがスイーツは大抵冷凍保存が効く。俺は棚の上にホールケーキを一つづつ置いていく。苺大福は箱詰めにしてあるものを積んでおく。納品完了。


 トリーン師匠はその奥の冷凍品の列を指差して


「そこからここまでがお主に再現してほしいスイーツじゃ。ひとつづつ持って帰って研究しておくれ」


 50種類ほど品物があった。こりゃあ大仕事だぞ。想像以上に大変な作業かもしれない。俺にとっては自分の技量を磨くまたとないチャンスだけど。


「では二週間ほど時間をくださいますか。それまでに全品作れるようにしておきます。連絡の方法はどうしましょうか。許可を頂ければここの研究所を転移銃にマークして登録しておきますが」

「そんなに早く出来るのか⁉︎50種もあるのだぞ⁉︎」


 トリーン師匠は予想外だったらしい。


「マサオ、この娘に転移銃を渡しておるのか?」

「わたしの仕事も受け継いでおりますから」

「あまり身内を便利に使うではないぞ。お前は家族に甘え過ぎじゃ」


 なんか幼女が説教臭いことを言いおる。あんなに親父に甘えていたのに。


「わしがマサオの屋敷に出向こう。それでよいかな?」

「わかりました。お待ちしています。」


 そうして俺たちは再び転移門を通って魔人国の屋敷まで戻って来た。

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