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1.A white dream
私は時々、この世界とは違う世界の夢を見る。
その夢の世界が違う世界という確証はないけれど、この世界とは何かが違う。
残酷なくらいに綺麗で、でも生きている感じがしない真っ白な世界。
幻みたいな、儚くて今にも消えそうな。
そんな世界。
私はそんな世界の真ん中で、一人で立っている。
視線の先には、誰がいるの?
誰かがいる。誰かはわからない。
自分とは明らかに違い過ぎる、色のある人。
自分は黒いのに、その人はカラフル。
その人が振り返って、何かを呟いて、そこで夢は終わる。
他の夢はどんなにインパクトがあっても忘れてしまうのに、その夢だけははっきりと覚えている。
どうしてこんな夢を見るんだろう。
この夢を見だしたのはごく最近だ。
本の読み過ぎかな、そんなわけないか。