表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ボーナス屋、勇者になる  作者: 爪牙
番外編Ⅱ
79/465

第74話 コッコくん、精霊を喰う!

 コッコくんの冒険はついに迷宮へ!

 本編主人公よりも冒険しています!

――ファル村 地下迷宮 地下3階――


 遺跡に入って1時間半位経ったかな?


 僕達は魔獣と遭遇する度に戦って倒し、階段を見つけたら下へと降りていった。


 今は2回階段を降りた場所を歩いている。


 ここは魔獣の巣窟て呼ぶにふさわしいほどたくさんの魔獣が生息している。


 最初に遭遇した蝙蝠をはじめ、百足や蛇、モグラ、ネズミなどいろんな種類の魔獣がいた。


 そして今、今度は蛞蝓の魔獣が大量に現れていた。



『ゴケェェェェェ!!(いやぁぁぁぁぁ!!)』



 蛞蝓が嫌いらしいテリヤキちゃんは、手加減無しで蛞蝓軍団を駆逐していった。



『ゴケェ~~~!!(テリヤキガトリング!!)』



 テリヤキちゃん無双!


 単独で蛞蝓軍団を全滅させた。


 そして、今日からうるさい位に聞こえる“あの声”が聞こえてきた。



〈テリヤキはレベルアップした!〉


〈テリヤキは新たに《水属性》を獲得した!〉


〈テリヤキは新たに《水属性耐性(Lv2)》を獲得した!〉


〈テリヤキは新たに《虫殺し》を獲得した!〉



 テリヤキちゃん凄い!


 たった1時間ちょっとで別人みたいに強くなってるよ!


 レベルも平均12まで上がっているし、僕を除いたらみんなの中で一番強くなってるし、気のせいか綺麗になっている。



〈テリヤキは新たに《汚れ無き羽毛》を獲得した!〉



 あ、また何か入ったみたいだ!


 テリヤキちゃんはとにかく強くなる。


 その大きな原因がテリヤキちゃんが進化した時から持つ《補食者の秘技》という能力だ。


 これは人間は持つことが不可能な能力のひとつで、食べた物によって何割かの確率で強さを獲得できるものだった。


 これのお陰でテリヤキちゃんは凄いペースで強くなっているんだ。



『ゴケゴケ~~!(気持ち悪~い!)』



 もっとも、本人はそのことを自覚しているのか分からないけど。



『ゴケェ~~!!(負けないわよ~!!)』


『ゴケェ~~!!(隣は私のもの~!!)』


『ゴケッコォ~~!(さあ進むわよ~!)』



 そういえば、テリヤキちゃん以外の女王(クイーン)×7は妙に燃えていたけど、どうしたんだろ?


 ま、元気なのは良いことだし気にしなくてもいいよな?


 じゃあ、先に進もう!




--------------------------


――ファル村 地下迷宮 地下10階――


 巨大蛇が現れた!


 なんだか昨日食べた精霊達にどこか似ている気がする。



『ククク・・・家畜がぞろぞろとやってきおったわ!』


『ゴケッ!?(喋った!?)』



 巨大蛇さんは流暢に人間の言葉を喋った。


 これにはみんな驚いた。



『ククク・・・我こそは暗き漆黒の精霊王よりこの迷宮の守護を任された守護精霊、名はナハト、愚かな人間に飼いならされた家畜どもよ、我が名をしかと魂に刻み込み我が糧となるがいい!』



 今までの魔獣とは比べ物にならない力を感じる!


 あ、奥からゾロゾロと似たような蛇が出てきた!


 巨大蛇と比べると随分小さいけど、それでも他の魔獣とは違う気配がする!



『ククク・・・我が(しもべ)達よ、愚かな家畜どもを骨も残さず食い尽くせ!!』


『『『ギョイ!!』』』



 あの蛇達も喋った!


 巨大蛇ほど流暢じゃないけど。


 って、一斉に襲い掛かってきた!


 ここは僕が・・・・



『ゴケゴケェ~~~!!(クリスピーローリング!!)』


『ゴケッゴォ~~~!!(レバースラーッシュ!!)』



 って、クリスピーくんとレバーくんが特攻していった!?


 ああ・・・一瞬で小さい方の蛇達が轢き逃げ(?)に~~~!



『『『ギャァァァァァァァ!!!』』』


『『『ゴケェ~~~!!(チキンブレス!!)』』』



 他のみんなも蛇達をフルボッコ―――――!


 あっという間に倒して残ったのは巨大蛇だけ。



『ククク・・・我が僕を倒すとはなかなかやりおる。だがそれもここまで、我が毒の餌食になるがいい!《黒毒の息吹(バイパーブレス)》!!』



 巨大蛇は口から黒い煙みたいなものを吐いてきた。


 この嫌な臭い、もしかしなくても毒だ!



『ククク・・・我が毒を浴びて生きられるものなどこの地にはおらぬ。愚かにも踏み入れてはならぬ場所に侵入した己の驕りを悔いながら死ぬがよい!』



 巨大蛇はもう勝った気でいるみたいだ。


 確かにこの煙は苦しい・・・けど死ぬほどじゃない。



『ククク・・・動けなくなったな。他愛もない。まずは群の頭のお前から食べるとしよう。』



 巨大蛇は口を大きく開いて僕を一飲みにしようとする。


 今だ!



『ゴケェ~~!!(コッコシャイニング!!)』


『グワァァァァァァァ!!??目、目が焼ける~~~~~~!!!』



 僕を食べようとした瞬間、僕は巨大蛇に向かって光の魔法を放った。


 大抵の人や魔獣にはただの眩し過ぎる光だけど、暗い所に住んでいる生物には物凄い効果を発揮する。


 しかも“闇”の力が強い魔獣や精霊には大ダメージを与えることもできるんだ。



『ゴケェ!!(今だ!!)』


『『『ゴケェ~~~!!(トサカビーム!!)』』』→クイーン


『『『ゴケェ~~~!!(エアロブラスト~!!)』』』→ウィザード


『『『ゴケゴケェ~~~!!(ゴールデンスラーッシュ!!)』』』→ナイト


『チョッ・・・ヤメ・・・・ギャァァァァ!!グハァァァァァァ!!ギョェェェェェェ!!』



 ドドドドドド・・・・・・!!


 凄い轟音を響かせながら僕達は巨大蛇をフルボッコしていった。


 そして止めは僕!



『ゴケゴケェ~~~!!(ホリーファイヤーブレス!!)』



 神々しく見える炎を口から吐き、巨大蛇の全身を燃やしていった。


 と、ここで不思議な現象が起きた。


 全身を焼かれている巨大蛇が見る見る小さくなっていった。



『ち・・・力が・・・・・・!』



 炎が消え、巨大蛇(ナハト)は巨大から普通に大きい程度のサイズになった。


 この感じ、昨日食べて吐き捨てたあの精霊達と似ている感じだ。


 ・・・ということは。



『(ジ~~~~~~~~。)』


『な、何をする気だ!?』


『『『(ジ~~~~~~~~~。)』』』



 僕達は小さくなった元巨大蛇を囲んでジッと見た。


 僕の経験からすると、昨日と同じ事がまた起きるかもしれない。


 また鶏神様(仮)に体を操られるかもしれないし、ここはみんなで・・・・・・



『ゴケッ!!(食べる!!)』


『『『ゴケゴケェ~~~♪(いただきま~~す♪)』』』


『ちょ、やめてぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!』



 僕達は一斉に元巨大蛇に襲い掛かって(精霊の力を)食べていった。


 その日、遺跡中だけでなく地上の方にまで正体不明の悲鳴が響き渡ったと後で勇者様から聞いた。


 それが「ファル村迷宮七不思議」の1つと呼ばれるのだが、それはまた別のお話。



〈コッコ団は全員がレベルアップした!〉


〈コッコ団は全員が新たに《闇属性》を獲得した!〉


〈コッコ団は全員が新たに《闇属性耐性(Lv3)》を獲得した!〉


〈コッコは《魔法耐性》がレベルアップした!〉


〈テリヤキは新たに《黒毒》を獲得した!〉





【名前】『黒毒の番人』ナハト

【年齢】1820  【種族】精霊

【職業】番人  【クラス】乙女精霊

【属性】闇

【魔力】2,790,000/2,790,000

【状態】空腹(小)

【能力】攻撃魔法(Lv3) 防御魔法(Lv4) 補助魔法(Lv4) 特殊魔法(Lv4) 変化術(Lv3) 黒毒

【加護・補正】物理耐性(Lv2) 魔法耐性(Lv3) 精神耐性(Lv4) 闇属性無効化 光属性弱化 毒無効化 麻痺無効化 暗視の眼 熱感知 闇の精霊王の加護


《光属性弱化》

・光属性の攻撃によって受けるダメージが倍以上になる。

・光の強い場所では全力を発揮する事が出来ず、弱体化する。


《暗視の眼》

・光の届かない場所でも数㎞先まで見通すことができる。

・僅かな光にも敏感なため、いきなり強い光を当てられると一時的に視力を失ってしまうことがある。


--------------------------


――ファル村 地下迷宮 最下層――


 あれから何時間が経ったのかわからない。


 僕達はついに遺跡の最深部に到着した。



『シクシク・・・・・・ここが一番奥の部屋です。』



 僕の背中の上で小蛇ちゃんが泣きながら遺跡で最も大事な部屋を教えてくれた。


 言わなくてもわかると思うけど、闇の蛇精霊ナハトちゃんだ。

 ナハトちゃんは女の子だった。


 力の大半を僕達に食べられて小蛇になっちゃったナハトちゃんは、もう立場がないとか泣き出したので仕方なく一緒に行動する事になった。


 途中、たくさんの魔獣や精霊に襲われたけど、その度に倒して食べて吐き捨ててを繰り返した。


 みんな強くなったから中層以降は猛スピードで進むことができたんだ。



『ゴケッコ!(中に入ろう!)』



 僕達は遺跡最深部の部屋へ足を踏み入れた。


 中に入ると、そこは地上のように明るい部屋だった。



『キャァァァ!眩しい!!』



 光に弱いナハトちゃんは反射的に僕から飛び降りて部屋の外へ逃げ出した。


 本当に光に弱いんだ。


 それはいいとして、部屋の中を歩いていくと奥に透明な石でできたドラゴンの像が立っていた。



『ゴケ?(置物?)』



 僕は置物かと思って近づいてみた。


 すると、いきなり像は動き始めた。



『『『ゴケッ!?(動いた!?)』』』


『――――――――侵入者よ、財宝が欲しくば我を倒してみよ!!』


『『『ゴケッ!?(喋った!?)』』』



 石像は動きだし、僕達に襲い掛かってきた。


 ズシンズシンと動き出す石像ドラゴン!


 だけど僕達は逃げない!



『ゴケェ!(ナゲットくん!)』


『ゴケェ~~~~!!(ダークバインド!!)』


『グッ・・・・・・!』



 僕達の中で一番たくさんの魔法を覚えているナゲットくん(金色魔法大鶏)が覚えたばかりの闇魔法で石像ドラゴンの動きを封じた。


 よし、今のうちにフルボッコだ!



『ゴケェ~~~~!!(かかれ~~~~!!)』


『『『ゴケェ~~~!!(おお~~~!!)』』』



 そしてここからフルボッコタイム!


 と言いたいけど、ナハトちゃんの時より少し時間がかかったから戦闘シーンはカットします。


 内容は動けない石像ドラゴンに集中攻撃してバラバラに破壊、心臓みたいな丸い石があったからそれを破壊して僕達は勝った。


 その後逃げていたナハトちゃんから話を聞いたら、あの石像ドラゴンは複数の精霊が石像に宿ったものだとわかった。


 そして壊した丸い石からその精霊達が出てきたんだ。



『痛たたた、まさか鶏に負けるなんて・・・。』→水精霊


『フッ!やるではないか!』→雷精霊


『あ~あ、これでお役目御免かな?』→土精霊


『さ~て、私達も精霊界に帰ろっかな~♪』→光精霊



 全部で4人の精霊が出てきた。


 そして僕達は・・・・



『『『ゴケゴケェ~~~♪(いただきま~す♪)』』』


『『『ギャァァァァァァァァァ!!』』』



 精霊達を美味しく食べて吐き捨てました♪


 その後、僕達は部屋の奥にあった財宝を見つけ、それを僕の魔法で造った4次元倉庫に入れて地上へと帰ったんだ。



〈コッコ団は全員レベルアップした!〉


〈コッコ団は全員新たに《雷属性》を獲得した!〉

〈コッコ団はコッコ以外の全員が進化の条件を満たしました!〉




 予定では今回で終わりの予定でしたが収まりきれませんでした。

 次回でコッコくんのお話は終わりです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ