第63話 ボーナス屋、助っ人にビックリする
人気上昇中のコッコくん参戦!
村の方からコッコくんが走ってきた。
『ゴケェ~~~~~!!』
走るコッコくんに魔獣の蔓が襲いかかる。
だがコッコくんは天高く跳んで回避した。
『ゴケッ!!』
太陽をバックに金色の両翼を広げた。
そして地上にいる魔獣に向かってダイブする!
『ゴケェ~~~~~!!』
嘴を突き出し、全身を回転させながら虫型の魔獣の頭にアタックする!
これってド○ルく○ばし!?
『ギッ・・・!?』
魔獣の頭にコッコくんの頭が突き刺さった。
直後、魔獣の頭が爆散した。
何をしたんだコッコくん!?
『ゴケェ~~~~~~!!』
おめでとう、コッコくんのレベルが上がった!
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「・・・何だ、あの鶏は?」
少し離れた場所から見ていたダニールはあっけにとられていた。
それは俺達も同じだけどな。
じゃない!今がチャンスだ!
「《ウォーターブラスト》(弱)!!」
「――――――――ッ!?」
敵の目がコッコくんに釘付けになっている好きを突き、俺は檻を燃やしている炎を消火した。
よし、一発で鎮火したぜ!
「チッ!無駄なこ・・・・っに!?」
「弟達に手を出させるかっ!!」
ダニールが再度炎を放とうとする刹那、ロビンくんがダニールの眼前に現れて槍を突き出した。
ロビンくん、今、地が出てたよな?
「・・・・・・・雑魚がっ!《エクスプローション》!!」
「《シールド》!!」
ダニールが爆発魔法を放ち、それをロビンくんが防御魔法で防ぐ。
魔法の威力は格段に落ちているが、それでもダニールの方が優勢のようだ。
それでもロビンくんは臆することなく戦っていった。
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一方、コッコくんの方は・・・
『ゴケェ~~~~~~!!』
『アンギャァァァァァァ!!』
『ギャオォォォォォォォォォ!!』
コッコくんはモグラとドラゴンの2体の魔獣と対峙していた。
蔓の方は何故か大人しい。
自分の意志で戦えないのか?
『ゴケッ!!』
コッコくんが動いた!
次の相手はドラゴンだ!
『ギャォォォォォ!!』
ドラゴンは鋭い爪でコッコくんに襲い掛かる!
『ゴケ!!』
だがコッコくんは余裕で避ける!
そして風を纏いながら両翼を広げた!
『ゴケゴケェ~~~~~~!!』
『ギャゴッ!!』
コッコくんの鎌鼬攻撃!!
真空の刃がドラゴンの強固な鱗をものともせず切裂いた!
『ゴケェェェェ!!』
コッコくんの衝撃波!!
ドラゴンの巨体は100m以上も吹っ飛んだ!
『アンギャァ~~~~!!』
モグラが痺れをきらして襲い掛かってきた。
モグラの突進攻撃!
『ゴケッ!』
コッコくんは華麗にジャンプしてモグラの突進を避けた。
そしてコッコくんのトサカは光を吸収し始めた。
『ゴケェ~~~~~~~~~!!』
コッコくんのトサカビーム!
ビームがモグラに直撃して爆発した!
『アギャァァァァ・・・・・・・ァ・・・・・・・!』
モグラはこんがりと焼きあがった。
コッコくんはモグラを倒した!
コッコくんのレベルがまた上がった!
『ギャォォォォォォォォ!!』
『ゴケッ!?』
ドラゴンが咆哮を上げた。
ドラゴンはコッコくんに向かってファイヤーブレスを放った。
『ゴケェ~~~~~!!』
だが、コッコくんは逃げるどころか炎に突っ込んでいった。
コッコくんの全身を不思議な光が包み込んだ。
そしてコッコくんは炎の中に突っ込んだ!
『ゴケェ!!』
『ギャオッ!?』
ザクッと音を立てながらコッコくんはドラゴンの横を通過した。
直後、ボトッとドラゴンの首が地面に落ちた。
『ゴケェ~~~~~~~!!』
コッコくんは勝利の雄叫びを上げた!
コッコくんのレベルがまたまた上がった!
そして数秒後、その他大勢を拘束していた魔獣の蔓が一斉に枯れ始めた。
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コッコくん無双してるな~。
あっという間に魔獣達を全滅させちゃったよ。
後でステータスを確認しよっと!
「―――――――チッ!この辺の野生の魔獣じゃこの程度か!」
「お前もこれで終わりだ!!」
「舐めるな!《フレイムトルネード》!!」
「《クリアシールド》!!」
「《防御破壊》!!」
「うわあっ!!」
「ロビンくん!!」
防御が破壊され、ロビンくんは炎の渦に飲み込まれて吹っ飛ばされる。
「手間をかけさせやがって!」
ダニールは再び人質の入った檻に火を点けようとする。
させるか!
「行け!さっきの極太ビーム!!」
「なっ!」
俺は一か八か、謎の剣に魔力をたくさん込めて振ったら出たよ極太ビーム!
真っ直ぐダニールに向かっていった!
「チッ!」
舌打ちしながらダニールは横に跳んで避けようとするが、不思議な事に極太ビームはすぐに直角に曲がってダニールを追いかけていった。
スゲエ!追尾機能付きのビームかよ!
「・・・不完全だが、やはり何割かは覚醒済みか!?」
ダニールは何かを呟きつつ、足元を爆発させその威力でビームから逃れようとする。
だが、それがあだとなった。
「―――――――《トルネードソード》!!」
「―――――――《ウォーターブラスト》!!」
「なっ・・・・・しまった!!」
ダニールの背後から、ステラちゃんとフィリスの攻撃が襲い掛かった。
ステラちゃんの剣から放たれる竜巻とフィリスの水魔法、それが融合して水の渦となってダニールに襲い掛かった。
もし、あそこでダニールが火属性魔法による加速ではなく空属性魔法による転移を使っていたら背後から不意打ちを受ける事はなかったはずだ。
一瞬の判断ミスがダニールを追いつめたんだ!
「くっそぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
そして極太ビームと水の渦に挟まれたダニールは絶叫を上げた。
どうやらこのタイミングで次の魔法は出せないらしい。
そして、銀色の爆発がダニールを飲み込んだ。
「―――――――――敵将は倒れた!敵を拘束、負傷者を救出せよ!!」
「「「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」」
ステラちゃんの声とともに大勢の味方が声を上げた。
ダニールとアイアス、将軍の3人は倒したし、残りはブラスとザックだけだな?
「痛ぅ~~!ダニールはどうなった・・・!?」
「・・・ロビンくん、口調がかなりチンピラっぽくなってるぜ?」
「あ・・・!」
意外と軽傷のロビンくんは俺に言われて自分の地が出ている事にようやく気付いたようだ。
「すみません。それより、ダニールは?」
「ああ、あそこで・・・・・・」
「――――――――大健闘だったな?」
「「―――――――――――ッ!?」」
俺がダニールが倒れているだろう場所に指をさした瞬間、その男は両脇にアイアスとダニールを抱えて立っていた。
「―――――――――ブラス!!」
「お前達には名乗っていなかったが、聞いていたようだな?」
そいつは俺の能力で無力化したはずのブラスだった。
奴も何か切り札を持っていたのか!?
俺は念の為、奴のステータスを確認してみた。
【名前】『三千世界の渡界者』ブラス=アレハンドロ
【年齢】167 【種族】人間
【職業】???補佐官 【クラス】異界の探索者
【属性】メイン:空 サブ:光 闇 火 風 水 雷 氷
【魔力】5,097,000/6,230,000
【状態】疲労(小)
【能力】攻撃魔法(Lv2) 防御魔法(Lv2) 補助魔法(Lv3) 特殊魔法(Lv5) 属性術(Lv2) 剣術(Lv1) 体術(Lv3) 投擲(Lv1) 錬金術(Lv3)
【加護・補正】――閲覧不可――
【BP】21pt
どうなってるんだ?
ブラスの能力の欄が閲覧できたが、能力がこんなに・・・・!?
確かに俺は〈強制オールリセット機能〉を使って奴の能力や補正もリセットしたはずだ。
その証拠に、奴のボーナスポイントはリセット直後と同じままだ。
「――――――まさか、自分にこれを使う事になるとは思いもしなかった。やはり、戦いとは一個人の能力で大きく左右されてしまうのはどこの世も同じだな。」
ブラスは左手の指に嵌めた指輪を見ながら呟いた。
・・・どう見てもあの指輪が怪しいよな?
【覚醒の聖環】
【分類】アクセサリー型魔法具
【品質】高品質
【詳細】対象者に秘められている能力を覚醒させる魔法具。
ただし、効果は対象者によって多少異なる場合がある。
使用回数に限度があり、使い続ければいずれ壊れる。
便利アイテムだな。
多分だが、「能力がリセットされた状態≒能力が覚醒していない状態」と判断して自分に使ったんだろう。
俺の能力とは相性の悪そうなアイテムだ。
「この戦い、予定外の事態が重なった以上は続ける意味は最早ない。今回はお前達に勝利を譲ろう。」
「へえ、帰ってくれるんだ?」
「そう言う事だ。まさか、我らが求めていた『神器』のひとつが既に封印から解放されて人の手に渡っていたとは大きな誤算だった。私の仕事も一時中断となるだろうが、お前がその『神器』を持っている限り、近い内に再び会う事になるだろう。」
「『神器』・・・?」
それって俺の持っている謎の剣のことか?
言葉の響きからしてとてつもないレアアイテムみたいだな。
こいつら、これが目的でこの世界で暗躍してたのか?
まさか武器屋で売れ残り品だとは奴らも想像もしていないだろうな。
「これ以上の事を知りたければ自分で調べる事だ。では、これにて失礼する。」
「おい、待て!」
ブラスの周りの景色が歪み始めた。
どうやら別の場所に転移する気のようだ。
「――――――――フ、さらば・・・・・・何!?」
ブラス達が目の前から消えようとしたその時だった。
ブラスの真上から何かが急落下してきた。
『ど~~~い~~~て~~~~~~~!!』
「ブベボッ!!??」
あと一瞬が間に合わず、ブラスたちは空から落下してきた巨大な“それ”の下敷きになった。
同時に、物凄い震動が大地を襲った。
おいおい、今の声って何所かで聞いた記憶が・・・・・。
『フウ~~~~。到着ぅ~~~~~~~♪』
「・・・・・・・・・え?」
そこに現れたのは銀色の巨体、全長1000m以上の超ビックサイズの“龍王”だった。
おいおい、何でこいつが?
『ゴケッ!ゴケゴケェ~~~!!』
あ、コッコくんが張り合ってる。
コッコくんの活躍はまだ終わらない!
そして同時連載中の別作品からあのキャラが登場!
知ってる人も知らない人も次回を見逃すな!
・・・大袈裟に言ってみました。