表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/22

今回は早く描き終わった!




 ボスの話が始まった。




   ‡




 希子と名付けられた子供を見つめる髭を蓄えた老年の男性が居た。

「今いくつだ?」

 老人は希子を抱く青年に聞いた。

「いま一歳です。可愛いでしょう?」

 青年は老人に希子の顔が見えるよう、希子を抱き直しす。

「だぁ~~ んん~  きゃっきゃ」

 希子が老人を見て喜んだ。

 青年は老人に希子を抱いてもらう。

 老人は「きゃっきゃ」と喜ぶ希子を見て、ニコリと笑みを浮かべたが、喜ぶ希子の顔を見てスッと笑顔が消えてしまった。

 老人は希子を青年に渡し、もう一人の青年に声を掛けた。

「夜堂、お前の子は?」

 夜堂と呼ばれた青年は布にくるまれ眠る息子の姿を流し見た。

「先ほど少し起きていたようなのですが…また寝てしまいました」

「どれ、顔を見せてはくれんか?」

「ええ、少々お待ちを」

 夜堂は老人に眠るわが子を渡した。

 老人は眠る子供を見る。一抹の不安がよぎり、老人の表情に影を落とした。

「これも仕方ない…」

 老人は眠る子供を夜堂へと返した。

「さて、この二人を生体認証鍵せいたいにんしょうキーにする事に異論はないな?」

 老人が鋭い眼差しで二人に問いかけた。

「はい。異論はないです」

 青年がそう答える。

「もちろん。同じく、異論などございません」

 老人は二人の言葉に黙ってしまった。

「…すまん…私の力が及ばなかったばかりに、お前たちの子供を巻き込んでしまった。本当にすまん。悠久はるひさや阿武隈、公河やお前たちで終わりにしてやってくれ。どうか、たのむ」

 老人から絞り出された後悔と、自分への怒りがにじむ言葉が二人に重く刺さった。

「わかってます」

「何とかしますよ」

 青年が笑って希子を撫でた。




 少年少女にヘッドギアが装着された。

 少女にはディガンマファミリーが守り抜いたデータが書き込まれて行った。

 少女の脳には、ディガンマの所有する金庫の在処と、ディガンマ創設時の文書などが書き込まれていった。

 少年の脳には複雑なデータが書き込まれてはいない。

 少年は鍵の鍵としての役割が与えられた。

 少女の脳に干渉し、書き込まれたデータを引き出すには少年が必要となる。

 そうして、二重のロックを掛けて情報を守ろうとした。




   ‡




 老人は少年少女が回復し、鍵としての役目を果たすことが出来ると告げられた日の夜、ガルダッドにより殺害された。




   ‡




「お前がそのカギだ。お前の親父が殺されたのは恨みなんかじゃねぇ、目的はお前だったんだ。アノ日襲撃者の人数は五人だった。それもトビっきりの精鋭が来やがった。だが、お前の親父は五人の襲撃者の内、三人を殺した。だから奴らは退却した。だからお前は生きてる。そして、お前がカギとバレたからお前に身を守るすべを教えた」

 ボスがいつになく熱い様子で、言葉を強く語った。

「……アイツはこれからどうするんだ?」

 夜堂がぼそりとこぼした。

「希子の事か? 誤魔化してはいたが希子もカギという事がバレた。本音を言うならここで一生をすごしてもらうのが一番だが、俺にはそうしたくねぇ。お前には生きてるすべも教えたが、守るすべも教えただろう? ガルダッドのやつらはお前たちを殺せねぇ。だから戦え、勝って希子を自分を守れ」

 夜堂が息を漏らしながら頭を掻きむしった。

「あぁ…くそ   守ってやるよ。絶対に。あいつを」


最後まで読んだな!

ホント最高だな! マジで!

お読みいただきありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ