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ボーナス屋、勇者になる  作者: 爪牙
番外編Ⅱ
78/465

第73話 コッコくん、迷宮攻略を始める

――コッコの夢の中――


 一気に怪しい人になった鶏神様(仮)の声が次に聞こえてきたのはその日の晩、夢の中にいる時だった。


 正直、もう関わりたくないとさえ思ってきた。



――――――選ばれし者よ、昼間は失礼したな。お詫びに新たな力を汝に授けよう。



 ・・・いらないから帰ってくれないかな。



――――――ゴホンッ!それで、汝に授ける力だがその名も《コッコの秘法》・・・



 さようなら!


 自力で夢から覚める!



――――――待て待て待て!嘘!今のは嘘です!本当の名は《神鳥術》!鳥系の神からしか与えられない超レアな能力なんだよ!



 しょうがないな。


 で、具体的にはどんな能力なんですか?



――――――ふう、簡単に言えば特別な力を持った鳥にしか使えない秘術だ。使い方によっては世界を崩壊へと導きかねない力だが、汝の魂を見る限りでは心配ないだろうな。



 いいから質問に答えろよ。



――――――能力その1、仲間を進化させる事ができる!ただし、鳥類に限る!そして能力その2・・・



 ここから先は長くなるからカット!


 最後にアドバイスを貰って今回の会話は終了した。



――――――村の地下にある迷宮を探検すると良いだろう。




--------------------------


――ファル村 鶏舎――


 翌朝、目が覚めてすぐに僕は《神鳥術》を使ってみた。


 とりあえず、よく寝坊するクリスピー(♂)で実験だ。



『ゴケェ!(《進化(エボリューション)》!)』


『・・・コッ!?(ん!?)』



〈クリスピーは黄金大鶏から金色騎士大鶏(ゴールデンナイトビッグチキン)に進化した!〉



 頭の中に変な声が聞こえてきた。


 あの神様、余計なことをしたな。


 その後、家にいた仲間全員を進化させる事に成功した。


 テリヤキちゃんは女王(クイーン)に進化した。



「何だコリャ!?」



 勇者様は僕達を見てすぐに呆然と立ち尽くした。


 それもそのはず、僕以外の仲間達は姿が一新したんだ。



「コッコ団だな!」



 勇者様、その名前はやめてください!


 僕は必死で訴えたけど勇者様には伝わらない!


 そうだ、文字で伝えてみよう!


 僕は地面に文字を書いていった。



「ええ!?コッコくん、マジで言葉分かるのかよ!?」


『ゴケェ!(そうです!)』


「ハハハ・・・・・マジか。」



 勇者様は苦笑しながらも僕の話を聞いてくれた。


 そしてまた何か思いついたのか、僕だけじゃなくみんなにもプレゼントを与えてくれた。


 自分や相手の強さを視ることができる《ステータス》や、他にもたくさんのプレゼントを貰った。


 勇者様と別れてすぐに《ステータス》を使ってみたら凄い事になっていた。



【名前】コッコ

【年齢】0.1  【種族】超鶏(精霊金色王鶏(エレメンタルゴールデンキングチキン)

【職業】鶏皇(Lv1) 闘鶏(Lv1) 神使(Lv1)   【クラス】最強な鶏

【属性】光 風 水 土 木 空

【魔力】1,970,000/1,970,000

【状態】正常

【能力】攻撃魔法(Lv4) 防御魔法(Lv4) 補助魔法(Lv4) 特殊魔法(Lv4) 属性術(Lv4) 鶏魔法 鶏戦法 神鳥術(Lv4) 聖火 飛翔

【加護・補正】物理耐性(Lv3) 魔法耐性(Lv2) 精神耐性(Lv2) 光属性耐性(Lv3) 風属性耐性(Lv3) 水属性耐性(Lv3) 土属性耐性(Lv3) 木属性耐性(Lv3) 全状態異常耐性(Lv3) 回復力向上 鶏の王 長寿 精霊の瞳 野生の勘 鶏神(?)の加護 職業補正 職業レベル補正



【名前】テリヤキ

【年齢】0.1  【種族】鶏(金色女王大鶏(ゴールデンクイーンビッグチキン)

【職業】家畜(Lv1) 鶏女王(Lv1) 魔法鶏(Lv1)  【クラス】鶏の女王1号 コッコの嫁候補

【属性】光 風

【魔力】5,200/5,200

【状態】正常

【能力】鶏魔法 鶏戦法 捕食者の秘技

【加護・補正】光属性耐性(Lv2) 風属性耐性(Lv2) 全状態異常耐性(Lv3) 鶏の女王 長寿 野生の勘 職業補正 職業レベル補正



【名前】クリスピー

【年齢】0.1  【種族】鶏(金色騎士大鶏(ゴールデンナイトビッグチキン)

【職業】家畜(Lv1) 鶏騎士(Lv1) 軍鶏(Lv1)  【クラス】寝坊助鶏

【属性】土 風

【魔力】4,000/4,000

【状態】正常

【能力】鶏魔法 鶏戦法

【加護・補正】物理耐性(Lv2) 土属性耐性(Lv1) 風属性耐性(Lv1) 毒耐性(Lv3) 麻痺耐性(Lv3) 鶏の騎士 長寿 野生の勘 職業補正 職業レベル補正


 まとめると、金色女王大鶏が8羽(・・)、金色騎士大鶏が15羽、金色魔法大鶏(ゴールデンウィザードビッグチキン)が16羽、そして僕の全部で40羽だ。


 勇者様のプレゼントのお蔭でみんなレベルアップが可能になった。


 ようし!これからみんなで探検だ!



「コラ――――!!また逃げおったな――――!!」



 その前に逃げよ!!




--------------------------


――ファル村 地下迷宮(ダンジョン)――


 村には昨日襲ってきた魔獣が開けた穴がまだいくつか残っていた。


 ほとんどは危険だからとすぐに塞がれたけど、いくつかは昨日発見された遺跡への入口として残されていた。



『ゴケェ~!!(突入~!!)』


『『『ゴケェ~~~!!(おおお~~~!!)』』』



 僕達は一斉に遺跡に突入した。


 中に入ると真っ暗だったから光魔法《照明(ランプ)》で明かりを確保して遺跡の中を見渡した。


 ところどころ崩れていたけど立派な建物だったというのが僕にも分かった。


 床や壁の材料になっている石は村で使われている石材よりも遙かに綺麗で頑丈そうだったし、柱や天井に刻まれた彫刻にはみんなも心を奪われそうだった。



『・・・ゴケ!(進もう!)』



 僕達は前に向かって直進した。


 村人達の話を盗み聞きした内容によると、村の広場に開いた穴から真っ直ぐ降りた先にある大きな部屋に宝物があったそうだけど、見渡す限りではそれらしい部屋は見当たらない。


 入る穴を間違えたのかな?


 とにかく前に進んでみよう。




『キキィ――――!(シンニュウシャ!)』


『キキッ!(テキダ!)』


『キキキィ!(キュウケツ!)』



 1分くらい進むと、奥からたくさんの魔獣が襲い掛かってきた。


 これは蝙蝠っていう奴だ!



『ゴケェ~~~~~!?(うわぁ~~~~~!?)』→クリスピーくん


『ゴケケェ~~!!(何あれ怖~~い!!)』→モモちゃん


『ゴケッコォ~~!!(やってやるぜぇ~~!!』→レバーくん(初登場)


『ゴケゴケェ~!!(みんな落ち着いて!!)』→僕



 敵の襲来に僕以外は別々の意味で大興奮だ。


 ここは僕が先制攻撃で士気を高めないと!



『ゴケェ~~~!!(コッコファイヤー!!)』


『『『キキィ!?(ギャァ!?)』』』



 口から軽く火を吐いて敵を牽制する。



『ゴケッ!ゴケゴケェ~!!(よし!みんなで総攻撃だ!!)』


『『『ゴケェェ~~~~!!(オォォォォォォォ!!)』』』→オス一同+肉食系メス



 そして僕達の戦いは始まった!





--------------------------

~捕捉コーナー~


精霊金色王鶏(エレメンタルゴールデンキングチキン) ♂】

【分類】鳥類

【用途】不明

【詳細】一定条件を満たした鶏の王が精霊の力を食べて進化した。

 その力は食べた精霊の力によって個体差が大きく、中には上位竜よりも強い個体も過去に確認されている。

 出現例は極めて稀で、数十年から二百年に1羽目撃されるかどうかというほど珍しい。

 一説によると、神と交信ができるとも言われている。

 戦闘力が高い為、食用肉にできるかどうかは現在不明である。



金色女王大鶏(ゴールデンクイーンビッグチキン) ♀】

【分類】鳥類

【用途】家畜用

【詳細】ある一定条件を満たした土地で飼われたメスのヒヨコ(またはメスの金色大鶏)が成長した変異種。

 通常の鶏の何倍も長命であり、生涯で産む卵の数も桁違いである。

 潜在能力は未知数であり、神話の中では神に愛されていたとも言われている。

 より強いオスを好み、より優秀な子孫を残す習性がある。



金色騎士大鶏(ゴールデンナイトビッグチキン) ♂】

【分類】鳥類

【用途】家畜用

【詳細】ある一定の条件を満たしたオスの金色大鶏が進化した姿。

 戦闘力が高く、物理攻撃と魔法攻撃の両方を使いこなすことができる。

 防御力が高く、普通の刃物程度では傷付けるのが難しい。

 より優秀な個体は更なる進化を遂げる場合がある。

 肉はかなり美味。



金色魔法大鶏(ゴールデンウィザードビッグチキン) ♂】

【分類】鳥類

【用途】家畜用

【詳細】ある一定の条件を満たした金色大鶏が進化した姿。

 魔法系の能力に優れ、自然界に存在する魔力(マナ)を吸収して強力な魔法を使う事ができる。

 その反面、物理攻撃には弱いので金色騎士大鶏と一緒にいることが多い。

 肉の味は普通だが、個人によっては食べると魔力が上昇する場合がある。



吸血大蝙蝠(ヴァンパイアビッグバッド) ♀】

【分類】哺乳類型魔獣

【用途】食用、防具用素材

【詳細】光の届かない洞窟や地底に生息する魔獣。

 主に他の生物の血液を摂取する事で生きている。

 超音波を駆使して外敵に幻覚を見せて戦う。





 余談:鶏神様は後日、凄く偉い某神様にコッテリ叱られたそうです。

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