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プロローグ

 街外れ、森の中で出会ったのは、黒髪の女の子だった。綺麗な紫色の目をしていて、魔物に襲われていた。

 あまり強いとは言えない僕だけれど、それでも、剣を振って、魔物を追い払った。


「あ・・・。あ、ありがと・・・。ご、ごめん・・・」

「怪我はない? 大丈夫?」

「う、うん」


 怯えた様子のその少女は、綺麗なドレスの様な服を着ていた。どこかのお譲様なんだろうか。

 でも、折角のその服も、土で汚れてしまっている。さっきの魔物に襲われて、転んでしまったようだ。


「あ、あの、あなた、何歳・・・?」

「ん、僕? 六歳だよ」

「じゃ、じゃあ、同い年だね。あ、あの、えぇと、また、此処で、会える、かな?」


 僕はもちろん、と首を縦に振る。その少女は名乗らなかった。けれど、忘れるはずもない。

 週末のたびに、森の中に入っていった。いつも、楽しい事を、沢山教えてあげた。

 花の名前だったり、簡単な遊びだったり、教えるものは、何でもいい。その時思いついたものだった。

 彼女は、本当に何も知らなかった。箱入りお譲さん・・・? でも、気にはしていなかった。


 ある日。彼女と会った僕は、彼女の様子がいつもと違う事に気がついた。

 何だろう。そう思っていると、彼女は急に頭を下げた。


「ごめんなさい。私、もう、あなたとは、会えない」

「え・・・? な、何を言っているの・・・?」

「あなたに迷惑が掛かってしまうの! 私と会ったことは、忘れてッ!」

「え、ちょっ・・・!」


 家に帰ると、魔王が復活したと、親に告げられた。

 其処で僕は、彼女の目の色を思い出したのだった・・・・・・。






 もし、また会えたなら、その時は、もっと沢山の楽しい事を教えてあげるから。

 もし、魔王が原因で、同じような思いをした人が居るなら、助けてあげたい。


 俺が、必ず、魔王を倒すから。

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