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ボーナス屋、勇者になる  作者: 爪牙
戦争編Ⅲ-ファル村大決戦の章-
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第66話 ボーナス屋、敵勇者に罰を与える②

 日刊ランキング入り、そしてお気に入り登録者数1000件突破!

 大変なことになりました。

 みなさんのおかげでここまで来れました。

 本当にありがとうございます。

 怒ったコッコくんが捨駒勇者達の前に現れた。


 コッコくんは男勇者2を食べた。



「ギャァァァァァァァァァ!!!」


「ゴペッ!!」



 だがすぐに吐き捨てた。


 どうやら不味かったらしい。



「何すんだこのクソ鳥!?」



 男勇者2はコッコくんに石を投げつけた。


 だが効果はないようだ。



『ゴケェ~~~~~~!!!』


「「「わぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」」



 さらに怒ったコッコくんは炎を吐いた。


 捨駒勇者達はこんがりと焼きあがった。





--------------------------


 何でこうなったんだ?


 今、俺の目の前にはマンガみたいに黒焦げになった捨駒勇者達がいる。



「コッコくん、何で怒ってるんだ?」


『ゴケ!ゴケケ!ゴケェッコ!』


「・・・・・・。」



 うん、何言ってるのかさっぱりわからん!


 仕方ないので近くにいた目撃者の騎士さん達に聞いたところ、どうやら男勇者2がコッコくんに愚痴をぶつけたり悪口を言ったりしたらしい。


 そしてそれがエスカレートした挙句、黒焦げにされた。


 ちなみに、全員食べようとしたけど不味くて吐いたらしい。



「クソッ!何だあの鳥!殺処分しろよ!!」


「そうよ!あれは危険生物ですわ!」


「グスッ!何も悪いことしてないのに・・・・・。」


「僕達は被害者なのに!!」



 捨駒勇者ども、好き勝手に文句言ってやがる。



「それ、全部みんながお前らに言いたいセリフだろ!」


「んだと!!誰なんだお前は!?」


「見ての通りお前らと同じ日本人だよ。不本意だけど!」



 正直、こいつらと同郷だとは思いたくはない。


 こいつら問題起こしすぎだろ。



「え、日本人なの!?」



 気付いてなかったのかよ!


 一目見れば分かるだろ!



「だったら俺達を助けろよ!こいつら、人を悪人扱いしやがって!」


「どう見ても悪人だろ!自分達がしてきたことをようく思い出してみろ!」


「違うんです!僕達は騙されただけなんです!アイアスさんの話を聞いてたでしょ?僕達は被害者なんです!」


「知ってるけど、お前らがやった事が間違いだらけなのは変わらないだろ。いい加減、自分の罪を認めたらどうだ?」


「ち、違いますわ!私達は戦争をする悪人を裁いただけです!」


「戦争をしている人全員が悪人だって誰が決めたんだ?」


「そんなの、常識じゃないか!」


「それは常識じゃなくて偏見だろ!」



 戦争をする人全員が悪人なら、世の中には悪人しかいないことになるだろ。


 こいつらと違って、狡猾な手で騙されたり嫌々戦争に参加する人間はどの世界にも大勢いるだろうしな。


 自分の意志で参加している人だって、様々な事情があって戦っている。


 それに対して、こいつらは自分が選ばれた人間だという思い込みと一方的な偏見で好き放題暴れたんだ。


 騙されていたなんて言い訳が通じるはずがない。


 あ、周りにいる騎士や兵のみんなもかなり苛立っているな。



「うう・・・同じ日本人なのに・・・何で酷いこと言うの?」


「そうだ!同郷なら味方しろよ!これ以上ふざけた事をしやがるとタダじゃすまないぞ!!」


「そうですわ!私の父に言いつけてやりますわ!」


「わ、私のパパは代議士だから・・・・助けてくれないとパパが怒るよ・・・!」


「俺の親父だって!」



 こいつら、今度は親を出して脅してきたよ!


 察するに、日本じゃかなりの有力者のようだけどここじゃ無意味だって分からないのか?



「僕の母は有名な弁護士なんです!」


「だから何?お前らの両親もこっちの世界に来てるのかよ?」


「そ、それは・・・・・・!」


「大体、お前らの家族の権力とかって異世界でも有効だと思ってるのか?仮にこっちに来たとしても相手にされないぜ?」


「日本に帰ったら有効だろ!!」


「そうですわ!すぐに日本に帰って、父にこっちでのことを話して・・・・」


「異世界で大量殺人をしたら怒られたって言うのか?」


「「うっ・・・・・・!」」



 ようやく黙ったか?


 日本にいる家族にこっちでの出来事を話したところで、真っ当な親なら叱るだろうし、腐った親なら厄介者として切り捨てられるのがオチだろう。


 最悪、実の親の手で抹殺されるかもしれない。


 それは流石に不憫な気がするな。


 というか、こいつら簡単に日本に帰れると思ってるのか?



「ぼ、僕は悪くない!いつだってみんな僕の味方をしてくれたんだ!母だって、僕を認めない悪人を学校から追い出してくれたんだ!」


「それ、単に自分のキャリアを守っただけじゃないのか?世間体の良い息子を持ったエリート弁護士って宣伝する為にさ?」


「ち、違う・・・!」



 男勇者1、結構動揺し始めたな。


 頭では理解し始めてるけど現実逃避しようとしているってところか?


 それとも母親の行動に思い当たる節でもあったか?



「そもそもお前ら、簡単に元の世界に帰れるって思ってるのか?」


「え・・・?」


「俺の勘だけど、お前らも《奇跡の書》とかでこの世界に召喚されたんじゃないのか?」


「「「――――――!」」」



 どうやら当たりみたいだな。


 俺は捨駒勇者達に、この世界の事情を簡単に説明した。


 もちろん、簡単には元の世界に帰ることは出来ないってこと。


 むしろ帰れない可能性が高いってことも話した。



「帰れない・・・・?」


「う、嘘!?」


「いや、マジだから。」


「嘘だ!お前ら俺達を騙そうとしてるんだろ!?」


『嘘じゃないよ~~~~~~~♪』


「「「―――――――――!?」」」


「・・・銀洸、顔近づけ過ぎだ!」



 突然、俺の横に銀洸の頭が寄ってきた。



「そういえば、何でお前はこの世界にこれたんだ?」


『龍王だから~~~~!』



 なるほど。


 一発で納得できそうな説明だな。



『僕って~~~、世界の狭間というか~~~~、時空全般を司る龍王だからいろんな異世界に出入りがフリーダムなんだよね~~~~♪』


「・・・だ、だったら俺達を日本に連れてけ!!」



 おいおい、バカでも龍王の銀洸に命令口調かよ?



『え~~~~、ヤダ~~~~♪それに無理~~~~♪』


「な・・・・・!」



 残念、無理でした♪


 けど、何で無理なんだ?



『僕みたいに~、自力で来た人なら一緒に連れて行けるんだけどね~~。』


「ん?召喚で来た人は無理ってことなのか?」


『うん♪というより~、その《奇跡の書》って実はちょっと欠陥品でね~、その本で召喚されたら最後、その人はこの世界から二度と出られなくなってしまうんだよね~~~♪』


「「「えええええ!!??」」」



 俺も捨駒勇者達と一緒に声を上げてしまった。


 召喚されたら最後って、とんでもない欠陥品じゃないか!


 誰だよ、そんな本作ったのは!!



「ふざけるな!!一生ここに居ろって言うのかよ!?」


『一生と言っても~、君達の場合は今すぐにでも処刑されそうだけどね~~~~♪』


「な!?」


「「「え!?」」」



 捨駒勇者達はここで初めて周りにいる人達の様子に気付いた。


 さっきからの暴言やら、今までの悪行の数々でかなり怒りを買ってしまった捨駒勇者達には周囲からたくさんの視線が集まっていた。


 怒りや恨み、殺意が自分達に向けられている事にようやく気付いた捨駒勇者達の顔は真っ青になった。



『きっと、君達に大切な人を殺された人もたくさんいるんだろうね~~~?』


「い、嫌・・・・・!」


「な、何ですの・・・私は何も・・・!」


『そ~いえば~、君達の国じゃたくさん人を殺したらどんな罪に問われるのかな~~?相手が善い人か悪い人か関係なく。』


「そ、それは・・・・・・!」


「誰が処刑されるかよ!逃げるぞ・・・!」


「させるか!」



 往生際の悪い男勇者2は魔法を使って逃げようとしている。


 俺はすぐに《エフォートエクスチェンジャー》を起動して、4人に〈強制オールリセット〉を使った。



「な、魔法が使えねえ!?」



 ふう、これで今度こそ間違いなく無力化できたぜ!



『さ~~て、この後の君達の運命は次のうちどれでしょう~~~!


1、即処刑

2、身ぐるみ剥がされて奴隷にされる。

3、そこの鶏のゴハン!

4、森に捨てられ魔獣のゴハン♪

5、僕のゴハン♪

6、島流し

7、放置

8、その他


 分かるかな~~~~~~?』



 銀洸の奴、凄く楽しそうだな。


 選択肢の中に冗談であってほしいのがあったのは気のせいか?


 てか、食べられる系が多いな。



「や、やめろ!!」


『フッフッフ、勇者を語って殺戮を重ねた罪の数々、神に代わって裁いてやるよ~~~!」


「・・・おい!」



 銀洸のやつ、全身から超高密度の魔力を流して脅しているな。


 例えるならブ〇ーチのとある総隊長の爺さんに威嚇されているのに近い感じだ。


 今の捨駒勇者達は蛇に睨まれた蛙、さらに真っ青になって気絶しそうになっている。


 あいつ、絶対面白がっているよな?


 あ、約2名が失禁しちゃった!


 銀洸の奴、どんだけ怖がらせているんだ?



「あ・・あ・・・あぁ・・・!」


「ぅ・・あ・・・!」


「ご・・・ごめ・・ん・・・・!」


「ひ・・・ぁ・・・!」



 あ~あ、4人とも泣き出しちゃったよ。


 まあ、これ位の罰は当然で・・・いいよな?


 と、そこにステラちゃんが止めに来た。



「龍王殿、お待ちください!」


『何~~?』


「その者達の裁定、私達に任せていただきたい!」


『いいよ~~~!』



 あっさりだな!


 ステラちゃんも銀洸のノリに戸惑ってるみたいだ。


 俺も手伝うか。



「銀洸、とりあえずそのプレッシャーみたいなの止めたらどうだ?なんだか泡を出し始めたぞ?」


『蟹みたいだね~~~?』


「いいから止めろって!」


『オ~ケ~♪』



 銀洸はどこぞの死神みたいなプレッシャーを止めた。


 ちなみに、このプレッシャーは捨駒勇者達にだけ放っていたから俺達には何の影響もなかった。


 ただ・・・



『ゴケェ~~~!!』



 なんだかコッコくんが銀洸にライバル心みたいなのを抱き始めたみたいだ。


 龍王VS超鶏、すごい構図だ。


 ちょっと面白そうだな?


 それはそうと、捨駒勇者達は失神しちゃったな。



『じゃあ、責任を持って取り扱ってね~~~!僕はこれからお弁当タ~イム♪』


「いや、もう帰れよお前!」


『僕の~お弁当は~~幼馴染みが~作った~愛情~弁当~~♪またの~名を~愛妻弁当~~~♪』



 銀洸は変な歌を歌いながら弟と一緒に村の方へ飛んでいった。


 銀洸、未来の嫁がいたのかよ・・・。


 周りを見たら、彼女がいないらしい男性陣から嫉妬のオーラが見えた。


 ああ、イラッとくるもんな?


『ハ~レム50人~~~♪』



 戦いの終わった戦場で嫉妬の炎が大噴火した。


 どんだけ嫁候補がいるんだよ!?


 幼馴染みの女の子50人から愛妻弁当!


 羨ましい~~~!!



「「「爆発しろ!!!」」」



 モテナイ男の心からの叫びが響きわたった。


 あ、俺は叫ばなかったぜ?


 隣にステラちゃんがいたからな!


 ちなみにステラちゃんは、もてない男達を冷ややかな目で見ていた。


 ふう、危ない危ない♪






 番外編のリクエストは明日火曜日まで募集しています。


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